パーソナルケアブランド のブラボーシエラがシリーズBで約23億円を調達:信頼度が高い軍コミュティ、リテールを活用

DIGIDAY

ミリタリーからインスピレーションを得たパーソナルケアブランド、ブラボーシエラは、8月18日、シリーズBの投資ラウンドで1700万ドル(約23億円)を調達したと発表した。軍向けと大衆向けとeコマースのチャネル内での継続的な小売成長、国内の研究開発と製造による製品イノベーションパイプラインへの投資となる。

ミリタリーからインスピレーションを得たパーソナルケアブランド、ブラボーシエラ(Bravo Sierra)は、8月18日、シリーズBの投資ラウンドで1700万ドル(約23億円)を調達したと発表した。

このラウンドはマーチャントクラブ(The Merchant Club)が主導し、ムースパートナーズ(Mousse Partners)、キャップスターベンチャーズ(Capstar Ventures)、リドゥベンチャーズ(Redo Ventures)、AFベンチャーズ(AF Ventures)らが参加した。ブラボーシエラはこれまでに外部資本で約1800万ドル(約25億円)を調達している。2019年のローンチ以来、年間収益は前年比で2倍になっている。創業者はジャスティン・ギルバート氏とベンジャミン・バーネット氏。ギルバート氏はココナッツウォーターブランドのハームレスハーベスト(Harmless Harvest)とスナックブランドのグッドフィッシュ(GoodFish)の共同創設者であり、バーネット氏はこれまでキールズ(Kiehl’s)とロレアルリュクス(L’Oréal Luxe)でマーケティングを率いた経験を持つ。

米軍のリテールを通じた販売チャネルを確立

新しい資金は同社のオムニチャネル戦略の拡大に向けられる予定だ。それには軍向けと大衆向けとeコマースのチャネル内での継続的な小売成長、国内の研究開発と製造による製品イノベーションパイプラインへの投資が含まれる。ブラボーシエラのローンチ時には米陸軍・空軍エクスチェンジサービス(Army & Air Force Exchange Service)で独占販売された。それ以前に創業者らは世界中の米陸軍・空軍基地のオンラインと実店舗の小売業を担当するエクスチェンジサービス(Exchange Service)を運営する国防総省にブラボーシエラ(のアイデア)をプレゼンしていた。エクスチェジサービスはオンラインチャネルのほかに全米と海外で4000の小売店を運営している。ブラボーシエラはターゲット(Target)、アルタビューティ(Ulta Beauty)、Amazonでも販売されている。8月20日にはウォルマートに進出、4500店舗で販売されことになる。

「今後18~24カ月の優先事項は、ウォルマート、Amazon、ターゲットで高いシェアを獲得することだ」とバーネット氏は述べている。

高い信頼度に莫大な顧客市場の軍コミュニティ

ギルバート氏とバーネット氏がビューティブランドの立ち上げに着手したとき、それを次の「偉大なアメリカのブランド」となる大衆ブランドにしたいと考えていたとギルバート氏は述べている。

ギルバート氏によると、軍との提携を決めたのは米国の主要機関に対する米国人の信頼度に関するギャラップ世論調査の年次調査で軍隊がトップにランクされたことに推進されたものだという。2022年には回答者の64%が軍に対して「非常に/かなり」信頼していると回答。一方、宗教組織または教会に対しては31%、最高裁判所に対しては25%、テレビニュースに対しては11%という数字であった。同氏は、潜在的な顧客市場の規模は現役の軍人や退役軍人、彼らの配偶者や子どもたちを合わせると約3000万人であると述べている。また、同氏によると軍隊と直接関係のある人々も含めるとその顧客市場は2億人まで拡大するという。

ギルバート氏は次のように述べている。「(米国)人口の8割と各地で関係を持っているすばらしく意欲的なコミュニティが存在するというのに、ビューティやパーソナルケア分野で、軍コミュニティとパーソナルケアという点をつなぎ、そのつながりを人口の大部分を占める人々に対して活用する方法を誰も見つけていない」。

ブランドの製品と視点をさらに発展させるためにブラボーシエラはSlackとWhatsappでオンラインコミュニティを維持している。ブラボーシエラはそのコミュニティを現役軍人や退役軍人を含む2500人の米国特殊作戦部隊の「大隊」と呼んでいる。そのコミュニティは製品のデザインや開発、テストを支援している。バーネット氏によると、ブラボーシエラはデオドラント、シェービングクリーム、ドライシャンプーなどの製品開発に2つのアプローチを取っているという。1つ目は、デオドラントやボディウォッ​​シュなどの主要なパーソナルケア製品にフォーカスして、それらの製品を可能な限り広く配布することである。2つ目は、バーネット氏の言葉を借りると「マージンを増やし、モーメンタムビルディング(勢いを促進する)」製品を年末までにローンチすること。それには同社初のコロンなどがある。同氏は、勢いを促進する製品はD2Cのみ、またはAmazonのみというような緊密な流通になるだろうと述べている。

リドゥベンチャーズのシニアアドバイザーで日本のロクシタングループ(L’Occitane Group)のプレジデントを務めるニコラス・ガイガー氏は次のように述べている「ジャスティン(・ギルバート氏)とベンジャミン(・バーネット氏)は事業を理解しており、自分たちのアプローチに確信があり、ブラボーシエラにある機会に加えて問題や課題に対処することを恐れていない。両者が発展させて製品ポートフォリオの構築のために利用した軍コミュニティとブランドの品質を見れば、市場においてほかとは異なるもの、ユニークなものの開発を目指していることは明らかである」。

[原文:Ahead of Walmart launch, personal care brand Bravo Sierra raises $17 million Series B

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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