年々在任期間が短くなる CMO 、CEOとの連携に必要なのは?:「CMOパフォーマンス調査報告書」より

DIGIDAY

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1950年代にCMOというポジションが誕生して以来、同ポジションはかつてないほどのプレッシャーにさらされている。では、CMOがパフォーマンスを向上させ、CEOともっと効果的に連携するためには何が役立つだろうか。その疑問に迫る調査「CMOパフォーマンス調査報告書」が2022年6月15日に発表された。

1950年代にテレビと紙媒体の広告を中心としてCMOというポジションが誕生して以来、かつてないほどのプレッシャーにさらされていることは確かだ。今日のCMOは、3次元チェスのように一方でクリエイティブやメディアを扱いながら、もう一方では同様にテクノロジーやデータ、ビジネス変革にも取り組んでいかなくてはならない。

その結果、コンサルティング企業であるスペンサースチュアート(Spencer Stuart)の調査(2022年4月に第18版発行)で年々CMOの在任期間が短くなっているのも驚くべきことではない。

だが、CMOがパフォーマンスを向上させ、CEOともっと効果的に連携するためには何が役立つだろうか。

CEOとの関係に注目したレポート

ボストンを拠点とする広告代理店ボートハウス(Boathouse)の創業者でCEOのジョン・コナーズ氏は、CMOを理解することをある種の使命とし、自身の考えを臆さず語る。

コナーズ氏とボートハウスは、2022年6月15日にThe CMO Performance Study(CMOパフォーマンス調査報告書)を発表した。これはコナーズ氏が今後毎年発表していきたいとするCMOに関する調査で、CEOの視点からCEOとCMOの関係を探る。

コナーズ氏は「調査には2つの大きな目的がある。1つはCMOの格付けで、業績との因果関係を見ることができる」と話す。「2つ目は、CEOとCMOの両方の側から見るために、CEO自身が抱える複雑な状況に関する質問を増やしている点だ。ここではCEOの何がCMOをいらだたせるのか、その逆はどうなのかについても見ることができる」。

この調査でひとつ大きく明らかになったのは、CEOが指揮統率という複雑な負担をCMOにももっと分担してもらいたいと思っていることだ。

今回の調査に関するポイント

  • 調査では、ベース売上が2億5000万ドル(約325億円)以上の企業150社のCEOに話を聴いた。その3分の1は売上が10億ドル(約1300億円)を超え、7割は従業員数が1000人以上。全体の3分の2は非上場企業だ。
  • CEOが自分のCMOに付けた成績で最も多かったのは「B」だが、最も「A」が多かったのはCEOがCMOに対して感じる絆と信頼だった(39%)。16%のCMOが「A」だったが、中でも最も「A」の少なかった項目は、会社の成長とイノベーションの推進・新しいアイデアの創出の能力だった(19%)。
  • 自社のCMOの意思決定能力が平均以上であると答えたCEOは4人に1人のみ。63%は平均であると回答。
  • 同様に、CMOがほかの経営幹部を鼓舞するなど「小さく収まらずに大きく行動している」と感じているCEOは27%のみ。一方でCMOが「無難に行動している」と感じているCEOは51%だった。
  • 衝撃的なことに、半分近く(47%)のCEOが、自社のCMOが会社の損益や貸借対照表のデータを理解しているとは考えていなかった。一部のスコアや成績を相互参照するなかで、CEOがCMOの忠誠心を感じる場合にはそれが評価にプラスに影響することがわかった。企業目標との連携や「小さく収まらずに大きく行動している」こと、難しい決断への貢献などのスコアが、17%から19%高くなる様子が見られる。

CEOはCMOに何を求めているのか

「面白いのは、CEOが決して『CMOの唯一の仕事は業績を上げること』と考えているわけではないことだ。『この複雑な状況への対応を手伝ってほしい』というのが実際のところだろう」とコナー氏は述べる。「変化を続けるさまざまな要素に対し、CMOが自分に代わって対応してくれているとCEOが個人的な信頼を寄せる場合は、CMOの成績が大きく上がる。そうではなく、CMOが単に専門分野だけに対応しているとCEOが思っている場合、その関係は長続きしない」。

ボートハウスの調査結果は、CMOのパフォーマンスを分析するほかのアナリストの意見ともぴったり合致する。「マーケティングのトップと経営側(一般的にはCEOや各事業部の部門長)が同じ方向を向いていることは極めて重要だ」とスペンサースチュアートのマーケティング、セールス、コミュニケーション分野担当リーダーのリチャード・サンダーソン氏は説明する。「簡単にいってしまえば、マーケティングのトップが会社の売上に影響できる立場に近いほど、会社の事業自体に対して有意義で長期的な影響を与えられる可能性も高くなる」。

ガートナーグループ(Gartner Group)のアナリスト、クリス・ロス氏は同社のQ&Aで「物事は変化するが、同時に同じままでもある」と語った。「CMOの圧倒的多数が狙っている中心にあるのは『成長』。CEOも、CMOとそのチームが成長を推進することを期待する。CMOにはほかに対応しなければならないことが数多くあるかもしれないが、この狙いから目を離すことは決してすべきではない」。

[原文:When CEOs feel supported by CMOs to help lead, both tend to benefit, report

Michael Bürgi(翻訳:SI Japan、編集:分島翔平)


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