「スーパーへ買い物に行くのはどのくらい危険か?」や「友だちと会う場合の感染リスクは?」、「職場でマスクを着用した場合、感染リスクはどの程度軽減できるのか?」など、シチュエーション別で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクを細かに算出してくれるオンラインツールが「microCOVID Project」です。
microCOVID Project
https://www.microcovid.org/
使い方は簡単で、最初に「Country or US State:」から感染リスクを測定したい国と地域を選択。今回は「Japan(日本)」の「Tokyo(東京)」を選びました。
なお、地域選択欄の下にある「Override location-based data」にチェックを入れると、人口・新規症例数・ワクチン接種状況などの数値を入力することができます。日本の場合、人口・新規感染者数はあらかじめ入力されていますが、ワクチン接種状況や先週比での症例の増加率などは入力されていないので、これを入力することで「microCOVID Project」によるシミュレーションの精度を高めることが可能です。
続いて、シチュエーションを選択。テキスト形式で入力することも可能ですが、テキストボックスをクリックするとシチュエーションが以下のように表示されるので、この中から選んでもOK。今回は「Grocery store for 60 minutes (crowded)(食料品店で60分の買い物:混雑時)」を選択してみました。
設定した「食料品店で60分の買い物:混雑時」での感染リスクは「Moderate Risk(中程度のリスク)」で、「40 microCOVIDs」と算出されました。「1microCOVID=COVID-19に感染する確率は0.0001%」なので、感染確率は0.004%と低く感じられますが、個人の年間許容量が「10000microCOVIDs(感染確率1%)」に設定されているため、総評としては「中程度のリスク」となっています。
この他、「Your Vaccine」からは自身のワクチン接種状況を入力可能。自身の摂取したワクチンの種類と、接種回数を選択できます。
シチュエーションを設定後には、各種数値を細かく変更することが可能。「Nearby people」では周囲の人の状況を細かく設定できます。「People」は5メートル以内にいる人数、「Distance」は周囲の人の平均距離、「Duration」は買い物にかかる時間、「Risk Profile」はmicroCOVID Projectが設定するユーザーごとの感染リスクの尺度、「Their vaccine」はワクチンを接種したか否かが入力されており、シチュエーション選択時に自動で入力されるのですが、適宜数値や設定を変更してもOK。
「Precautions」では周囲の感染対策状況を設定可能。「Environment」は屋内か屋外かや、施設の換気状況などを選択可能。「Your mask」では自身がマスクを着用しているか否かや、どんなマスクを着用しているかを選択可能。「Their mask」では「Your mask」と同じように、自分以外の周囲の人のマスク情報を選択できます。「Their talking volume」では周囲の人の会話時の声のボリュームを選べます。
その他、記事作成時点での東京での感染リスクは「マスクなしで屋内で3人で会話」(非常に高いリスク:500microCOVIDs)、「2人で15分のドライブ」(中程度のリスク:60microCOVIDs)、「任意の人と1泊」(非常に危険なリスク:1000microCOVIDs)、「満席の飛行機でのフライト」(高いリスク:200microCOVIDs)、「屋内のレストランでの食事」(非常に危険なリスク:3000microCOVIDs)などと算出されました。シチュエーションごとの周囲のワクチン接種状況や、ソーシャルディスタンスの取り方、マスクの着用状況などはそれぞれ異なるので、詳細に設定を詰めておくことでより厳密に数値をはじき出すことも可能です。
「microCOVID Project」では年間の許容量が10000microCOVIDs(感染確率1%)に設定されているので、これに準拠して単純計算すると、1週間当たりの許容量は「約190microCOVIDs」。これをベースに考えるとシチュエーション別の感染リスクの高さがよりリアルに実感できそうです。
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