元祖 インフルエンサー 、ミシェル・ファン氏がクリエイター向けデジタルコースを立ち上げ

DIGIDAY

ミシェル・ファン氏は元祖ビューティインフルエンサーと呼べるかもしれない。同氏は2007年5月にYouTubeにコンテンツを投稿し始め、2015年にすべてのソーシャルメディアチャネルを閉鎖して実質公の場から姿を消すまで貪欲に投稿を続けた。その2年後、「やめた理由(Why I Left)」という11分のアニメーションビデオで復活した。

以来、ファン氏は多忙である。仮想通貨への関心を育み、自分のブランドであるエムコスメティクス(Em Cosmetics)の業務に取り組み、製品を着実にローンチし続けている。その最新製品はエバーグラスリップデュー(Everglass Lip Dew)だ。

クリエイター向け講座をローンチ

そしていま、ファン氏はまったく新しいビジネスベンチャーのサマースクール(Summer School)をローンチする。そのインスタグラムのバイオによると、サマースクールは「クリエイターたちが主人公になるためにエンパワーする」ものだという。

ファン氏は、YouTubeビデオのナレーションからデジタルコースの指導までの学習曲線を甘く見ていたと語っている。「教えた経験がないのでカリキュラムの準備に注力してきた。教えるのは私にとって新しいことだ」。

4章からなるレッスンの内容

このコースはsummerschool.globalで入手できる予定で、4章から成る。それらは、自己啓発と精神・感情面の健康について、「主人公になること」について、コンテンツの発想について、そして収益化戦略と「自分の判断でコミュニティ」を構築することについてだという。

コース料金は1回払いで500ドル(約7.1万円)、または265ドル(約3.8万円)の2回払いもある。ファン氏の担当者によると、支払い回数にかかわらず、受講者は「Discordを通じたファン氏へのライブアクセス、コースポータルでアクセスできる5週間分の事前録画セッション、自習用ワークシート」を受け取るという。また、ファン氏によると、コースは、ワークシートと録画レッスンを使って行う「自習」と、ファン氏とやりとりできる「受講生全員のクラスに対して(レッスンを)教えるライブウィークリー」の2つに分かれているという。

ファン氏は、メタバースと仮想通貨についての自分の知識と関心を「学期の」コースにどのように含めるかについてすでに考え始めているそうだ。

メンタルヘルスを取り上げる第1章

「スターになる方法を教えようとしているわけではない。受講生が自分のスーパーパワーと才能を見つける方法、そしてこの(クリエイターの)エコシステム内で有意義なキャリアを築き、個人的に充実感を得られる場所を見つける方法を教えようと思う」とファン氏。

ファン氏はそれについて熟知している。「(当時は)誰もが(インフルエンサーになりたい)と思っていたので、私もそうすべきだと思った」と、自分の過去のキャリアについて述べている。「感情面と精神面の意識のバランスを取り、自分の望んでいるものを本当に理解できればより充実したキャリアを築くことができる。私のキャリアはすごかったが、満足感はなかった。実際には非常にむなしく、孤独を感じていた」。

サマースクールの第1章は、感情的・精神的な健康のバランスをとることを基礎にして構築されている。「なぜなら、クリエイターというのはカメラに映っていようがいまいが24時間の仕事だからだ。営業していない時間はない」とファン氏。レッスンにはチベットのグルから学んだ呼吸法などが取り入れられているという。

「瞬間瞬間を味わう方法を教えられたらと思う。インフルエンサーのライフスタイルはうらやましがられている。魅力的で楽しくてエキサイティングに見えるからだ。インフルエンサーは旅行をしたり、すばらしい体験ができる。だが、インフルエンサーは(そのように見せるために)どれだけの労力と犠牲を払ったかについては語らない。社交的な生活を送っているように見えるが、そうではない。それはまやかしだ」。

ファン氏の目標は、インフルエンサーを目指す人が不安になってあきらめたりせず、クリエイターエコノミーの多くの部分のどこが自分に適しているのかを理解できるようにサポートすることだという。結局、「夢見るのは自由だが、目標を実現するには多くの努力が必要だ。ほとんどの人は大きな夢を持っているが、夢を実現するための地図を持っていない」とファン氏は述べている。

コミュニティ構築の重要性

第1章のあとは、コンテンツ作成についてもっと実用的な要素をファン氏から学ぶことができる。たとえば、ファン氏はTikTokを「リーンバック」プラットフォームと呼んでいるが、それはTikTokはテレビを見ているように(エンゲージメントがなく)どんどんスクロールされて視聴されているからだという。

ファン氏は「TikTokの視聴に目的はない」と述べている。とはいえ、「TikTokはコンテンツを公開して視聴回数を増やし、ある意味、多くのフォロワーを獲得するための優れた方法だ。だが、コミュニティ構築には向いていない」。コミュニティ構築にはYouTubeやTwitch、Discordなどのプラットフォームがやはり必要だと同氏は言う。

「コース受講者がバーンアウト(燃え尽き症候群)や喪失感を緩和できるようにサポートしたい。他人のためではなく、自分自身のためにより良い決定を下せるように明瞭さを提供したいと思っている」。

[原文:Exclusive: Michelle Phan’s next move: A digital course for aspiring creators

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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