Robloxの存在意義。 デジタルファッション のハードな経済学について語る:ハウス・オブ・ブルーベリーのキャサリン・マニュエル氏

DIGIDAY

ハウス・オブ・ブルーベリーは、パンデミックによってデジタル化が加速する以前からデジタルファッションを販売していた。創業者兼CEOのミシ・マクダフ氏は、2012年セカンドライフのアバター用衣服企業としてハウス・オブ・ブルーベリーを設立以来11年間で、製品1万点、2000万着以上のデジタル衣料品を販売している。

ハウス・オブ・ブルーベリー(House of Blueberry)は、パンデミックによってデジタル化が加速するずっと以前からデジタルファッションを販売していた。

創業者兼CEOのミシ・マクダフ氏は、2012年、セカンドライフ(Second Life)のアバター用衣服企業としてハウス・オブ・ブルーベリーを設立した。以来11年間で、製品1万点、2000万着以上のデジタル衣料品を販売している。また、ジョナサンシムカイ(Jonathan Simkhai)といったファッションブランドとコラボレーションも行っており、初のメタバースファッションショーを開催した。現在、顧客ベースは約50万人で、増加中だ。

ハウス・オブ・ブルーベリーのCOO、キャサリン・マニュエル氏は、データ企業のトムソン・ロイター(Thomson Reuters)に10年以上勤務した後、1年ほど前にハウス・オブ・ブルーベリーに入社した。トムソン・ロイターでの最後の4年間はイノベーション担当副社長を務めた。彼女はパンデミックの最中に娘たちがRoblox(ロブロックス)で交流しているのを見て、ゲームプラットフォームの可能性に気づいたという。そして、ゲームプラットフォームがテクノロジーとアートをますます結びつけているため、今後10年間でその影響は「驚異的」になるだろうと述べている。

つまり、ハウス・オブ・ブルーベリーは絶好の位置にあるということだ。「当社はデジタルファーストの企業だ」とマニュエル氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語った。「当社はファッションについて非常に先進的に考えているが、(ファッションは)完全にアバターのためのものだ」。

マニュエル氏はまた、デジタルファッションに対する現在の投資家の関心や、デジタルファッションと物理的ファッションが相互に有利に機能する方法についても語った。

以下に、読みやすさのために若干編集してポッドキャストからの追加のハイライトを紹介する。

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Robloxの重要性

「ものすごい状況だ。Robloxだけでも月間アクティブユーザー数は(約)2億7000万人。ユーザーの平均年齢は6〜25歳ほどで、かなり若年層に偏っていることを見ると、多くの若者が膨大な時間を費やしている巨大な場所であることがわかる。子どもたちは誕生日に(Roblox内の仮想通貨である)ロバックス(Robux)をもらっている。若者がゲームをプレイしたりオンラインコミュニティに参加したりして自己表現できる点に多くの関心が寄せられているが、これはRobloxだけに限らない。これは、実際にはそこで時間を費やし友情を築くというこの世代のうねりのようなものだ。私のバックグラウンドはゲームやファッションではない。それでも、私がこの分野に惹かれた理由は、特にパンデミックの最中に自分の娘たちを見ていたからだ。外出して直接友だちと遊べないときでもマインクラフト(Minecraft)や Robloxでゲームをしたり友人とつながっていた。そこでコミュニティが構築されている。友情を築くだけではなく、それを強化する場所でもある。私が子どもの頃には私道で培ったのと同じ仲間意識だ。今でもまだ実世界で起きてはいるが、オンラインプラットフォームでも起きている。また、コミュニティを急成長させるだけではなく、子どもたちが自分を表現して、自分自身でいられる(場所)でもある」。

デジタルと物理的ファッションのコラボレーションのパワー

「ジョナサンシムカイは素晴らしいコラボレーションだった。(そのコレクションを披露したファッションショーは)実際には史上初のメタバースファッションショーだった。それはセカンドライフで行われた。…そのファッションショーは2022年2月に開催され、その2022年9月、つまり7カ月後、私はニューヨークのソーホーを歩いていた。すると、セカンドライフ用に制作したのと同じドレスが(ジョナサンシムカイの)店頭に飾られていたのだ。つまり、オンラインでファッションを試すことができ、それが実現するという、サプライチェーンで実際に起きていることが垣間見られるようになった。これは私のような者にとってはちょっとした魔法だ。そして、コラボレーションは当社にとって非常に素晴らしいことだった。多くのPRになった。また、この時期はブルーベリーへのシード投資があったが、幹部チームをまだ募集していた。ジョナサンシムカイとのコラボレーションによってハウス・オブ・ブルーベリーが知られるようになったと思うし、一般的にもこの分野をもっと理解して参入したいと思っていた人々を惹きつけられた」。

「Web2.5」への投資家の興味

「いまは非常に多くのチャンスがある。ここ数年はWeb3が大きく推進されていたが、多くの点で現在は急停止しているように感じる。ハウス・オブ・ブルーベリーについて興味深い点は、Web3にまったく関心がなかったことだ。(私の定義として)Web3とはブロックチェーン上のあらゆるもの。これまでのところ、当社はブロックチェーンを避けてきた。なぜなら、Web2と、一部の人々からはWeb2.5と呼ばれているものには大量の市場機会があると実感しているからだ。そして、ゲーム領域、それが「メタバース」と呼ばれているのは知っているが、実際にはこれらは大規模なソーシャルゲームなのだが、そこで起こっているのは多くのゲームによってUGCマーケットプレイスが開拓されていることだ。クリエイターが集い開発やデザインを行う機会なのだ。したがって、投資家が本当に理解したいと思っているのは、そのようなマーケットプレイスが登場して、作業やデザインを担うクリエイターが登場するならば、経済はどのように展開するのかということ。…金を稼ぐことはできるが、多額の純収益を得るのは困難だ。そして、ハウス・オブ・ブルーベリーのような企業はこれらのプラットフォーム全体においてデジタルオンリーのブランドを本当に拡張できるのだろうか。投資家からは我々にはできると信じられている」。

[原文:House of Blueberry’s Katherine Manuel on the ‘hard’ economics of digital fashion

JILL MANOFF(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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