次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 5」の登場で「Unity」が終わるのではという指摘

GIGAZINE


2022年4月6日、Epic Gamesが高性能の次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 5(UE5)」を正式リリースしました。UIやワークフローに優れた点がアピールされたこのエンジンの登場により、ライバル的存在のゲームエンジン「Unity」の魅力がなくなったのではないかと、ゲーム開発者のイーサン・リー氏が指摘しています。

flibit_unreal_unity.md · GitHub
https://gist.github.com/flibitijibibo/035087d8736441786b10e8c3879d50dd

2022年4月14日、UE5登場の1週間後に、ゲーム開発者のケーシー・メイソンズ氏が以下のようにツイートしました。メイソンズ氏は「Unityの現状のポイントは何ですか?大きくて扱いにくいエンジンを扱いたくない場合は、自分で作り替えてUE5を使用するだけですよね?」「UE5はすべての側面でUnityを上回っているようで、Unityのバリューがどうなるかは正直分かりません」とツイート。この投稿に対し賛成の意見も寄せられた反面、「Unityは小規模開発者にとって親しみやすい」「Unityは2Dおよびモバイルゲームに適している」などの反対意見も寄せられました。

It seems like it is so far ahead of Unity at this point on all fronts, including asset provision (megascans + metahuman), I’m honestly just not sure what Unity’s value proposition would be. Maybe devs who are sticking with Unity could fill me in?

— Casey Muratori (@cmuratori)


リー氏はこのツイートに対し、主に保守性の観点から言及しています。リー氏自身はUnityやUnreal Engineに触れた経験があるとのことですが、普段は主に長期的なメンテナンスに重点を置いているとのこと。リー氏は「Unityはプロジェクトのライフサイクルの初期の部分で非常に扱いやすいエンジンですが、後半になるにつれてその質は低下します」と指摘。

リー氏いわく、Unityで作られたゲームは長期的なメンテナンスが困難で、多くのゲーム開発者が自身のプロジェクトの保守にうんざりして放棄してしまうというパターンを見てきたとのこと。リー氏は「Unityのゲームを完成させるのが難しい理由の99%は開発者とエンジンの間に大きな壁があることなのですが、Unreal EngineではUnityでは実現できないこと、そしておそらく今後もできないことを、メンテナンス担当者ができるようになるとおもいます」と述べ、UnityとUnreal Engineの間で保守性に大きく相違があると分析しました。

by Unity Trek & Unity3D.com

また、デバッグの観点からもUnreal Engineは優れているとリー氏は指摘。Unreal Engineは、IP保護を適切に維持したままフォーラムで意見を募ることができるサービスが展開されており、これにより例え独立系企業であってもデバッグやレビューを受けることができる点が利点だとのこと。「経験豊富なAAAレベルの開発者と一緒に仕事ができるということは、Unityでは夢にも思わなかったことです」とリー氏は述べています。

リー氏は最後に「特に私のように、ゲームを多くの場所で動作させ、非常に長い時間動作させることに集中しなければならない開発者にとって、メンテナンス性は大きな違いを生むでしょう」と述べ、改めてUE5の保守性の利点を強調しました。


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