世界経済の減速の流れは、好調なデジタル広告市場さえも冷え込ませ始めている。それでもインサイダー・インテリジェンスによると、デジタル広告への支出は2021年の5225億ドル(約68兆7698億円)から今年は5674億9000万ドル(約74兆7333億円)に達する見込みだ。
世界経済の減速の流れは、好調なデジタル広告市場さえも冷え込ませ始めている。それでもインサイダー・インテリジェンス(Insider Intelligence)によると、デジタル広告への支出は2021年の5225億ドル(約68兆7698億円)から今年は5674億9000万ドル(約74兆7333億円)に達する見込みだ。
同社がDIGIDAYに示した数字によると、業界の主要なデジタル広告会社の業績を世界の売上高別にランク付けした結果、業界は今後数年で落ち着きを見せるだろうが、2024年には6959億6000万ドル(91兆6516億円)の評価額に到達すると予測されている。
インサイダー・インテリジェンスが作成した世界ランキングは、Googleとメタ(Meta)などの上位2社を含めた、インターネットの巨大企業によって占められている。2社は、それぞれ1684億4000万ドル(約22兆1854億円)と1126億8000万ドル(14億8371億円)の収益を得ている。
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Appleやマイクロソフトのデジタル広告収益を超える中国企業
近年のデジタル広告市場におけるAmazonの台頭は、Amazon、メタ(Meta)、Googleの3社がいかに米国の広告市場を支配しているかという「三強物語」につながっているが、世界市場の様相は異なっている。
インサイダー・インテリジェンスの数字では、アジア市場のプレイヤー(主にアリババ[Alibaba]やTikTokを所有するバイトダンス[ByteDance]などの中国企業)が、Appleやマイクロソフト(Microsoft)などの大手テック企業の予想収益を大きく上回っていることを示している。
Appleとマイクロソフト(Microsoft)という2つのビッグテック企業における広告戦略の進展は、今年、大きな関心を呼んだ。マイクロソフト(Microsoft)はネットフリックス(Netflix)との提携を発表し、Appleによるアドテックのプッシュも話題を集めた。
Amazonからの主要な動きも見出しを飾ったが、インサイダーの数字は、中国のアリババ(410億1000万ドル[約5兆4009億円])が生み出す広告収入が、Amazon(379億9000万ドル[約5兆52億円])をいかに上回るかを示している。
一方、バイトダンス(TikTokのオーナーで、中国ではドウイン[抖音:Douyin]と呼ばれている)は今年290億7000万ドル(約3兆8301億円)を稼ぎ出す見込みであり、この数字はマイクロソフト(Microsoft)の予想広告収入123億3000万ドル(約1兆6245億円)に加えて、Appleの予想広告収入70億6000万ドル(約9301億円)を上回るものである。
主要な各社の広告収入
2022年の大手デジタル広告販売会社・上位5社による全世界の純広告収入は以下のとおり。
- Google:1684億4000万ドル(約22兆1854億円)
- メタ(Meta):1126億8000万ドル(約14億8371億円)
- アリババ:410億1000万ドル(約5兆4009億円)
- Amazon:379億9000万(約5兆52億円)
- バイトダンス:290億7000万ドル(約3兆8301億円)
Digiday Editors(翻訳:塚本 紺、編集:島田涼平)
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