世界経済フォーラム(WEF)が隔年実施している世界の雇用調査の最新版が公開されました。
現代のビジネス環境として着目したいのはAIの存在。世界の多くの企業がAI導入で人員削減を検討していることがわかりました。
企業が求めるスキルとは?
調査対象となったのは、22の異なる業種で1400万人が関係する世界中の1000の雇用主側。
レポートによれば、今もっとも需要が急成長しているビジネススキルは、AIとビッグデータに関するもの。ついで、ネットワークとサイバーセキュリティ関連。2025年から2030年は、引き続きこれらのスキルがもっとも望まれると予想。これに加えて歓迎されるスキルは、関連技術、クリエイティブ思考、柔軟性、フットワークの軽さ、学び続ける意欲など。
ただし、テクノロジーの進化にともない、多くの従業員が必要なスキルを持ち合わせていないと雇用側が感じていることもわかりました。
一方、調査では、需要が急激に減少している職業も公開。郵便局事務職、銀行事務職、データ入力職、役員や弁護士の秘書やアシスタント、グラフィックデザイナーなどが挙げられています。特に、グラフィックデザイナーは、2023年の調査で緩やかに成長していくと思われていたことからも、生成AIの急激な勢いが感じられます。
仕事の数は増える
AI導入による自動化で従業員数を減らす予定だと、企業の41%が答えた一方、仕事の数自体は増えるとWEF調査は予想しています。
AIが進化しても、今後5年は職の数は上昇傾向にあるとのこと。その増加分は、現在の総雇用の14%、約1億7000万件と予想。ただし、現在の雇用の置き換えなどによって相殺されるものも考慮すると、本当の増加量は7%、7800万程度だそう。
レポートでは、技術による生産性向上が期待される一方で、その技術を使う人間自身の生産性の向上にも大きな期待が寄せられていると解説。2030年には、人もマシンも生産性が著しく上がっており、パフォーマンスもUP。同時間内ならより多くの価値あるタスクを、同じタスクならより短い時間でこなせるようになっているということです。
…そんなに期待されると、人もマシンも照れますね。
Source: WEF