新型コロナ級のパンデミックが発生する確率は1年間で「2%」

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが世界を揺るがして1年以上の月日が経過していますが、これと同等規模のパンデミックが発生する確率は1年間で約2%もあることが、最新の研究により明らかになっています。

Intensity and frequency of extreme novel epidemics | PNAS
https://www.pnas.org/content/118/35/e2105482118

Statistics say large pandemics are more likel | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/926011

Scientists Have Calculated The Probability of Another COVID-Level Pandemic Emerging
https://www.sciencealert.com/stats-suggest-the-probability-of-a-covid-19-like-pandemic-is-about-2-in-any-given-year

プリンストン大学のシモン・アッシャー氏らが発表した最新の統計調査によると、COVID-19級のパンデミックが1年間で発生する確率は約2%であることが明らかになりました。この数字から、人が生涯で大規模なパンデミックに遭遇する確率は「38%」程度であると計算されています。

調査では1600年から2021年までの期間を対象に、世界中で流行した感染症について過去の文献を用いて調べています。その結果、調査チームは476件の文献化されたエピデミックを発見。このうち約半数の死者数はすでに明らかになっていたのですが、145件の死者数が1万人未満だったこと、114件のエピデミックの死者数が不明だったことが新たに明らかになりました。なお、調査において現在進行形で猛威を振るっているCOVID-19やAIDSマラリアなどは除外されています。

収集したデータを一般化パレート分布を用いて分析したところ、1年間で感染症が流行する確率は非常に変動しやすいことがわかりました。さらに、1918年から1920年にかけて流行したスペインかぜ級のパンデミックが発生する確率が、1年間で0.3~1.9%もあることが判明しています。


研究に参加したデューク大学の地球環境健康の研究者であるウィリアム・パン氏は「重要なポイントは、新型コロナウイルスやスペインかぜのようなパンデミックが比較的起こりやすいという事実です」と語りました。

また、近年はパンデミックの発生確率が成長していると調査チームは指摘しています。その理由は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を筆頭に、過去50年間で人間を媒介に広がる新しい病原体が増加しているためです。パン氏は「環境変化に伴う動物由来の病気の発生率が増加しているという最近の推定と合わせると、COVID-19と同等のパンデミックが起きる可能性が高くなっていることを示唆しています。そして、この数字は今後数年間で倍増する可能性があります」と語りました。

パン氏は今回の調査について、「病気の発生への早期対応と、地域および世界規模でのパンデミック監視のための能力の構築、ならびに大規模なパンデミックがより一般的になっている理由を理解するための研究プランを設定することの重要性を示しています」と語り、世界全体でパンデミックに備えるための施策の重要性を強調しています。


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2021年08月25日 12時30分00秒 in サイエンス, Posted by logu_ii

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