Snapchat運営が開発したAR対応スマートサングラス「Spectacles」を実際に使って見えた期待と課題とは?

GIGAZINE



写真共有ソーシャルアプリ「Snapchat」の運営企業であるSnapは、シリーズ初のAR対応カメラ付きサングラスとなる第4世代「Spectacles」を2021年5月に発表しました。このSpectaclesを実際に使った上で見えてきた課題と期待を、IT系ニュースサイトのThe Vergeがまとめています。

Snap AR Spectacles hands-on: an ambitious, impractical start – The Verge
https://www.theverge.com/22819963/snap-ar-spectacles-glasses-hands-on-pictures-design-features

Snapが発表した第4世代SpectaclesがどんなAR対応サングラスなのかは、以下の記事にまとめられています。

Snapchatの開発元がAR対応のスマートグラス「Spectacles」を発表 – GIGAZINE


第4世代Spectaclesは細く鋭いエッジのフレームを持ち、全体的に角張ったデザインで、The Vergeは「テスラのCybertruckに近い美学が感じられます」とコメントしています。また、マグネット付きの頑丈なケースが付属しており、このケースは充電スタンドにもなるとのこと。


サングラスのツルは柔軟性が高いのでぐにゃりと曲げることができ、装着感は軽いとのこと。メガネの上から装着することも可能ですが、第4世代Spectaclesには度付きレンズも用意されているそうです。さらにステレオスピーカーや充電用USB Type-Cポート、動画撮影や路面検知用のカメラ2基を搭載し、Wi-Fiにも対応しています。


また、第4世代SpectaclesにはQualcomm世界初となるAR・VR専用SoC「Snapdragon XR1」が採用されているほか、レンズ部分にはデュアル導波管ディスプレイを搭載し、最大2000ニトの輝度で太陽光の下でもARコンテンツをはっきり見えたとのこと。

The Vergeは、実際に自宅の庭で第4世代SpectaclesをつけてARゲームをプレイした映像を公開しています。


しかし、高機能を実現しつつサングラスとしての軽量感を守るため、第4世代Spectaclesのバッテリー容量は厳しく制限されており、連続使用時間はわずか30分。また、ARレンズのサイズが小さく、サングラスのレンズ領域の半分ほどしかないことも欠点だとThe Vergeは述べています。


手のジェスチャーで操作できるハンドトラッキングの精度もそこまで高くなく、The Vergeは「第4世代Spectaclesは長年にわたって他のARヘッドセットで見てきたような概念実証のようなもので、実際に販売されても購入しようと思えるようなものではありませんでした」と述べていますが、一方でこれまで体験したAR対応スマートグラスの中で最高品質であるとも評価しています。

そして、The Vergeは、Snapがファームウェアのアップデートを重ねていることにも注目。例えば、ARプログラムが実行中でも、アクティブではない場合は自動的にディスプレイをオフにする機能が搭載されたとのこと。また、地元のランドマークをマークアップして他のSpectaclesユーザーにも示すようにする「Custom Landmarkers」という機能も搭載される予定で、今後もアップデートによって連続使用時間やユーザーエクスペリエンスが改善されていく可能性は十分にあります。

さらに、Snapは第4世代SpectaclesをARクリエイターに貸し出しており、すでに対応コンテンツの開発が始まっているとのこと。例えば、Wi-Fiネットワークを共有するSpectaclesを同期させることが可能で、実際にSnap ARのクリエイターであるAidan Wolf氏は、フレームの側面にあるキャプチャーボタンを使ってエネルギーボールを撃ち合うゲームを開発したそうです。ただし、The VergeによればSpectaclesの同期を何度も試すこととなったそうで、ペアリングシステムにはまだ課題があるとしています。


The Vergeは「ソフトウェアや将来のハードウェアの性能が上がれば、きっとクリエイターたちが面白いコンテンツを開発することでしょう。インターネット上で開発者が公開している初期コンセプトをいくつか見ましたが、エクササイズゲームや、旅行中に滞在している街の情報を見るといったユーティリティー、ARのフードメニューなど、魅力的なものばかりでした」と述べ、開発コミュニティの成熟に期待を寄せています。

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