ChatGPTがMBA・経営学修士課程の最終試験に合格したという報告

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ペンシルベニア大学ウォートンスクールの研究チームが、OpenAIの対話型AI「ChatGPT」に同校の経営学修士課程(MBA)の最終試験を受けさせる実験を行い、ChatGPTが見事に合格点を取ったことを発表しました。

Christian-Terwiesch-Chat-GTP.pdf
(PDFファイル)https://mackinstitute.wharton.upenn.edu/wp-content/uploads/2023/01/Christian-Terwiesch-Chat-GTP.pdf


ChatGPT passes MBA exam given by a Wharton professor
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/chatgpt-passes-mba-exam-wharton-professor-rcna67036

MBAは経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位で、企業経営についての高等教育を修めた証明となり、就職において有意に評価されることが多くあります。MBAを取得するためには専門機関による学位の認証を受ける必要があり、ペンシルベニア大学のウォートン・スクールはMBA認定専門機関としてトップクラスの評価を得ています。なお、留学情報メディアのFlyOutによれば、ウォートンスクールに2年間留学した場合の学費は約1580万円だとのこと。

ウォートンスクールのクリスティアン・ターヴィーシュ教授は、ChatGPTがMBAプログラムの最終試験でBからマイナスBの点数を獲得し、合格したと発表しました。ターヴィーシュ教授は、「ChatGPTは基本的な運用管理とプロセス分析の質問で、事例研究に基づくものを含めて驚くべき仕事をしました」と報告しており、「人間が与えたヒントに応じて解答を変えることも非常に得意です」と評価しています。

また、ターヴィーシュ教授は「ChatGPTは、一般的に報酬の高い知識労働者のスキル、特にアナリスト、マネージャー、コンサルタントなどMBA取得者が就く職種のスキルの一部を自動化する驚くべき能力を持っています」とコメントしました。


ただし、実際のテストで合格点を取って高い能力を示したChatGPTですが、計算能力については小学6年生の算数レベルといった比較的単純な計算で驚くような間違いをすることがあったとのこと。また、ターヴィーシュ教授は「ChatGPTはかなり標準的なテンプレートに基づいたものでも、より高度なプロセス分析の質問を処理することはできません」と報告しています。

ターヴィーシュ教授は「ChatGPTのテスト結果は、試験ポリシーの必要性、人間とAIのコラボレーションに焦点を当てたカリキュラム設計、現実世界の意思決定プロセスをシミュレートする機会、創造的問題解決を教える必要性、教育の生産性の向上など、ビジネススクール教育に重要な意味をもたらしました」とコメントしました。

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