マーケターたちはいまだに、Z世代にプロダクトを売り込むための秘訣を求めている。今年ニューヨークで開催されたハイブリッドイベント「アドバタイジングウィーク・ニューヨーク」でも、多くのパネルがZ世代の関心を集める方法にフォーカスしたのは、このためかもしれない。
マーケターたちはいまだに、Z世代にプロダクトを売り込むための秘訣を求めている。今年ニューヨークで開催されたハイブリッドイベント、Advertising Week New Yorkでも、多くのパネルがZ世代の関心を集める方法にフォーカスしたのは、このためかもしれない。
マーケターやエージェンシー幹部によると、Z世代と見なされる、現在18歳から24歳の人々は、ミレニアル世代のような上の年齢層と比較して、従来のマーケティング戦術に魅力を感じる可能性が低いという。また、マーケターたちも今年は全体的に若い世代に焦点を当てる傾向が強いという。
いかに短い時間で真実を伝えるか
Z世代は、スマートフォンやインターネットと共に最初に成長した世代であるため、それまでの世代では見られなかった、デジタル技術やコミュニケーションと独自の関係を築いてきた。Z世代は注意力が低いため、マーケティング担当者や代理店の幹部はいかにしてメッセージを素早く伝えるかが重要になる。
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この点は、今年のイベントのZ世代に関するパネルにも表れている。Z世代は情報の説明が長すぎると気が散り始めるため、より短い時間で真実を伝える情報を求めている。パネル主催者たちもこのことを強く心に留めていたようで、ほとんどのセッションが15分から30分のあいだで行われた。
トリップアドバイザー(Tripadvisor)のグローバル・コミュニケーション責任者、ブライアン・ホイト氏は「何か新しいものを見つける際に、彼ら(Z世代)はよりデジタルな考えを持っているため、YouTube、TikTok、Amazonプライムビデオ(Amazon Prime Video)のような場所に行く。マーケターたちはZ世代がどのようなプラットフォームを使っているか、という点をもっと気にする必要がある」と述べた。
しかし、マーケターがZ世代の消費者のニーズと要望を理解していると思い込むのは危険でもある。上の世代がそれ以前のマーケティング手法をあまり受け入れなかったのと同様に、Z世代は上の世代よりもデジタルに精通しているため、Z世代もこれまでの従来のマーケティング手法をあまり受け入れないからだ。
テレビ広告会社アンパサンド(Ampersand)の地域担当バイスプレジデントであるナターシャ・シナゴガ氏は、「どの世代であっても、我々は消費者がどこにいるかを追跡し、彼らにとって重要なものは何かを見つけなければならない」と述べた。
製品だけではない「価値」の提供
さらに、彼らは製品やサービスが彼らのニーズを満たし、価値を提供することを期待している。Z世代は、売り込みのためのマーケティングにはあまり反応しない。彼らは自分たちと同じ価値観を持つ関連性の高いブランドとの関わりを好むため、ブランドの製品に興味を持ってもらうためにはその点が不可欠となる。
「彼らは賢い世代であり、彼らと関連性のないトーンの広告を見抜くことができる」と、世界的なAIクリエーター企業ジェリースマック(Jellysmack)のブランドパートナーシップの責任者であるジェニファー・ゲラー氏は述べた。「彼らは、嘘がないこと、信頼性、真実、そして正直さを求めている」。
[原文:Advertising Week Briefing: Why marketers are using brevity to get Gen Z’s attention]
Julian Cannon(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)
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