Samsungの縦型折り畳み式スマホ「Galaxy Z Fold3」海外レビューまとめ、耐久性アップ&Sペン対応で利便性向上するも価格がネックか

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Samsunが2021年8月に発表したスマートフォン「Galaxy Z Fold3」は、横開きの折り畳み式スマートフォン「Galaxy Fold」シリーズの第3世代モデルで、スタイラスのSペン対応や画面埋め込み型フロントカメラ、7.6インチ・2208×1768ピクセル解像度・リフレッシュレート120Hzのメインディスプレイなどが特徴です。そんなGalaxy Z Fold3を実際に触った上での感想をさまざまなメディアが発信しています。

IT系ニュースサイトのThe Vergeは、Galaxy Z Fold3の良いところとして「耐水性」「大幅に向上した画面の使いやすさ」「Androidでのマルチタスクが優秀」という3点を、悪いところとして「画面埋め込み型フロントカメラ」「片手で使いにくいサイズと重量」「値段」の3点をあげています。

Samsung Galaxy Z Fold3 review: nearly normal – The Verge
https://www.theverge.com/22638257/samsung-galaxy-z-fold-3-review

ディスプレイの映りについては、カバーディスプレイとメインディスプレイの両方のリフレッシュレートが120Hzなので、画面内の動きは非常になめらかだとThe Vergeは評価。また、開けば7.6インチになる内側のメインディスプレイはシリーズを追うごとに改善がみられ、開いた時に中央にシワができますが、実際に使う場合はあまり気にならないとのこと。Galaxy Z Fold3の画面は超薄型ガラスの上を樹脂とPETスクリーンプロテクターで覆う構造となっており、汚れやへこみに対する耐性がこれまでよりも高いそうです。


折り畳んだGalaxy Z Fold3を底面からみると、ヒンジの部分で少し厚みが増し、画面と画面の間に隙間ができているのがわかります。また、縦に折り畳む都合上、折り畳んだGalaxy Z Fold3の厚みはだいたいスマートフォン2台分で、かなりのサイズ感があるとのこと。Galaxy Z Fold3の本体重量は273gで、164gのiPhone 12のおよそ1.7倍近い重さです。


Galaxy Z Fold3はSoCにQualcommのSnapdragon 888を搭載し、RAMは12GBで、パフォーマンスはかなり優秀。一度に複数のウィンドウを開いても、動作が重くなることはなかったとのこと。また、画面を開いてタブレットモードにすると、マルチタスクシステムによってさまざまなアプリを1つの画面上に配置することができて使いやすいと、The Verge。他にもムービーを見たり、ゲームをしたり、電子書籍を読んだりと、さまざまな使い方に適しているとのこと。


Galaxy Z Fold3のリアカメラは12メガピクセル・F1.8・画角83度・光学式手振れ補正(OIS)付きの広角カメラ、12メガピクセル・F2.4・画角45度・OIS付き・光学ズーム2倍・デジタルズーム最大10倍の望遠カメラ、12メガピクセル・F2.2・画角123度の超広角カメラの3つ。カバー側のインカメラは10メガピクセル・F2.2・画角80度で、メイン側のインカメラは4メガピクセル・F1.8・画角80度。

Galaxy Z Fold3では、メイン側のインカメラはノッチ(画面切りかけ)ではなく、メインディスプレイの下に埋め込まれています。以下の画像のように、メインディスプレイ上部のインカメラがある位置には網のような部分があり、カメラがアクティブになっていなくても場所がわかってしまう仕組み。画面から視線を少しでもずらすと網の部分がモアレ効果で非常に目立つので気が散る、とThe Vergeはコメントしました。また、バッテリー容量は4400mAhで丸1日使い倒すには心もとない、とThe Vergeは指摘しています。


The Vergeは、Galaxy Z Fold3で特に注目すべき点として、「継続的に水没しても内部に浸水することがない」レベルのIPX8相当の耐水性をあげています。実際にGalaxy Z Fold3を水の入った花瓶や噴水に沈めてみたところ、問題なく動作したとのこと。


なお、Galaxy Z Fold3はペンタブレットのように入力ができるSamsungのスタイラス・Sペンに対応。Sペン入力にラグはなく、位置ずれもほとんどないため、快適にスケッチしたり絵を描いたりが可能だとのこと。ただし、Sペンを固定できるSamsungの純正ケースを使うとテーブル上での安定性が下がってぐらついてしまうため、テーブルの上に広げて絵を描きにくくなってしまうそうです。


