低収入でも楽しい仕事 正しいか – キャリコネニュース

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こないだ、他の仕事でマッチングアプリについての記事を書いた。こうしたアプリでは男性は年収だとか勤務先だとかが重要になってくる。実際、女性からしたら貧乏な男と付き合ってもあんまり面白くないだろう。お金は多いに越したことはないし、普段のデートで行く場所の選択肢も、お金があればそれだけ増える。

ましてや将来的に結婚を考えるような関係性なら、余計にお金は大事になる。愛だけでは男女はやっていけない。(文:松本ミゾレ)

「正直300だと生活してからとは思えないから付き合い続けるのきつい」

先日、5ちゃんねるに「彼氏『年収700万で楽しくない仕事より年収300万の楽しい仕事がいい』」というスレッドが立っていた。

スレ主の女性は次のように書いている。

「バカなの? 別にお金が全てとは言わないけど正直別れようか迷ってる。もう30になるのにいつまで子供みたいなこと言ってるのか…現実見てくれ…」

手厳しいが、言ってることは実にマトモ。年収300じゃろくに贅沢もできないし、まして結婚なんて考えちゃならないような年収レベルである。この女性が彼氏より稼いでいて、なおかつ相手が年収300でもいいなら別に結婚しても問題ないが、見る限りそういうわけでもなさそうだ。

他にも「正直300だと生活してからとは思えないから付き合い続けるのきつい」とも書き込んでいる。実際今の彼氏が年収300万というわけでもなさそうだが、相手がそういう心持ちであること自体に、この女性は危機感をおぼえてしまっているようだ。

「実在するのは700万の楽しい仕事と300万の楽しくない仕事や」という声も

今回紹介したスレッドには色々と茶化す書き込みなんかも多いんだけど、中には冷静に意見を書き込んでいる人もいた。ちょっとそういう人たちの意見を引用させていただきたい。

「実在するのは700万の楽しい仕事と300万の楽しくない仕事や」
「楽しい仕事でも300は嫌だわ」
「お金もらえたほうが人生が楽しい」
「まあ若いうちは300でもいけるいけるって思うけど、50代で300だと絶望になるな貯金も難しいし」

と、こんな具合に、「やっぱ年収300万では厳しいよ」という声が目立つ。これが年収500万で楽しい仕事、とかだったら、また全然変わってくるだろうけども。

そもそも「仕事が楽しければ収入が少なくてもいい」という考えはいくつかの意味で危険なのである。一つは「貯蓄もままならない」という問題だ。スレッドを立てた女性の彼氏はまだ若い。だから将来についてのそんなに考えてないから、その部分に頓着がないだけなんだろう。

これが40、50になって同じことを吐けるのであればある意味傑物だが、そういう人間はそうそう多くはない。もう一つ、「楽しい仕事だから年収が低くてもOKとか言ってると、同業者に迷惑をかける相場の破壊者になる」という点も忘れてはならない。

よくいるでしょ。美談みたいな感じでさ、定年で年金たんまりもらってる爺さんが採算度外視の飲食店やってるケース。「お腹いっぱいになってるお客さん見るのが好きなんで」とか言って笑ってテレビのインタビューに答えるような感じの。

ああいうのって、そういう人がいる地域の、その他の同業他者にとってはかなり迷惑な存在なのだ。自分は楽しいからとか、お金の心配より笑顔が見たいからとか、そういう理由で悪意なく相場を破壊しているようなもの。

300万の楽しい仕事ってのが何を指すかにもよるが、楽しいってことは当人にとってはやりがいがある仕事なんだろう。でも、やりがいだけあって本来いただくべき金を要求しないような労働って、実は本人と相手方の2人だけしか得をせず、周りは本当に迷惑を被るのだ。

儲からないけど楽しい仕事なんか下手に目指すと、困る人も出てくる。件の彼氏には考え直してほしいが……。

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