ARビューティテック企業がメタバース と NFT へ進出:ビューティは根本から変わる

DIGIDAY

ウェアラブルNFTとバーチャルメイクアップがメタバースに拡がりつつある今、ARビューティテック企業がこの分野に参入している。

パーフェクト・コープ(Perfect Corp.)やプルポAR(Pulpo AR)などのAI・ARビューティ企業はメタバース機能やNFT機能を開発している。それは、ブランドがそのようなテクノロジーを活用する新しい方法を模索しているからだ。画像や動画形式を超えてNFTがバーチャルメイクアップのルックにまで拡大している現状で、NFTをどこでどのように活用するかが問題になっている。

ブランドがNFTとメタバースへ進出するのは「マーケティングと話題を集めるため」と述べているのは、メタビューティ(MetaBeauty)という名称のメタバース向けARアプリを開発中のARビューティテック企業、プルポARの共同創業者、ラヤン・ゴドイ氏だ。同氏は、将来、バーチャルルックを通じてメタバースがビューティ製品の「主要な販売チャネルのひとつになる」と予測している。

メタバースでメイクアップルックが利用できる事例

パーフェクト・コープは、今年初めにCESでメタバース計画を発表したあと、3月にサウス・バイ・サウスウエストでウェアラブルNFTの導入を発表している。同社は、NFTプラットフォームのオープンシー(OpenSea)で、「アストラルクイーン(Astral Queen)」「コスモノート(Cosmonaut)」「ミスティカル(Mystical)」「グリッチング(Glitching)」という4つのメイクアップルックをローンチした。オープンシーでの購入者らはパーフェクト・コープのユーキャム(YouCam)アプリでそのルックにアクセスできるようになるが、アプリはルックが利用できる唯一の場所である。

パーフェクト・コープは、また、オープンシーのような一般的なNFT取引とウォレットのプラットフォームを使って、ファッションブランドとビューティブランドに対してウェアラブルNFTをデジタル化するサービスを導入した。CEOのアリス・チャン氏によると、同社のウェアラブルNFTのルックは「これまでNFTスペースでは不可能だったインタラクティブでパーソナライズされた要素を顧客に提供しながら、ビューティブランドやファッションブランドには新しい収益源の機会を提供する」ということである。

バーチャルトライオンのプルポARの計画

プルポARは2019年にバーチャルトライオン(お試し)アプリを制作し、また、セフォラ(Sephora)、MAC、イヴ・ロシェ(Yves Rocher)などのビューティ会社と協働してバーチャルトライオンツールも制作している。それらには、ブランドのD2Cサイトや実店舗内のミラーで利用できるものがある。

同社が開発中のメタビューティアプリは、ブランドとクリエイターの両方がデジタルメイクアップルックを制作してNFTに鋳造することができるハブとして機能することを目指している。ユーザーはルックの使用回数を制限できるため、物理的なものと同じようにデジタルアイテムを売り切ることが可能だ。アプリは今年ローンチ予定である。

「クリエイターやブランドが(メタビューティで)NFTアセットを作成するとき使用回数を特定することもできる。たとえば、20回しか使用できない製品のNFTを鋳造すれば、希少価値が生まれる」とゴドイ氏は述べている。

現時点でのプラットフォームの最大の課題は、プラットフォーム間でメイクアップのルックを変換する方法を見つけることである。たとえば、パーフェクト・コープのルックはユーキャムでしか使えない。ソーシャルアプリやゲーム会社は他社のプラットフォームのNFTを自社のプラットフォームで使えるようにするために、新しいテクノロジーを作って実装しなければならない。

メタバース内のARトライオンの課題と将来

ゴドイ氏はそれを実現しようとしている。メタビューティに対する同氏の長期的ビジョンは、将来、ブランドが、インスタグラムやSnapchat、ビデオチャットプラットフォームなどのフィルターとしてソーシャルプラットフォーム全体で使えるデジタルメイクアップ製品を販売できるようにすることだ。ゴドイ氏によると、同社は現在主要ソーシャルプラットフォームとの話し合いの初期段階にあり、この機能を承認してもらえるように説得しているところだという。

ゴドイ氏は、5年以内にNFTがスマートグラスに組み込まれて、ユーザーがさまざまなルックを「着用」して他人のレンズに現れることができるようになると予測している。

パーフェクト・コープ初のバーチャルメイクアップルックのNFTはファンタジーにインスピレーションを受けており、バーチュアルメイクアップの世界が現実よりももっと大胆でカラフルになることが示唆されている。

ゴドイ氏は、プルポARが抱えている最大の問題は「メタバースでのメイクのルックについて、現実で見るような外見を忠実に再現するのか、それとも違う外見にしようと試みるか」だと述べている。同氏はおそらく後者になるだろうと予測している。

「ビューティは根底から変わるだろう。人々はメタバースではまったく違う方法で自分自身を表現するようになるだろう」。

[原文:AR beauty try-on is getting into the metaverse and NFTs

LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:黒田千聖)

Source

タイトルとURLをコピーしました