リング・コンシェルジュ、強盗事件を逆手に ソーシャルメディア のキャンペーンに:「強盗が認めた」商品として発売

DIGIDAY

5月19日、創業10年のジュエリーブランド、リング・コンシェルジュ(Ring Concierge)のニューヨークの旗艦店であるブリーカーストリート店が強盗被害にあった。店舗を2日間閉めざるを得ない状況になったものの、事件を逆手に取り、ソーシャルメディアのキャンペーンにしたことで大きなエンゲージメントを獲得した。

5月19日、創業10年のジュエリーブランド、リング・コンシェルジュ(Ring Concierge)のニューヨークの旗艦店であるブリーカーストリート店が強盗被害にあった。ダイヤモンドやゴールドなど、さまざまな宝飾品が盗まれ、店内も破損したため、リング・コンシェルジュはその店舗を2日間ほど閉めざるを得なかった。

この店舗は2021年11月にオープンしたばかりだっただけに、これは非常に残念な出来事だった。しかし、リング・コンシェルジュの創業者でCEOのニコール・ウェグマン氏によると、この事件はブランドがストーリーをコントロールするチャンスでもあったという。盗まれた商品の価値や店舗の被害については、ウェグマン氏はコメントを避けた。

事件を逆手にとり、ソーシャルメディアのキャンペーンに

ウェグマン氏とリング・コンシェルジュのマーケティングチームはこの盗難事件にヒントを得て、1週間にわたってデジタルと対面式でのキャンペーンを行った。たまたま昨年秋にリング・コンシェルジュでは「宝石強盗」をテーマにした写真撮影を行っていたのだが、その写真は結局使われなかった。強盗事件後に再びグランドオープンを行った際、同社ではそのお蔵入りしていた「宝石強盗」の写真を使って偽の新聞を印刷、店舗を使える状態に戻すための努力をソーシャルメディアで紹介し、インスタグラムの50万人のフォロワーに向けて強盗事件のことを隠し立てせずに説明した。公式ウェブサイトでは、リング・コンシェルジュが盗まれたスタイルのコレクションを紹介し、「強盗が認めた」商品として売り出した。

「私たちはつねに、フォロワーに対して非常に率直に向き合っている」とウェグマン氏は言う。「どんなスタイルが見たいか投票してもらったり、(ビジネスの)舞台裏を見せたり、ソーシャルで私生活の多くの面を披露している。このようなことが起きて、それについて話さないというのは、自分たちがこれまで築いてきた顧客との関係に対してまったく相反していると感じた」。

多くの企業が話題にしないことをメッセージに変えた

反応は意外にもポジティブだった。ウェグマン氏によると、強盗事件とその後の店舗再開についてインスタグラムに投稿した動画は、同ブランドがほかの投稿で目にしてきたよりも多くのビュー数と、顧客からのDMの増加をもたらした。強盗に関連したインスタグラムのストーリーズのエンゲージメントは平均よりも142%高く、ブランドは通常の50倍のDMを目にしたのだ。

全体をみると、店舗は2日間閉鎖されたものの、キャンペーンによる収益がそれを補ってくれたとウェグマン氏は言う。5月21日のキャンペーン開始日には、リング・コンシェルジュのオンライン収益は平均的な日と比較して1万7000ドル(約228万円)増となり、サイトへのトラフィックは4倍増加した。リング・コンシェルジュの旗艦店は唯一の小売店舗であり、ほとんどの販売はオンラインで行われている。

「ほとんどの企業が話題にしないと考えるようなことを、私たちはメッセージに変えた」と、ウェグマン氏は述べた。「コミュニティを巻き込み、何が起こっていたのか、その舞台裏を見せる機会だった。そしてとても大きな反響を得ることができた」。

[原文:How Ring Concierge turned a burglary at its flagship store into its highest social media engagement ever]

DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida、編集:黒田千聖)


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