JLoビューティ がハイドラフェイシャルと提携、プロフェッショナル分野に進出:セレブの美容市場参入の戦略を書き換える!?

DIGIDAY

10月5日、JLoビューティはフェイシャルサービスブランドのハイドラフェイシャルとの製品提携を発表した。D2Cのeコマースからセフォラとの実店舗における独占提携へと流通を着実に拡げるなか、今回はプロフェッショナル分野への初進出となり、ハイドラフェイシャルのサービス内で使用されるブースター製品を中心に展開する。

10月5日、JLoビューティ(JLo Beauty)はフェイシャルサービスブランドのハイドラフェイシャル(Hydrafacial)との製品提携を発表した。これは両ブランドにとって初の試みとなる。

1月にローンチしたJLoビューティは、D2Cのeコマースから、セフォラ(Sephora)との実店舗における独占提携へと流通を着実に拡大している。今回はプロフェッショナル分野への初進出となり、ハイドラフェイシャルのサービス内で使用されるブースター製品を中心に展開する。ハイドラフェイシャルは、ムラード(Murad)からアラスティン(Alastin)のスキンケアまで、20種類以上のブースターで多くのブランドと提携しており、JLoビューティは初のセレブリティブランドとの提携となる。ハイドラフェイシャルは、2万5000ドル(約364万円)の機器とそれを動かす際に使用するブースター製品を皮膚科医やメディカルスパに販売する事業展開を行っている。JLoビューティとの今回のコラボレーションは、収益分配型契約での運営となるが、両社はいずれもブースターのプロバイダーに対する価格については公表していない。ハイドラフェイシャルによると、ブースターの先行購入は9月22日頃の販売開始後に完売したという。ハイドラフェイシャルを所有するビューティヘルス社(The Beauty Health Co.)のCEOアンドリュー・スタンレイク氏は販売数については言及を避けた。

JLoビューティのCEOリサ・セクイノ氏は次のように述べている。「プロフェッショナル分野に参入することは、私たちがすでに進んでいた方向性を補完するものだった。私たちはD2Cビジネスとしてスタートし、その後セフォラと実店舗での独占提携し、Amazonにも進出している。JLoビューティは、真面目な最先端科学がすべてだという立場を取っている。ターゲットとなるコアカスタマーは、すぐに結果が現れることを望んでおり、待つことはしない」。

狙った層にメッセージと製品を効果的に伝える

JLoビューティのコア層は35歳から55歳くらいのラテン系の女性だ。セクイノ氏は、JLoビューティがこの顧客層とそのライフスタイル、つまり中堅キャリアで、子育てをしており、支出可能な収入があり、貯蓄しているといった生活状況を理解することに時間を費やしてきたと話す。「(私たちの)顧客には、火曜日に小売店で(ブランドを)探している時間はない」とセクイノ氏は指摘しているが、JLoビューティはこの層の優先順位に勝つために、メッセージと製品を効率的かつ効果的に伝えることに力を入れている。それを達成するにあたって、ハイドラフェイシャルとの提携は一石二鳥のアプローチだ。ブースターは目に見える結果という即時性をもたらし、定期的な美容サービスのルーティンの一環としてすでにハイドラフェイシャルを利用している可能性のある顧客にサービスを提供できる。以前Glossyが報じたように、ハイドラフェイシャルの平均的な顧客は、年間3カ所以上のトリートメント施設を訪問している。一般的なハイドラフェイシャルのサービスは1回あたり約250ドル(約3万6000円)で提供されている。

「ブースターはハイドラフェイシャルにとって、すべての消費者にスキンケアのパーソナライゼーションを提供するための独特な機会となる。そして我々のイノベーションを加速させるものでもある」と、スタンレイク氏は述べている。「ブースターは、今後の我々の戦略において重要な要素だ」。

セレブリティブランドではなく、ライフスタイルコングロマリットを目指す

セレブリティが率いるブランドが、科学に裏打ちされたブランドとみなされることはめったになく、ここしばらくセレブリティブランドに対する反発が高まっている。最近では、ブラッド・ピット氏の新しいスキンケアブランドのル・ドメーヌ(Le Domaine)とトラヴィス・バーカー氏のCBDブランドのバーカーウェルネス(Barker Wellness)が業界の怒りを買い、多くの個人や出版物が、特に100ドル(約1万4600円)以上の製品は高価なだけの質の悪い製品とみなすとして批判している。セクイノ氏は、JLoビューティを立ち上げるにあたって最初に議論したことは、セレブリティブランドになろうとするのではなく、「ライフスタイルコングロマリット」を開発しようとすることだった、と語っている。ジェニファー・ロペス氏の厳格な食生活やエクササイズ、健康法を考えれば、それは最適かもしれない。ちなみにロペス氏は、自宅で一貫したサービスを受けるために自分専用のハイドラフェイシャル機器を所有しているようだ。

JLoビューティは、特にボディケア分野への進出など、プロフェッショナルな領域でさらに多くのチャンスがあるとセクイノ氏は言う。ハイドラフェイシャルとの提携では、今後1年から1年半で国際市場へと進出し、ブランドの認知度も向上するというふたつのチャンスもある。また、プロフェッショナル向けに販売されるブランドは、消費者にとって、そしてブランドポートフォリオの空白を埋めたいと考えている戦略的パートナーにとって、ますます魅力あるものになりつつある。アラスティン、スキンベターサイエンス(SkinBetter Science)、オバジ(Obagi)など、皮膚科医院やメディカルスパ、エステティック店で販売されているクリニカルブランドは、2021年以降すべてコングロマリットに買収されている。

セレブリティブランドの市場参入戦略を刷新

JLoビューティでは、インスタグラムのフォロワーが驚くことに2億2300万人も存在するロペス氏を活用するという当然の動きに加えて、ファーストパーティデータをマーケティングに活用する予定だ。消費者プロファイルに基づいてeメールやSMSによるコミュニケーションをパーソナライズし、ブースターが水分補給やトリートメント後の肌に輝きをもたらす、あるいは炎症を抑える力があるといった、特定の分野に焦点を当てる。さらに、約90万人のフォロワーがいる同ブランドのインスタグラムチャネルでのユーザー生成コンテンツの再投稿を行うほか、ハイドラフェイシャルとJLoビューティの広告をタイムズスクエアのビルボードに設置する。ロペス氏もハイドラフェイシャルのプロバイダーのための対面およびバーチャルイベントを開催する予定だ。

「医院内でのエステティックトリートメントの一環として、この製品を美容の専門家の手に委ねることで、当社はセレブリティの美容ブランドの市場参入戦略を書き換えている」とスタンレイク氏は述べている。

[原文:JLo Beauty enters professional space with Hydrafacial partnership]

EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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