「私には納得できなかった」: オネストティー 創業者のセス・ゴールドマン氏、ブランド廃止後に再び紅茶ブランドを立ち上げる

DIGIDAY

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有機紅茶オネストティー(Honest Tea)の創設者であるセス・ゴールドマン氏は、ボトル入りの紅茶をあきらめてはいない。

コカコーラ(Coca-Cola)がオネストティーを廃止すると発表してから数週間で、ゴールドマン氏と、同氏の共同創業者たちは、その代わりとなる新しいブランドを発表したのだ。同氏は1998年にオネストティーを創業し、コカコーラが2011年に同ブランドを買収した。大手飲料メーカーであるコカコーラは6月、業績不振を理由にオネストティーの販売を終了し、ほかの紅茶ブランドであるゴールドピーク(Gold Peak)とピースティー(Peace Tea)に注力すると発表した。

ゴールドマン氏は、2020年に共同で創設した植物原料およびオーガニックのスナックを製造する企業のイート・ザ・チェンジ(Eat the Change)を率いてきた。同氏と共同創設者であるシェフのスパイク・メンデルソーン氏、バリー・ネイルバフ氏は、これまでに同社の傘下において、2021年にマッシュルームジャーキー(Mushroom Jerky)、今年3月に子ども向けスナックのコズミックキャロットチューズ(Cosmic Carrot Chews)という2つのブランドを立ち上げた。マッシュルームジャーキーは昨年の立ち上げ以来、ストップアンドショップ(Stop & Shop)といったチェーン店や、スライブマーケット(Thrive Market)といったオンライン食料品店サービスなど、より多くの小売業者での展開を続けている。小袋入りのキャロットチップも同様の展開を進めており、今月には、全国のスプラウツ(Sprouts)で発売される。

今後数カ月のうちに、ジャストアイスティー(Just Ice Tea)はゴールドマン氏の植物原料食品のベンチャーに参加する予定だ。同ブランドはすでにユーエヌエフアイ(UNFI)とケーヒー(KeHE)で販売されており、いくつかの未公表の小売業者も立ち上げに加わる予定だ。

ゴールドマン氏は米モダンリテールとの対談で、コネクションを活用して別のドリンクを立ち上げる計画や、ジャストアイスティーが新しいイート・ザ・チェンジのポートフォリオでどのような位置を占めるかについて語った。以下の対談内容は簡素さと明瞭さを考慮し、多少の編集を加えたものである。

オネストティーのニュースに対する最初の反応はどのようなものだったか?

我々は、マッシュルームジャーキーとキャロットチップを販売するという自分たちの仕事に専念していた。オネストティーが販売終了するという話を聞いたとき、私が最初に考えたのは、最悪の決定だということだった。ただ、この決定がイート・ザ・チェンジに関する計画には影響しないと考えた。しかし、私がその話題について投稿したあとで、飲料業界関係の多くの人々がそのことに衝撃を受けた。

その直後に、生産の機会を失うことに動揺し、不安を抱いているサプライヤーからの声を耳にした。これらのサプライヤは発展途上世界における栽培者のコミュニティであるため、ブランドの消失は現地経済に大きな悪影響を及ぼす。フェアトレードによるオーガニックなボトル入り紅茶という実験が失敗に終わるかもしれないという考えに、納得できなかった。

そのあとにどの程度の期間でジャストアイスティーのアイデアを構想したのか?

あのニュースが流れたとき、飲料業界の数人の友人から、新しいブランドを率いていくれないかと頼まれた。しかし私は、それを行うべきなのはイート・ザ・チェンジの我々だと考えた。紅茶はこのポートフォリオのガードレールに収まり、問題は適切な名前を決めることだけだった。また、紅茶は水に次いで、世界で2番目に広く飲まれている飲料だ。普及度は地域によって異なるが、特に、クリーンでオーガニックな製法で提供できるなら、恒久的なチャンスとなる。

マイオネストの共同創業者であるバリー(バリー・ネイルバフ氏)が、新しい名前を考えた。そして我々は、以前のサプライヤーや小売業者と連絡を取りはじめたのだが、なかには、商品の味見もしないうちに「引き受ける」と答えてくれた。我々はすでに自社の販売店であるユーエヌエフアイやケーヒーと、イート・ザ・チェンジで協力している。彼らは我々が何者で、何をしているのかを熟知しているため、ベンダーになる申請も必要ない。

オネストを創設した当時と現在の飲料業界に変化はあるか? ブランドを市場に送り出すための新しい課題は存在するのか?

創設した当時は、サンプリングが非常に重視されていた。今でも重要ではあるが、現在ではデジタルマーケティングの取り組みも多く行われている。我々はすでに、自社のほかのブランドで多くのママブロガーやインフルエンサーと協力しているため、ジャストアイスティーでもその戦術を活用できる。

以前と変わらないことのひとつは、ナチュラル系の商品を販売するチャネルが重要なことで、従来型の小売店と取引する前に、そこで販売を開始するブランドが増え続けている。ナチュラル系の小売店だけで販売されている商品はごくわずかだ。今日では、健康的な食品とマスチェーンとの重なりは従来よりも拡大している。ナチュラル系のチャネルで起きていることをコカコーラが評価しているとは思わないが、フェアトレードによるオーガニックな飲料を大規模に提供する機会は依然として存在すると思う。

製品の製法と、オネストのレシピをどれだけ複製するかについて教えてほしい。

オーガニックや植物由来の原料を使った製法だが、フェアトレードや作物の生物多様性を受け入れられるようにしている。そのため、我々の新しいガードレールに合わせて、自社のレシピを多少変更した。たとえば、甘蔗糖の代わりに、オーガニックのハチミツやアガベなど別の甘味料を使用している。パッケージは当社の環境への取り組みに沿ったものにし、従来型のプラスチックのボトルは使用していない。

サプライチェーンへの懸念はあるが、すべてがうまく働いている。8月には小売店での試験的販売を、9月にはさらに大規模な販売を行うための準備をしている。10月には公式に発売を行う予定だ。

[原文:‘Didn’t sit well with me’: Seth Goldman on his new tea brand and life after Honest Tea]

Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Eat the Change

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