Samsung製の仮想キーボードによる入力は、従来のスワイプ操作なら問題なく操作できるものの、かなり難しいとのことで、仮想キーボードを使う場合は画面を開いてタブレットモードに切り替えた時に限定したほうがいいとThe Vergeは述べています。


総合としてThe Vergeは、Galaxy Z Fold3はタブレットに近い使い勝手で使えて優れており、ガラスの柔軟性やバッテリー容量で技術的な進歩がない限り、Galaxy Z Foldは優れた折り畳み式スマートフォンだと述べています。一方で、片手で持ち運ぶには大きいサイズであることと、前モデルの2000ドル(約22万円)と比べて安くなっているものの、1799ドル(約19万8000円)と非常に高価であることがネックだと指摘。その上でThe Vergeは、「Galaxy Z Fold3に、片手で持ちづらいサイズや高い価格とトレードオフになるほどの価値はないかもしれない」とも評価しています。

IT系ニュースサイトのDigital Trendsは、長所に「画面の耐久性とIPX8の防水性」「強力なハードウェア性能と機能」「信頼性の高いリアカメラ」「マルチタスクと生産性に最適」という4点を、短所として「価格が高いところ」「バッテリー寿命が短いところ」を挙げています。

Samsung Galaxy Z Fold3 Review: The Best Foldable There Is | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/cell-phone-reviews/samsung-galaxy-z-fold3-review/

Digital Trendsはベンチマークアプリ「PCMark for Android Benchmark」のバッテリーテストを行っており、バッテリーが100%から20%まで消耗するのに9時間20分かかったと報告しています。9時間20分というのは1日の絵労働時間とほぼ同じで、朝にバッテリー100%の状態でも、夕方には充電の必要が出てくることになります。さらにゲームやブラウジングをすると、バッテリー残量の減りがさらに加速したとのこと。


Galaxy Z Fold3自体は25Wの高速有線充電と11Wの高速無線充電に対応しているので、それを使えばすぐにバッテリーを充電可能。ただし、高速充電に対応した充電スタンドやアダプターは箱に同封されていないので、高速充電を行いたい場合は別途スタンドやアダプターを購入する必要があります。

Digital Trendsはリアカメラの性能について、彩度が少し高めではあるものの、すべて鮮明でノイズが最小限に抑えられており、満足のいく写真が撮れると評価しています。


カバー側のインカメラは10メガピクセルで、ソフトウェア側の処理も的確で、きれいなセルフィーを撮影できる、とDigital Trends。一方で、メイン側のインカメラは4メガピクセルということで画質はかなり落ち、かなり色あせて見えてしまったとのこと。また、Digital Trendsもメイン側のインカメラが網目のように映っているのが非常に気になると指摘しました。

Digital Trendsが実際に、メイン側のインカメラ(左)とカバー側のインカメラ(中央)と12メガピクセルのリアカメラ(右)で撮影したセルフィー写真が以下。


Digital Trendsは、Galaxy Z Fold3は市場では最高の折り畳み式スマートフォンで、前モデルのGalaxy Z Fold 2よりも耐久性が大きく改善していると指摘。しかし、バッテリーとカメラ性能には改善の余地があり、1800ドルという値段もかなり強気であり、Galaxy Z Fold3は決して完璧ではないとも評価しており、「携帯電話・タブレット・電子書籍リーダーの代替品であり、あなたがすべてを念頭に置いた上で、それでも価値を見出してお金を支払うというのであれば、購入する価値はあるんじゃないでしょうか」とDigital Trendsはコメントしました。

ガジェット関連のニュースを扱うTechRaderもGalaxy Z Fold3について、The VergeやDigital Torendsと評価はほぼ同じで、「耐久力の向上」「生産性の高さ」を高く評価する一方で、「メイン側のインカメラの性能」「重さ」「価格」を欠点としています。

Samsung Galaxy Z Fold3 hands-on review: the best foldable yet? | TechRadar
https://www.techradar.com/reviews/samsung-galaxy-z-fold-3

TechRaderは、Galaxy Z Fold3の良かったところとして、Sペンをサポートする点に注目しています。


TechRaderは「Galaxy Z Fold3の画面の大きさで、Sペンのサポートに対応することは理にかなっており、前2モデルでユーザーが切望していたものでした」とコメント。Galaxy Z Fold3はGalaxy Noteよりも書き込める領域が広い上に、半分に閉じてポケットに入れられるので、従来のフルサイズのタブレットよりも利便性が高いと評価しています。ただし、Sペンは別売りである上に、Galaxy Z Fold3本体にはGalaxy Noteのようにスタイラスを収納する仕組みがなく、純正ケースを使わないとSペンを同時に持ち歩きづらいのがネックだと、TechRaderは述べています。

