姫路名物と聞けば “姫路おでん” を思い浮かべる人も多いことだろう。生姜醤油で食べるところが特徴で、なかなかクセになる味だ。
そんな姫路で何度か外食をする際に、気付いたことがある。おでんじゃなくても、あちこちで生姜が付いて来るな……?
ある時は麺類に、ある時はひねぽんに、またある時は焼いてあるレバーに。しかも、いずれも割と量が多い。……姫路の人って、生姜が好きなのだろうか。
・姫路おでんに生姜はマストだけれども……
そもそも、姫路おでんの生姜しょう油も謎だ。どこかの家庭から始まったという説もあるらしいが、そのルーツはいまだ不明。
生産量も全国的に見て、飛び抜けて多いという訳でもなさそうだ。しかしながら今や、姫路でおでんと言えば生姜しょう油はマストである。一体全体、生姜は何処からやって来たのだろう。
とは言えこれが姫路おでんに限定される話であれば、まだわかる。不思議なのは冒頭に書いた通り、おでん以外でも生姜を多用する(ところがあるように見受けられる)点だ。
たまたま生姜好きな店に連続して入ったという可能性もあるが、そうでないかもしれない。姫路市役所に連絡したところ、食に関する組合や団体からなる、姫路食文化協会が詳しいかも、とのことだったので問い合わせてみることにした。
・聞いてみた
姫路食文化協会は、姫路市内の様ざまなグルメ情報を発信するサイトを運営するほか “姫路食博” という大規模なイベントも定期的に開催している模様。言わば姫路の食の、スペシャリストたちだ。
厚かましくも、いくつかの飲食店で生姜がドサッと添えられていたこと、またこれは姫路おでんの影響もあるのかどうか、といった質問を投げかけてみる。すると、とてもていねいに以下のように答えてくれた。
姫路地域においては、昭和初期から生姜を多く生産していまして、生姜の産地でもあります。姫路おでんが有名になる前は、生産は年々減少していましたが、近年は姫路おでん効果もあって、生産は増えています。
(店舗などによって差があるため)わかりませんが、おでんには、生姜醤油のためにおろし生姜をよく添付されます。いずれにしましても、生姜のうま味効果を理解しているお店では、ラーメンや焼きそばなどにも生姜は添付されます。
なるほどなるほど。まずもって生姜の産地であるらしく、姫路おでんの影響か栽培が増加しているようだ。恐らく様ざまな要因が絡み合い、生姜を添える店舗が一定数存在することは間違いないらしい。
もしかすると、おでんとの相乗効果があるかもしれないが、もう少し調べてみなければわからない。……という現段階では、なんともぼんやりした結果となってしまった。
しかし姫路食文化協会さんのコメントからは、生姜を使っている店舗はそれなりに拘りがあるように感じられる。もし、あなたが姫路で店に入り、おでん以外のものに生姜が添えられていたらば、かなりアタリなお店……かもしれない。
なんにせよ、引き続き姫路と生姜の関係について、気にしておきたいと思っている。姫路の食に詳しい読者の皆さんからの情報も、お待ちしているぞ。