急成長中の メンズスキンケア 市場。問題解決型だったルミンはどう大胆にリブランディングしたのか?

DIGIDAY

メンズスキンケアブランドのルミンが大胆なイメージチェンジを図り、より楽しくシンプルなルック・アンド・フィールへと変化した。今回のリデザインでは、電球のアイコンをフィーチャーした新しいロゴを採用、ルミンの革新的な新たな精神を示すとともに、男性が「もっとも輝かしい気分や見た目になる」よう支援することを意図している。

メンズスキンケアブランドのルミン(Lumin)が大胆なイメージチェンジを図り、これまで通りソリューション主導のブランドでありながらも、より楽しくシンプルなルック・アンド・フィールへと変化した。

今回のリデザインでは、電球のアイコンをフィーチャーした新しいロゴを採用、ルミンの革新的な新たな精神を示すとともに、男性が「もっとも輝かしい気分や見た目になる」よう支援することを意図している。プレスリリースによると、ブランドの2次製品パッケージのリニューアルも行った。以前はマットグリーンの箱で構成されていた2次包装は、現在は白と黄色の箱に、男性が飛び跳ねているような躍動感あふれるアイコンを配置している。ブランドのリデザインに伴い、コミュニティ構築の取り組みのほか、ルミンが「ルミナリーズ(Luminaries、優れた人々という意味)」 と呼ぶ人々にスポットを当てたコンテンツシリーズも始動する。ルミナリーズは、先駆者であり革新者である男性で、他の人を助けるために個人的な「ひらめき(light bulb=電球)」の瞬間を共有する。またルミンは、グルーミングツールブランドのメリディアン(Meridian)を所有する親会社パンゲアホールディングス(Pangaea Holdings, Inc.)のCEOに、イングリッド・ジャッケル氏を任命することを発表した。メリディアンは2022年12月に独自のリブランディングを実施している。ルミンは2018年のローンチ以来、200万人以上の消費者を獲得しており、2023年には5000万ドル(約67億円)の収益を上げると推定している。同ブランドは62カ国でAmazon、ターゲット(Target)、ウォルマート(Walmart)などの小売店で販売されている。

内面も外見も輝きたい男性を狙ったウィットに富むブランディング

「(ルミンの)リブランディングは、ブランドの真の個性を活性化することだ。ブランドの強みに焦点を当て、より多くの男性に商品を知ってもらうために大きな声を上げ、さらに感情的に訴えていく」と、ジャッケル氏はGlossyのインタビューで語っている。「ブランドの視覚的表現に関しての目標は、目立つこと。メンズカテゴリーで『似たようなものだらけ』と私が言っている混沌からの脱却を目指した」。

リブランド前のルミンは、問題解決型のブランドであるという点にのみ重点を置いていたが、その背後には魂がなかった。現在のルミンは「科学、スタイリング、大胆な行為が混じり合った」、ジャッケル氏いわく「エレガントにイレバレンス(不遜)な」ブランドだ。同氏によれば、男性の身だしなみの悩みで上位にくるのは、クマ、髭剃り後の埋もれ毛、吹き出物、乾燥、肌の変色である。また男性は老化の兆候やシワについては、あまり気にしていない。ルミンの主要顧客層は25歳から44歳だが、18歳から25歳のカテゴリーも成長している。

リブランディングは、4月12日の新たなウェブサイトとそれに続くデジタルキャンペーンで幕を開けた。手始めにキャンペーンでは、吹き出物やクマなどスキンケアに関する悩みを表現した5種類のポスターをフィーチャーする。そのポスターは雑誌の表紙を模したデザインで、ソーシャルメディアとブランドのウェブサイトで公開される。また、ターゲットを絞った有料のデジタルインフルエンサーキャンペーンとオンラインでのコンテンツシリーズも実施している。そのシリーズに登場するのはインフルエンサーや、個人的な経験や洞察を共有するために集められた人々だ。ルミンのブランドマーケティング・シニアディレクターであるジュリサ・ゴンザレス氏によると、このキャンペーンでは、人々が互いに学び合ったり、スポットライトを当てたルミナリーズたちが共有する「ひらめきの瞬間」からメリットを得たりするためのプラットフォームを提供する。新たなルミナリーズが毎月サイトに追加され、関連するコンテンツがインスタグラム、TikTok、Facebookに投稿される予定だ。

「新しいルミンのブランディングは、内面も外見も輝くイメージとなるための、メンズスキンケアへのウィットに富んだシンプルなアプローチだ。インパクトのある方法で確実にデビューさせたかった」とゴンザレス氏は語っている。

急速に変化するメンズスキンケア市場

ルミンはまだ誕生して5年目だが、ユニセックスなスキンケアブランドが登場し、TikTokのようなプラットフォームが台頭するなかでメンズスキンケア市場は急速に変化している。NPDグループ(NPD Group)によると、2022年の男性用プレステージスキンケアの売上は1億9010万ドル(約254.8億円)に達し、2021年と比較して23%増加した。Glossyが3月に報じた記事では、いまやインスタグラムでは、#mensskincareというハッシュタグが約35万件の検索結果を引き出している。かたやTikTokでは、同じハッシュタグが2億9500万ビューを超えている。スキンケア製品や「自然な」仕上がりの化粧品に加え、男性消費者は、従来は女性を対象にしていた美容製品にも興味を持つようになってきている。消費者行動調査会社スペイト(Spate)によると、アイシャドー(+9.5%)やマニキュア(+13.7%)といった製品と並んで、「男性」というキーワードでのGoogle検索も前年比で増加している。

「このカテゴリはよりエキサイティングになってきており、男性の選択肢が増えたことを意味している。世界的に見ても誰もが急上昇を待ち望んでいるカテゴリーだ」とジャッケル氏は言う。「若い世代は、成熟した顧客よりもスキンケアに(いち早く)目を向け、より幅広いカテゴリーとしてとらえているため、市場にはさらに大きなチャンスがあるだろう」。

[原文:Men’s skin-care brand Lumin rebrands to bring ‘elegance and irreverence’ to the category]

EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


Source

タイトルとURLをコピーしました