Z世代に サステナブル な素材を提供することに力を入れる若いブランド

DIGIDAY

デザイナーのパトリック・マクダウェル氏が3年前にローンチした自身の名を冠したブランドが、10月11日、初のサステナブルなオーダーメイド製品を発表した。テンセルとのコラボによる製品は、テンセル素材をハイエンドファッションコミュニティに広める初の機会となり、マクダウェル氏の若い買い物客からも注目されている。

デザイナーのパトリック・マクダウェル氏が3年前にローンチした自身の名を冠したブランドが、10月11日、初のサステナブルなオーダーメイド製品を発表した。生地メーカーであるテンセル(Tencel)との提携のもとで制作されたその製品は、テンセルの素材をハイエンドファッションコミュニティに広める最初の機会となり、マクダウェル氏の若い買い物客からも注目されている。

Z世代に向けてサステナブルな素材を提供

このオーダーメイドコレクションは、10月10日に行われたパトリック・マクダウェルの2023年春のファッションショーに続いて発表された。同じくテンセルとのパートナーシップで作られた春のラインは、テンセルリュクス(Tencel Luxe)、テンセルリヨセル(Tencel lyocell)、そしてテキスタイル会社マンテコ(Manteco)のリサイクルウールという3つのサステナブル素材が特徴だ。ブライダルウェアのヴィクター&ロルフ(Victor & Rolf)などのブランドは、以前この素材をコレクションに採用している。マクダウェル氏をはじめ、アムステルダムを拠点にしたブランドでパリのファッションウィークで発表されたボッター(Botter)のリシ・エレブラー氏とラシュミー・ボッター氏といった若いデザイナーは、2000年代のデザイン、モダンな仕立て、中間のラグジュアリー価格設定に焦点を当てることで、Z世代にサステナブルな素材を提供することに力を入れている。

若者はリアルなストーリーの一部になりたがっている

「ビジネスを成長させながらサステナブルな価値も維持していくのは、かなり難しい。サステナビリティの核(にある信条)は、反成長だから」とパトリック・マクダウェル氏は言う。「ブランドを始めてから自分がやってきたことはすべて、古いものを新しいものに変えていくということだった。当初は部外者という視点で見ていたため、人々が何を求めているかを推測することで成り立っている業界が存在することが奇妙に思えた」。マクダウェルの顧客の多くは20代後半から30代だ。ソーシャルメディア上で彼をフォローしている若いファンには、マクダウェル氏は仕立てのよいサステナブルなアイテムへの投資を勧めている。

同様にボッターも、ヨーロッパの多くの大学の研究者と協力して、二酸化炭素排出量の少ない海藻の素材をを取り入れるためのパートナーシップを確立している。マクダウェル氏とボッターのデザイナーの両者にとってのインセンティブは若い消費者だ。ボッターの場合、220ドル(約3万2300円)から300ドル(約4万4000円)という価格帯で若い買い物客を対象にしている。『ヴォーグビジネス(Vogue Business)』のインタビューでボッターの共同創業者リシ・エレブラー氏は、「若者はリアルなストーリーの一部になりたがっている。消費者、特に若者は、たわごとは受け入れない」と語っている。

若い世代が原動力となる大きな変換

マクダウェル氏は、テンセル素材はオフカットや素材のデッドストックよりも簡単にスケールアップすることができると話す。10月10日にデビューした彼の2023年春のラインの75%は、主にテンセルリヨセルで作られている。テンセルは30年前に発売され、一方テンセルリュクスは、オリジナルの生地のハイエンドで長い繊維のバージョンとして2017年に発売され、ハイエンドなデザインに適している。

「この生地の起源にまですべてたどることが可能だし、分解したり、実際に認証できたりするものを扱うことができる」と彼は言う。「タグにあるトラッキングシステムを通じて、これはオーストリアのこの森で育ち、ここで繊維になって、ここで布になり、そして我々のスタジオから10マイル(約16キロメートル)以内のロンドンで衣服としてつくられたということを、顧客に見せることができる。そしてそれが顧客のものになる」。

テンセルのマーケティングおよびブランディング・グローバルバイスプレジデントであるハロルド・ウェゴースト氏は次のように話す。「業界全体でサステナビリティへの大きな変換があるが、特にラグジュアリーやプレミアム業界で原動力となっているのは、地球の未来をより懸念している若い世代だ。この世代はテンセルリュクスのターゲットオーディエンスでもある。当社が求めているのは、そのオーディエンスに語りかけ、自らもサステナビリティを信じているマクダウェル氏のようなデザイナーだ」。

重要なのはサステナビリティが魅力的であること

パトリック・マクダウェルのますます高まる人気に後押しされ、このデザイナーはインクルーシブなオーダーメイドコレクションを立ち上げた。顧客は自分のサイズを入力し、1100ドル(約16万円)から3300ドル(約48万円)のオーダーメイドのアイテムを注文することができる。購入できるのは英国内の人々で、サイズは0から24だ。

同ブランドでは次のステップとして、厳選された小売との提携への参入や、デジタルウェアのローンチを検討している。「数年前にデジタルのみのショーを行い、よい反響があった」とマクダウェル氏は語る。「(ブランドは)単に販売するだけでなく、よりダイナミックな体験を提供するようになっている。中古品やレンタルといったさまざまな手段や、店舗がより体験型になっていることにそれが見てとれる。キャットウォークの上でも外でも、サステナビリティが魅力的であることが重要なのだ」。

[原文:Young brands are luring Gen-Z customers with sustainability]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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