3D再構成とカメラ追跡アルゴリズムを提供するフォトグラメトリフレームワークのAliceVisionに基づくオープンソースの3D再構成ソフトが「Meshroom」です。MeshroomはWindowsとLinux向けにリリースされており、無料でインストールすることができます。
AliceVision | Meshroom – 3D Reconstruction Software
https://alicevision.org/#meshroom
Meshroomがどんなソフトなのかは以下のムービーを見ればよくわかります。
Photogrammetry 2 – 3D scanning with just PHONE/CAMERA simpler, better than ever! – YouTube
[embedded content]
Meshroomは複数の大学やラボの協力によって開発された、フォトグラメトリソフトウェアです。
例えば以下の銅像をさまざまな方向からカメラで撮影し、Meshroomで3D再構成すれば……
3Dプリンターで出力可能なデータを生成することが可能です。
写真や映像を撮るだけで、以下のように3Dプリンターで印刷可能なデータを用意できます。
写真や映像は、フィギュアをぐるりと囲むように360度から、さらにさまざまな角度から撮影すればOK。一眼レフカメラで撮影する場合はF値を6~9に設定し、フィギュア全体にピントが合うようにします。
ポイントは、フィギュアそのものを動かさないこと。写真は50枚~60枚ほど撮影するのが理想だそうです。
複数の写真をMeshroomに取り込むと……
以下のように、1つのモデルに対して写真を撮影した方向と、カメラとフィギュアの距離が自動で計算され、3Dモデルに再構築されます。
再構築された結果がこんな感じ。
もちろん読み込む写真が多ければ多いほど、3D再構築の精度は高くなります。
フィギュアだけではなく、屋外にある銅像をスキャンすることも可能です。3D再構成の理想的な対象は、銅像のように表面のテクスチャが粗くざらっとした立体物だそうです。ただし、屋外の写真を撮影する場合は立体物にくっきりと影が生まれないように、曇りの日を狙って撮影するのがいいとのこと。また、3D再構成に使う写真は異なるカメラで撮影したものでもOK。
Meshroomで再構成した3DモデルはWavefront .objファイルで出力可能。無料のスライサーであるSlic3rに読み込むとこんな感じ。
出力したフィギュアと元のフィギュアを並べて比較したところ。
銅像の写真から再構成したデータを3Dプリンターで出力したものが以下。
また以下のムービーではMeshroomを使って木のうろを3D再構成する様子を見ることができます。
Meshroom: Open Source 3D Reconstruction Software – YouTube
[embedded content]
MeshroomはWindows版とLinux版がリリースされています。ただし、公式サイトでは「Meshroomを十分に活用するためには、NVIDIA CUDA対応GPUを推奨します。バイナリはCUDA Toolkit 10でビルドされており、Compute Capability 3.0~7.5まで対応しています。対応するNVIDIA GPUがない場合、3D再構成には『Draft Meshing』のみ使用可能です」とある通り、NVIDIA製GPU搭載のマシンでなければすべての機能を使うことができないとのことなので、注意が必要です。
この記事のタイトルとURLをコピーする