ヘイデイ 、ジットスティッカを買収で、成長を遂げているニキビカテゴリーに参入

DIGIDAY

デジタルファーストの消費財企業であるヘイデイ(Heyday)は、11月9日(水曜日)、ニキビブランドのジットスティッカ(Zitsticka)の買収を発表した。

ヘイデイ、ジットスティッカの買収で人気のニキビカテゴリー参入

ヘイデイはAmazonのネイティブブランドの獲得に関与してきた。現在、同社のポートフォリオには、女優のエヴァ・ロンゴリア氏の調理器具ブランドであるリサ(Risa)を含むパーソナルケア、ウェルネス、ホーム、アウトドアの20のブランドがある。ヘイデイのCEO兼共同創業者であるセバスチャン・ライマース氏によると、同社の年間収益は2億ドル(約284億円)を超えており、8億ドル(約1136億円)の外部資金を調達しているという。

一方、ジットスティッカは2019年のローンチ以来前年比100%の成長を遂げている。卸売、Amazon、D2Cのeコマース、プロフェッショナルの4つの収益チャネルがある。小売パートナーにはターゲット(Target)やアルタビューティ(Ulta Beauty)などがある。買収の詳細は明らかにされていない。

「ニキビは成長しているカテゴリーであり、スキンケアよりもそのスピードは速い。また、その分野のなかでもパッチはニキビカテゴリーの中央値を大きく上回っている」とライマース氏。「ヘイデイは効果のある新しい製品を楽しみにしている。ニキビケアの代替手段は消費者から共感されている」。

ジットスティッカにはもともと売却の予定はなかった。社歴3年の同ブランドは2019年にすでに775万ドル(約11億円)を調達しており、今春にはシリーズBの資金調達を検討していたところだった。同社チームがヘイデイと会った際に買収の話題になった。ジットスティッカの共同創業者であるダニエル・カプラン氏とロビー・ミラー氏は2020年にニューヨークからオーストラリアに移住したが、これによりリーダーシップにロジスティクス上の負担が生じていた。両氏は今後、顧問的な役割に移行し、ヘイデイのブランドマネージャーが暫定CEOを務めることになるという。ジットスティッカには25人の従業員、ヘイデイには240人の従業員がいる。ライマース氏によると、買収によりヘイデイの人員削減は予定されていないそうだ。

ミラー氏は次のように語っている。「この決定を下すうえで重要だったのはヘイデイの事業を知り、ヘイデイのチームに会って、誰がジットスティッカを前進させてくれるのかを理解することだった。(ニキビケアに関する)文化的側面は別にして、ヘイデイから、ジットスティッカというブランドとメッセージ、当社の意義は真に理解されている。ヘイデイは我々のアイデンティティとビジネスとしての当社が意味することをわかっている」。

ニキビカテゴリーとブランドの躍進

ニキビケアブランドは投資家と買収者の両方から大いに注目されているチャーチ&ドワイト(Church & Dwight)は9月にヒーローコスメティクス(Hero Cosmetics)を6億3000万ドル(約893億円)で買収。ピースアウト(Peace Out)はシリーズAで2000万ドル(約28億円)を調達したと11月7日(月曜日)に発表している。また、スターフェイス(Starface)、ピーチスライシズ(Peach Slices)、ファジット(Fazit)などの例もある。グランドビューリサーチ(Grandview Research)によると、ニキビ用皮膚パッチ市場は米国で約5億1000万ドル(約723億円)の価値があり、2030年まで成長すると予測されている。

「この10年間、ニキビカテゴリーはずっと追い風を受けてきた。以前、クレアラシル(Clearasil)、クリーン&クリア(Clean & Clear)、プロアクティブ(Proactive)に独占されていたこの分野はかなり時代遅れだった。だが、当社やヒーロー、スターフェイスなどの革新的なブランドは、ニキビ分野の汚名を返上して、ニキビ治療がクールだと思われるように支援してきた」とカプラン氏は述べている。

優れた製品の提供にフーカスするヘイデイ

ライマース氏によると、ジットスティッカはヘイデイが希望する条件のいくつかを満たしていたという。ヘイデイは、収益が1000万〜5000万ドル(約14億〜71億円)で、パーソナルケア、ウェルネス、ホームまたはアウトドアに特化したデジタルファーストのブランドの買収を狙っている。ヘイデイは、ジットスティッカとジットスティッカが属しているニキビカテゴリーにも好感を抱いていた。ジットスティッカは洗顔料やサプリメントなど13製品を16〜60ドル(約2300〜8500円)で展開している。

ライマース氏は、ヘイデイのコアコンピテンシーは、デジタル広告入札、在庫需要予測、動的価格設定ツールを組み合わせて小規模なブランドが大規模に拡大するのを支援することだと語っている。また、ヘイデイは中国にもオフィスを1カ所持っているが、中国にオフィスを構えることは収益性の高い市場への参入を目指しているブランドにとって重要になる可能性がある。

「優れたブランドを持っていても製品が最適ではないなら、(ヘイデイにとっては)うまくいかない。つまるところ、怪しい製品を販売したくはないのだ」とライマース氏。「ビジネスは優れた製品から始まる。ジットスティッカは科学とテクノロジーを真剣に受け取めており、また自社製品も真剣に考えている」。

[原文:Zitsticka acquired amid acne patch boom

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

Source

タイトルとURLをコピーしました