eコマース でブランドが発見されやすくなる方法:解決のひとつがソーシャルショッピング

DIGIDAY

ラスベガスで開催されたショップトーク2023(Shoptalk 2023)では、ブランドもプラットフォームも同じように見つけられやすさについての課題に取り組んでいることが浮き彫りになった。eコマースは飽和状態になり、顧客獲得コストが非常に高くなっているために、今日のブランドが直面している最大の課題のひとつには数多のブランドのなかでどのようにして注目されるかということがある。

ピンタレストの活用

ブランドがそれを解決しているひとつの方法はソーシャルコマースだ。ショップトークで、ピンタレスト(Pinterest)のCEO、ビリー・レディ氏は同社が11月にZ世代向けにローンチしたコラージュ作成アプリのシャッフルズ(Shuffles)がピンタレストのメインのショッピング体験に統合されると発表した。つまり、顧客は異なるブランドからの異なる4製品でスタイルを作るというような複数のショッパブルな製品からなるコラージュを作成し、製品はピンタレストから直接購入できるようになるのである。

レディ氏によると、ピンタレストのショッピングツールに対するブランドの関心は大幅に高まっているという。実際、この1年間でショッパブルなカタログをピンタレストにアップロードするブランドは66%増加し、世界中でショッパブルな製品は70%増加している。これはピンタレストの広告ビジネスにもハロー効果をもたらしている。ピンタレストは過去2四半期の広告収入で2桁の成長を遂げている。

レディ氏によると、ソーシャルコマースはファネル全体のサービスになる可能性があり、ファネル最上部では見つけやすくなり、顧客をファネルの最下部まで導いて最終的な購入につなげることができるという。しかし、ほかのプラットフォームのソーシャルコマースへの試みは困難に直面している。レディ氏は、その主な理由はオーディエンスがショッピング目的でいつもそのプラットフォームを利用しているわけではないからだと述べる。

「ピンタレストには4億5000万人のユーザーがいるが、半数以上がショッピング目的でピンタレストに来ると言っている。つまり、ショッピングの意図が存在する」とレディ氏は語る。「ソーシャルメディアの大部分は気晴らしのエンターテイメントで、友人の写真を見たり面白いビデオを見たりするだけだ。購入のために見ているのではないかもしれない。人々のモードをシフトさせるのは本当に難しい」。

TikTokのライブストリーミングショッピング機能

しかし、気晴らしのエンターテイメントで知られるプラットフォームでさえソーシャルコマースのトレンドに便乗している。ショップトークの展示フロアでは、TikTokがE.l.f.コスメティクス(E.l.f. Cosmetics)やパクサン(Pacsun)などのブランドとのライブストリームショッピング機能を紹介していた。TikTokは英国でライブショッピングを全面的にローンチしているが、米国ではまだ初期のテストモードである。

このテストはTikTokの大規模なTikTokショップ(TikTok Shop)イニシアチブの一環でである。TikTokの米国eコマース担当ゼネラルマネージャー、サンディ・ホーキンス氏によると、これは昨年11月にアルファ段階に入りまだ実験段階だという。しかし、TikTok上そしてZ世代のあいだで大規模なフォロワーを抱えるパクサンのような大手ブランドが、正式な全面ローンチに先立ち、TikTokショッピングの信頼性を構築する支援になることをTikTokは望んでいる。

「当社はコミュニティのエクスペリエンスを向上させる方法を常に検討しており、創造性を刺激し、喜びをもたらし、TikTokエクスペリエンスを革新する新機能を定期的にテストしている」とホーキンス氏。「TikTok上のブランドはオーディエンスと真につながれる創造的な手段を見つけている。TikTokのコミュニティが愛するものを発見して関与できるようにするコマースの新しい機会を試すことに我々は胸を躍らせている」。

キュレーションがないという課題

ヴェリショップ(Verishop)の共同創業者兼CEOのイムラン・カーン氏によると、ソーシャルコマースの別の問題は大部分のプラットフォームでキュレーションが行われていない点だという。ヴェリショップはソーシャルメディアプラットフォームというよりはマーケットプレイスであるが、インフルエンサーとの提携や定期的なライブストリーミングショッピングイベントを通じて新しいブランドを発見できる場所だと謳っている。

カーン氏は次のように述べている。「Facebookやほかのプラットフォームにはキュレーションがない。誰でも広告を設定できる。ヴェリショップではすべてのブランドが精査されており、それが顧客間の信頼を確立するのに役立っている」。

カーン氏はインスタグラムでたとえば時計のような製品が関与する場合を挙げた。時計を探せば何百ものブランドの類似製品の広告が殺到して、製品は比較できず、どのように違っているのかはまったくわからない。

ライブストリームの録画を後日ショッピングに役立てる

ヴェリショップは2021年からライブストリームを実施している。カーン氏は、ストリームは事後のほうがずっと価値が高いと述べている。ライブ時には数千人に視聴されるかもしれないが、映像は保存され、カットされて、ヴェリショップのサイトとモバイルアプリに投稿されるので後日見つけやすくなる。ライブコンテンツによるエンゲージメントの大部分はそのようなストリームの事後クリップから生じている。(TikTokのライブショッピング機能では、ストリームから映像をカットして保存し、後日使えるようにする同様のオプションが提供されている。)

「広告の基礎は、信頼を築くために顧客と複数の場所で出会う必要があるということだ」とカーン氏。「現在、ブランドが見つけやすさに関して抱えている主な問題には、単独のチャネルに集中しすぎているということがある。Facebookに依存しすぎている。私のアドバイスは、Facebookに費やしている資金の20%をほかのチャネルに向けるということだ」。

[原文:Social shopping could be the answer to e-commerce’s discoverability problem

DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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