「 収益多様化 が意味するのは、部門間の衝突ではなく相乗効果だ」:ボックス・メディアCRO ライアン・ポーリー氏

DIGIDAY

3月にボックス・メディア(Vox Media)はCROであるライアン・ポーリー氏の役割を広告販売以外にも、消費者収益、アフィリエイト、コマース事業を含むものに拡大した。この拡大は広告販売の役割を弱めるのではなく、同社のほかの収益源とより直接的に結び付けることで、広告ビジネスを後押しすることを目的としている。

「収益の多様化は、事業部門間の競争を意味するという考えが以前から業界にあった。しかし実際のところ、私が認識していること、そして多くの企業が認識していることは、広告面で互いに利益を高め合うことができるということだ」と、同氏はDIGIDAYポッドキャストの最新エピソードで語った。

ボックス・メディアのさまざまな収益源を「総合監督」することで、その収益源がどのように関係しているのかについてより多くの情報を得ることができ、それが同社の販売先である各ブランドのCMOたちとつながるのに役立つとポーリー氏は語った。「マーケティング戦略について(クライアント企業の)CMOと話をする時に、より多くの情報を得られるようになったと感じている。当社には大規模な有料獲得チームと予算があり、ブランドとパフォーマンスをどの程度優先するか、両者のアトリビューションギャップをどのように埋めるか、について同じ課題を抱えている」と彼は言った。

ほかのメディア企業と同様に、ボックス・メディアも景気低迷や広告への影響に対処しているため、このような洞察は同社にとってプラスになるかもしれない。同氏は、同社が広告の減少を免れられているわけではないことを認めつつも、広告費はプログラマティックに販売される在庫に向かっており、広告主にとってはパフォーマンス重視の傾向が強いと述べた。「間違いなく、パフォーマンスへの移行が起きている」と彼は言った。

以下では、分かりやすさと簡潔さのために若干の編集を加えた、会話のハイライトをいくつか紹介する。

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2022年夏と2020年春の類似性

現在、2020年春や初夏と比べて多くの類似点がある。経済的な観点はもちろん、社会的な観点からは(同じレベルの)厳しさではない。しかし、計画サイクルが短いという点ではいくつかのトレンドが類似性を見せている。

7月の最後の数日間でも、第3四半期の案件が複数存在しており、計画サイクルが迅速になっている。意思決定のタイムラインもさらに短くなっているだろう。ほとんどのブランドは、確約をしなければならない直前まで、必ずしも予算を承認しない。

2022年の夏と2020年の春の差

私たちはまだ多くのクライアントとより成長するための対話を続けている。クライアントは、今日はもう少し保守的になる必要があることを理解しているかもしれないが、ホリデーシーズン、第4四半期、さらには2023年に向けても野心的な考えを持っている。

誰も何が起こっていたのかわからなかった2020年と比べて、今は誰もが状況が回復し始めることを期待している。2020年は来月や次の四半期はおろか、一週間以上先は予測ができなかった。

今後の展望には不透明さが残る

この四半期、さらには次の四半期以降を超えた先については、今でも見通しは限られている。それは変わっていない。しかし、広告サイクルは常にその側面があった。ある程度の可視性を得ることはできても、景気が変われば、予測も外れることがある。

デジタルの面では、そもそもアップフロントのテレビ広告と同じようなメカニズムでは予測ができない。そのため、私たちにとって新しいことではないのだ。また、そのことが返って私たちが四半期末、年末までに盛り返すことができるチャンスを生み出してくれる。

数の強さ

(グループナイン・メディア[Group Nine Media]との)合併の結果、われわれが今、より強い立場にいることを今でも確信している。これは、パンデミックが最初に発生する数カ月前にわれわれがニューヨーク・マガジン(New York Magazine)との合併を完了したときと同じだ。

合併の結果、私たちはそのサイクルをより強く乗り切った。同じことがここでも起こっている。まだまだやることはたくさんあるが、今のところ最初の4〜5カ月は好調だと感じている。

[原文:Vox Media’s Ryan Pauley explains how expanding the CRO role beyond ad sales improves ad sales

Tim Peterson(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)

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