開発者コミュニティサイトのXDA Developersは、Galaxy Z Fold3を「ハードウェアではなくソフトウェアが中心的な役割を担っている」と述べて、Samsung独自のマルチウィンドウ機能を高く評価しています。

Samsung Galaxy Z Fold3 Review – Unfolding the future of technology
https://www.xda-developers.com/samsung-galaxy-z-fold-3-review/

XDA Developersは、前モデルであるGalaxy Z Fold2でマルチタスク機能はすでに洗練されており、Android 11がすでに折り畳み式スマートフォンに対応していることから、「Galaxy Z Fold3のソフトウェアエクスペリエンスがこれまでになく優れているのは当然のこと」と述べました。その上で、Galaxy Noteシリーズで10年にわたって開発が重ねられてきたSamsung独自のマルチウィンドウ機能が、Galaxy Z Fold3に究極のマルチタスクエクスペリエンスを実現していると断言しました。

さらにGalaxy Z Fold3がSペンをサポートしたことで、「Galaxy Z Fold3はGalaxy Noteの正当な進化形かもしれない」「Galaxy Z Fold3のメインディスプレイをSペンで操作できることは、私が今まで出会った中で最高のモバイル体験の1つです」とコメントしており、Galaxy Z Fold3のSペンへの対応を特に高く評価しています。ただし、Sペンが使えるのがメインディスプレイのみで、カバーディスプレイには使えないことにはがっかりしたと語りました。


なお、Galaxy Z Fold3に対応しているSペンには、「S Pen Pro」と「S Pen Fold Edition」の2種類があります。XDA Developersによれば、S Pen Proはバッテリー内蔵ですべてのSamsungデバイスで機能しますが、S Pen Fold EditionはGalaxy Z Fold3のみで動作するとのこと。大きさはS Pen Fold Editionの方が短く使いやすいとのことですが、S Pen Proであれば異なるデバイス間でコピー&ペーストも可能だとのこと。


一方でXDA Developersは、Galaxy Z Fold3のカメラの性能は「驚くべきものではありません」「前モデルであるGalaxy Z Fold 2からほとんど変わっていません」と指摘し、Galaxy S21 UltraGalaxy Note20 Ultraに及んでいないと評価しました。

総合的に、XDA Developersは高価ではあるものの、間違いなく値段の価値はあると主張。ただし、前モデルのGalaxy Z Fold2を使っていた人の場合は、Galaxy Z Fold3にアップグレードする価値があるかどうかは要検討としています。なお、Galaxy Z Fold2を使っているというXDA Developersのレビュアーは「耐久性が向上し、雨の中でも気兼ねなく使えるGalaxy Z Fold3は、私にとって完璧な携帯電話に一歩近づいた存在」と述べ、買い替える価値はあると判断しています。

イギリスの生活雑貨関連のニュースサイト・T3は「これまでで最も説得力のある折り畳み式スマートフォン」として、5段階評価で星4つという評価を下しています。

Samsung Galaxy Z Fold3 5G review | T3
https://www.t3.com/reviews/samsung-galaxy-z-fold-3-5g-review

T3は「確かにGalaxy Z Fold3はほとんどの人にとっては高すぎるでしょうが、前のモデルよりもおよそ2万円ほど安くなっており、以前のモデルよりも多くの価値が得られます」と述べ、価格は高くてもコストパフォーマンスは向上していると述べました。

また、Galaxy Z Fold3には指紋センサーが電源ボタンに設置されており、新型コロナがいまだ猛威を振るい、マスクがどうしても手放せない現代では顔認識を使ったセキュリティよりも理にかなっていると評価しています。また、Galaxy Z Fold3は全体的に表面がマットな質感で、わずかに指紋が残るものの気にならないとのこと。


また、T3は4400mAhというバッテリー容量でも十分使えたと主張。画面の明るさを最大にした上でローカルに保存されたムービーを2時間にわたって連続再生したところ、バッテリー残量は10%減ったとのこと。ここから、だいたい使っていても20時間はバッテリーが持続するとT3は報告しています。ただし、T3が再生したムービーの画質や再生に使ったアプリは不明です。

T3は「いくつかの欠点はありますが、Galaxy Z Fold3は折り畳み式スマートフォンとしては最高のモデルです。メインディスプレイでゲームの没入感がさらに向上し、長時間のビデオストリーミングにも最適です。また、バッテリーの持続時間が長いのもプラスポイントです」と述べています。

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