コロナの脅威について話が通じないと思ったら、過半数の人は死亡率と致死率がわかっていなかった・・・
そうか、それがわからないから話が通じない
コロナの話をずっとしてきてどうしても理解できないことがありまして、ふと思い立って昨日アンケートを採ってみました。
致死率と死亡率の違いが分からない人が半数!!
こういう質問では「わからない」は投票しにくいバイアスがかかるので、おそらく7割くらいはわからないんじゃないか・・・
最初に答えを言っておくと
死亡率
→全人口における死者数。10万人あたり何人死ぬか
致死率
→その疾病にかかったら何パーセント死ぬか
致死率は個人の脅威で、死亡率は社会の脅威といってもいいかもしれません
死亡率が高ければ医療機関のリソースが圧迫されます。たとえばエボラが日本に入ってきても致死率は高いが感染力が非常に弱いので死亡率はほとんど0になります。つまり個人は恐怖しても医療は圧迫されません。狂犬病も同様です。
コロナについてもたとえば変異して弱毒化して1/100に致死率が下がっても、感染力が100倍になれば死亡率は変わらない。1/100に致死率が下がっても感染力が1000倍になれば死亡率は10倍になります。これがわからない反ワクチン、コロナ脳、コロナは風邪派などが勝手に言い合っているので話が通じないのです。従って通訳をすればわかり合える可能性は0では無いと思いまして・・・。
正直言ってわたしも混同して変なことをいったこともありますので、自戒を込めてのエントリーです。
疾病の脅威は致死率と死亡率の両方で考える
致死率は個人が恐怖するが、死亡率は社会のダメージは大きいが他人事となってしまうのであまり恐れられない。良い例がインフルエンザで、致死率が0.01%だから周囲にかかった人が多くいても10000人に1人しか死なないので他人事。年間2万人関連死で死のうが関係無いと言うことです。だからコロナ怖いの人はインフルエンザを全く恐れないのです。コロナの致死率はワクチンのない1年前はこんな感じ
致死率はインフルエンザの20倍なんだからかなり高く、新型インフルエンザと同等の2類相当になったわけです。しかし死亡率は1年で累計5000人程度だったからインフルエンザよりずっと低かった。社会としてはそれほどの脅威ではなかったが個人としては脅威だったと言えるだろう。
同様に反ワクチンのデルタで弱毒化したからワクチン不要の人は、これまた致死率しか見ていないから同じ穴のムジナです。弱毒化して致死率が1/5になったからワクチン不要とか平気でいうのだが、感染者数はワクチン効果を入れても5倍になっているし、重症者は2倍になった。デルタではっきりと社会に対しての脅威は増したのです。ワクチンがなければ死亡率はそうとう上がったのは間違いないから大変なことになっていた。
ざっくり
アルファ 致死率高 死亡率低め 社会の負担小
デルタ 致死率低 死亡率高め 社会の負担大
という感じになるかと思う。アルファの時に「コロナは社会的リスクは小さいから経済破壊のほうがリスクが甚大」と言い続けて来たのが全く理解されなかったのがこの整理で自分でも可視化できました。笑
デルタの脅威についてはワクチン効果の偏差を専門家が加味して後には数値化されると思います。
コロナについては致死率と死亡率が混同されている
コロナは無症状感染者は多くいるはその通りだが実はHPVだって性経験のある女性の大半が感染しているが全員が子宮頸がんにはならない。そして無症状の男性から感染する。胃にピロリ菌がいてもごく一部しか胃がんにはならない。インフルエンザも無症状が4割いる。年に3万人死ぬ肺炎球菌は1歳児の30-50%が肺炎球菌を鼻腔に保菌しており、保育施設に入園後1-2か月で保菌率は80%以上に上昇する。 成人の保菌率は3-5%程度
世の中には感染しても大半が無症状なんてたくさんある。無症状で感染しているのはコロナの特技ではないです。
