宅配アプリの ゴーパフ 、ノンエンデミック広告も掲載可能に:Roktと提携しリテールメディア 事業拡大

DIGIDAY

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高速宅配サービスのゴーパフ(Gopuff)は今後、自社の宅配サービスで商品を販売していない(ノンエンデミック)ブランドに対しても、ゴーパフのアプリでの広告掲載を許可する。

同社はeコマースマーケティングプラットフォームのRokt(ロクト)と提携し、チェックアウト時や荷物を入れたバッグ内でのプロモーションによって新たな広告収入を促進する。Roktの技術は、ウーバー(Uber)や、ステープルズ(Staples)、ランズエンド(Lands’ End)、ハローフレッシュ(HelloFresh)などほかのプラットフォームのチェックアウトベースの広告にも使用されている。

ゴーパフはこれまで、CPG(消費者向けパッケージ商品)の広告を中心にしており、同社のアプリ内で販売を行うブランドに対して、ゴーパフのユーザーに自社商品をプロモーションすることを許可していた。創設10年を迎える同社は、その迅速な配送サービスと購入意思の強い顧客を、広告主にとって理想的な組み合わせと新たに位置づけるようになった。同社によると、ノンエンデミックブランドが出稿できるというオプションによって、複数のカテゴリーにわたるCPG以外のブランドが、特定層や場所によってゴーパフのオーディエンスに対して広告を出せるようになった。ローンチパートナーには、フールー(Hulu)や、アドアミー(AdoreMe)、ヌーム(Noom)などの企業が名を連ねている。ゴーパフとRoktによると、ノンエンデミックキャンペーンによって、両社が提携した最初の月に5%のエンゲージメント率が得られたという。

若いユーザー層と豊富な品揃えがウリに

ゴーパフのビジネス担当シニアバイスプレジデントを務めるダニエル・フォークマン氏は、同社の配送アプリの若いユーザー層と豊富な品揃えにより、「当社はブランドパートナーのために効果的な広告機能を構築できた」と、米モダンリテールに語った。

「我々はすべての在庫を保有しており、現在は数百のアルコール飲料のライセンスと、5000以上のSKU(在庫管理単位)を保有している」と、同氏は述べている。ゴーパフの現在の顧客層は、25歳から34歳までの人々で構成されている。「当社の顧客の多くは新しいブランドを試すことを好んでおり、調査対象の80%がゴーパフで新しい商品を見つけるのが楽しいと回答している」と、同氏は述べている。

ゴーパフの広告主がRoktのテクノロジーを使用してノンエンデミックキャンペーンを作成するには、チェックアウト時にサービスを提供する方法と、バッグ内に実商品やプロモーション資料を入れる方法の2つがある。

「当社は過去数年間にわたってCPG広告に多大な投資を行ってきた。これからは、当社のプロモーション能力を、より多くのブランドに開放できる」と、フォークマン氏はゴーパフアズ(Gopuff Ads)の成長について語った。

リテールメディア台頭の影響

ゴーパフの既存のサンプリングプログラムと同様に、ノンエンデミック広告主はバッグ内に商品を無料または割引価格で提供することができる。ゴーパフの初期のノンエンデミック広告テストのひとつは、ストリーミングサービスのプルートTV(Pluto TV)とのものだった。昨年後半に行ったパイロット試験プログラムで、ゴーパフはホライゾンメディア(Horizon Media)と提携し、プルートTVの「ポップコーンサマームービー(Popcorn Summer Movies)」を宣伝するバッグ内キャンペーンを行った。ゴーパフは一部の顧客を選び、プルートTVの作品やサービスを取り上げた折り込みチラシを、無料のポップコーン1袋とともに送付した。その結果として、サンプル調査の対象になった顧客のあいだで、プルートTVの認知度と使用量は15%以上も増加したと、フォークマン氏は述べている。

リテールメディアネットワークは全般的に、デジタル広告のなかで大きなシェアを得つつある。イーマーケター(eMarketer)によると、デジタルリテールメディアの広告への支出は2024年に611億5000万ドル(約8兆5600億円)に達し、米国のデジタル広告すべての約20%を占めると予測されている。

ゴーパフの発表は、ノンエンデミック広告がリテールメディアネットワークのあいだで勢いを得てきたのと同じ時期に行われたものだ。2022年の後半に、Amazonはスポンサーディスプレイ(Sponsored Display)という新しい広告フォーマットを公開した。これにより、ノンエンデミック広告主がより簡単にAmazonにお金をかけられるようになる。

独自オーディエンスの価値

インサイダーインテリジェンス(Insider Intelligence)で小売およびeコマース担当のプリンシパルアナリストを務めるアンドリュー・リプスマン氏は、「ノンエンデミック広告は簡単に行えるし、かつ容易に収益を得ることができる」と述べている。特に、ゴーパフは商品のサンプルを配布する能力を持ち、それにより広告主であるブランドに代わって購買を増やすことができるという点がユニークだと、同氏は述べている。

「すべてのリテールメディアネットワークに、多くのノンエンデミック広告費用を集めるだけの強固な価値提案があるわけではない」と、同氏は述べる。たとえば、これらのネットワークは通常、Amazon、ウォルマート(Walmart)、ターゲット(Target)などの大手小売企業が提供できるような、十分に強力な、あるいは少なくとも十分な独自性があり、特定の広告主の組に対して非常にうまく働くような、ファーストパーティーデータが必要になる。「独自のオーディエンスを保有しているのであれば、特定のカテゴリーにまたがるノンエンデミック広告には価値がある」と、リプスマン氏は述べている。

フォークマン氏は、ゴーパフがRoktを通じて、さまざまなブランドとこうした種類のキャンペーンについて、オープンに協力できるようになると語る。しかし、ゴーパフのルーツは大学生向けの配送サービスであったことから、「当社がもっとも関心を寄せる分野は、エンターテイメント、ストリーミング、ゲーム、スポーツだ」と、同氏は述べている。

「当社は、CPGのサンプリングや広告にまだ多額の投資を続けている」と、同氏は述べる。「しかし、何よりもまず、優れた顧客体験を提供したいのだ」。

[原文:Gopuff adds non-endemic advertising capabilities]

Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Gopuff

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