いつものように、プランBと柔軟性を求めるクライアントたち: エージェンシー 各社は予算削減に備える

DIGIDAY

マーケターやエージェンシーの幹部によると、現在の経済状況において、もしもの時に備えた計画とより大きな柔軟性の必要性が広く認識されているという。彼らは、支出の減少はほとんど見られていないが、支出削減の必要が出てきた時のための計画にフォーカスしてはいると言う。

景気の不透明感と迫り来る景気後退への懸念が引き続き強まるなか、マーケターは予期せぬ事態が起きた時のための緊急時用の計画と広告取引の柔軟性を求めている。

7月中旬に行われたIPGの決算会見でCEOのフィリッペ・クラカウスキー氏は、一部の顧客が不確実性と潜在的な景気減速に対処するための「万が一の時のための計画」を求めていると話した。一方、ピュブリシス・グループ(Publicis Groupe)の会長兼CEO、アーサー・サドゥーン氏は決算会見で、予算削減はまだ行われていないが、行われないという意味ではないと述べた。

短期間での変更に慣れつつあるマーケター

マーケターやエージェンシーの幹部によると、現在の経済状況において、もしもの時に備えた計画とより大きな柔軟性の必要性が広く認識されているという。彼らによると、支出の減少はほとんど見られていないが、支出削減の必要が出てきた時のための計画にフォーカスしてはいると言う。パンデミックの最盛期には、緊急時対応の計画とメディア計画に柔軟性を組み込むことは当然のことであった。マーケティング担当者は今ではわずかな準備期間で迅速に変更を加えることに慣れている。

メカニズム(Mekanism)のパートナーで最高ソーシャル責任者のブレンダン・ガハーン氏は、「クライアントのなかには、変化する経済状況にあらかじめ準備しておくことに注力しているところもある」と語る。「こうしたクライアントにとっては、不確実性に真正面から取り組むことが理にかなっている」。

メカニズムのメディア部門責任者のキャリー・ダイノ氏によれば、あらかじめ準備をするということは、クライアントが「メディア計画がビジネス環境と消費者の信頼の変化に対応して機敏であり続けるように」取り組んでいることを意味しているという。エージェンシーの幹部やマーケターによると、積極的に支出削減をしていなくても、削減する必要性を認識していて、必要に応じて削減できるよう準備している、という全体的な傾向が見られるという。

消費者をより知りたがる傾向に

UMの最高マーケットプレイス責任者であるステイシー・ステュワート氏はこう語る。「クライアントからの最大の要望は、今年の後半に入るにあたり、コミットメント、そして柔軟性を増すための方法に関するものだ。我々は全体的なビジネスへの影響を最小限に抑えながら支出を減らすことを見越して、マーケティングのための資金調達を優先するための話し合いを始めている」。

マーケターや広告代理店の幹部の中には、従来型のオプションやキャンセルが難しいオプションよりも、より流動的なデジタル、ソーシャル、プログラマティックなメディアプランを優先する者もいる。同時に、マーケターたちは消費者の感情や行動を知るためのオーディエンスリサーチに、より多くのお金を使うようになっている。

ザンベージ(Zambezi)の最高メディア責任者であるグレース・テング氏は、メディア投資の削減はまだ起きておらず、それが話題となる会議もそれほどないと語った。それでも、テング氏は、現在の経済状況を認識し、2008年の計画を振り返り、当時の対応を参照することで、何をすべきか、何をしてはならないかを学ぶことができると付け加えた。

[原文:Marketing Briefing: Flexibility, contingency plans are ‘biggest ask from clients’ amid economic uncertainty

Kristina Monllos(翻訳:塚本 紺、編集:分島翔平)


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