子宮頸がんなんてほとんどが発症しないから、発症者ではなくHPV陽性を母数にするとめちゃくちゃ致死率は低くなり個人の脅威ではなくなる。そんなわけないでしょ。子宮頸がんの脅威について語る時は「毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡」という風に伝えられます。これは全人口における発症ベースですから「死亡率」と同じですよね。毎年HPVウイルスに1000万人が感染しているとはいいません。したがって
コロナも無症状含めた陽性者の発表は無意味
ということになる。コロナも無症状(あとで発症した人は発症に加算する)は発症していないから何の意味もないのです。ピーク時の東京の市中のモニタリングでは陽性率が1%弱。空港では3%であったがこれにも意味はありません。「徹底検査して陽性なら無症状でも隔離」というなら、肺炎球菌の保菌者の子供も全員隔離しないといけないわけですよ。
医療従事者もマスコミもわれわれ国民も、致死率と死亡率をそもそも混同していているわけです。本来ならコロナの致死率はほかの疾病のように無症状を抜いて発症した人たちだけで計算しないといけない。そうすると致死率はいまよりも2割程度上がります。新規陽性は激減します。
死亡率で見ると
コロナの昨年の死者数は3413人だから死亡率は2.8程度。アルツハイマーが16.9、肺炎が63.6だから社会にとっての脅威はコロナではとても小さいことが分かります。私を含めて「コロナはたいしたことないから経済をなんとかしないと」という人たちはこの死亡率でいうのだが、大半の国民は前出の通り死亡率には興味がなく、自分が罹患したらどうなるという致死率で見るので話が通じないのです。
コロナをどのように評価すべきか
まず、ほかの疾病のように致死率と死亡率をはっきりと意識して数値化すべきです。
まず最初は無症状を患者に算入しないことです。感染していても発症していない人は患者としない。そもそも市中検査で1~3%の陽性率なのにこれらを隔離というのが馬鹿馬鹿しいのは誰でもわかる。95%は感染していても自由に行動できるのに、たまたま陽性が分かったら2週間隔離してなんの効果があるというのか。こんな無意味なことはする必要もない。
つまりデルタ以降のコロナはワクチンを接種せずに発症したら致死率の高い病気であるが、発症する率がHPVと同じく極めて低いのです。無症状感染者が歩き回って感染を広げてもその感染した人の95%は無症状という点も同じです。
新型インフルエンザ相当だから無症状でも隔離しないといけないのなら、このためにこそ5類にするべきだと提案します。物理的に全く実行できていないための法律ならなんの意味もありません。蔓延してからの新型インフル相当の指定ではもう用をなさないのです。新型インフル指定は「蔓延させないための指定」ですから。いまはもう次のフェーズです。
次は「発症者をランク分けして対応を変える」です。癌でもステージ0~ステージⅣまでの5段階あって対応が違います。保健所には無理で、医師の診断が必要。医師がステージを決めます。そのステージを明文化して医者に共有して貰う。
軽症で必要も無いのに怖がって救急車を呼びまくる人が3割(東京医師会による)もいて現場は大混乱。この整理のためにも町医者の切り分けが必要です。オンライン診療を含めて対応していけば効率が上がって医療をきっちり受けられるようになります。でもそのまえにリスクの高い肥満かつ喫煙の40-60代にワクチン接種してもらわないとにっちもさっちもいかないです。
もうねぇ。ワクチン打たない50代はいい加減にしてもらいたい!社会の迷惑です。
「若年でも肥満と喫煙が重症化リスク」 死者の3割近くが50代以下 都と専門家が注意呼びかけ
最近の死者には「肥満」の報告が相次ぎ、8月23~今月11日に計19人いた。うち14人が50代以下。都によると、他に重い基礎疾患があった場合は、肥満は報告から漏れることがあり、実際はさらに多い可能性があるという。都モニタリング会議でも専門家が「肥満や喫煙などは若年でも重症化リスクが高い」として注意喚起している。
前回、アクセンチュアならみんな読んでるというのが好評だったからもう一冊。会議の進行がめちゃくちゃできるようになります。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年9月13の記事より転載させていただきました。