高速道路料金支払い アプリ のアップロード、OOHで認知度向上を図る:「目標は存在を知ってもらうこと」

DIGIDAY

モバイルアプリのアップロード(Uproad)は、デジタルビルボードやデジタル動画広告を通じて消費者への認知度向上を狙っている。創業2年目の同社は、運転中にキャッシュレスのシステムで料金を支払うことができるアプリを提供しており、イージーパス(EasyPass)やエクスプレストール(EXpresstoll)、ナショナルパス(NationalPass)などと競合している。

アップロードでプロダクトマーケティングと最適化を担当するディレクター、キャサリン・クリチス氏は、ビルボードは「交通料金支払いにはほかの選択肢もあることを人々に啓蒙するのに役立つだろう」と述べ、人々が料金を支払う方法はここ数年ほとんど変わっていないことを指摘した。「人々はまだ車のなかでハードウェアを使っているし、アプリをダウンロードして、そのアプリを使って通行料金を支払うことができるという事実に人々は慣れていないと私は思う」。

屋外広告の価値を再考するブランドたち

このアプリのマーケティングメッセージを伝えるため、アップロードはボストンのクリエイティブエージェンシーであるヘイレッツゴー(HeyLetsGo)に協力を求めた。アップロードの目標は、ブランド認知度を高めて、通行料を支払う人々にとってより魅力的なアプリとして認知してもらい、彼らにアプリを使って通行料を支払ってもらうことだ。

アップロードがデジタルビルボードに目を向けたのは今回が初めてで、同社はこれをターゲット層にリーチするための良い方法だと考えている。これらのデジタルビルボード広告の多くは、ダラス・ノース有料道路(Dallas North Tollway)を含むテキサス州ダラスで行われる。

デジタル空間が雑然としているため、ブランドは屋外広告やその他の伝統的な広告購入の価値を再考している。また、パンデミックが続いているなかであっても、人々が以前より旅行を敬遠していないために、屋外広告は増加している。

今屋外広告にさらに本格的に投資しているのはアップロードだけではない。以前米DIGIDAYが報じたように、水着ブランドのアンディー(Andie)、救急キットのジュディ(JUDY)、ダイニングアプリのシーテッド(Seated)、バーチャルヘルスケアアプリのKヘルス(K Health)などのスタートアップブランドが最近屋外広告キャンペーンを開始した。

アップロードが広告にどれだけの金額を費やしているかは不明だが、キリチス氏は詳細を明らかにしなかった。しかし同氏によると、全広告予算の1/5はデジタルビルボードに割り当てられ、1/3はGoogle広告(Google Ads)、YouTube、Twitter、プリント広告に割り当てられており、Google広告が優先されることが多いという。

データ分析会社のカンター(Kantar)は、同社の広告費データを公表していない。アップロードがローンチした2020年9月の時点では、パンデミックの影響で旅行者数は著しく減少していた。その結果、同社は2年間でさらに多くのお金を使うことを予想していた。ローンチのタイミングが悪かったので、同社には予想したほどの予算はなかった。3年間で、同社の全体的な広告予算は3分の1削減された。

ビルボード広告は2カ月間掲載される予定なので、有料道路を運転している旅行者たちが広告看板を見つける可能性が高い。「デジタルビルボードのような屋外広告は、見込み客をターゲットにするためにも、ブランド構築チャネルとしても戦略的にマッチする」と、戦略コンサルティング会社プロフェット(Prophet)のシニアパートナーで、マーケティングおよびセールス部門の共同責任者を務めるマット・ザッカー氏は語る。

「私たちの目標は、存在を知ってもらうことだ」

アップロードのキャンペーンのターゲットオーディエンスが、旅行者、トラック運転手、通勤者、そして高速道路を頻繁に移動する営業員であることを考えると、ソーシャルメディアは、需要を促進する上では従来の広告よりも優れた成果を上げる可能性が高い。デジタルメディアとプロモーションテクノロジー企業クオーティエント(Quotient)のシニアディレクターであるノーム・チャイト氏は、「アップロードが参入している分野と、この戦術がよく成功していることを考えると、アプリのコンテクストに応じた広告宣伝にデジタルビルボードを使うことは素晴らしい」と語った。「屋外広告は露出後の検索行動を促進することが証明されているので、ほかのメディアを増幅し、消費者のエンゲージメントを促進する素晴らしい方法だ」。

キリチス氏によると、アップロードは消費者に対して、同アプリが日々の移動においてどんな機能を持つのか、プロセスが遅く複雑なことが多い有料道路料金の支払いを緩和するのにどう同アプリが役立つのか、を教えたいと強く願っているという。料金所運営会社は通常、利用者の所在地を特定し、請求書を郵送する。誰がいくら支払わないといけないのか、の特定には非常に時間がかかるため、料金請求書が郵送されるまでに数カ月かかることもある。アップロードは、より迅速な解決策を提供するのだ。

「私たちの目標は、存在を知ってもらうことだ」とキリチス氏は言う。「私たちが持っているソリューションは、消費者にとってはるかに融通が利く。それが私たちの所有するプロパティへのトラフィックを促進し、私たちのサービスへの関心を高め、さらには、別の支払い方法があることを知らない平均的な消費者たちに私たちが提供できる手助けへの関心を高めることを願っている」。

[原文:‘Our goal is to get the word out’: Mobile app Uproad uses digital billboards for education

Julian Cannon(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)

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