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2020年5月にデイジー・オーガー=ドミンゲズ氏がバイス・メディアグループ(Vice Media Group:VMG)の最高人事責任者に就任した直後、ジョージ・フロイド氏殺害事件が起きた。メディア業界の企業は組織の多様性、公平性、インクルージョンのレベルを向上させることを誓約した。その後、VMGはDE&I(ダイバーシティー、エクイティー&インクルージョン)の取り組みを従業員向けのダッシュボードにアップロードし、すべての従業員が会社の計画を確認し、進捗状況を追跡できるようにした。
「プロジェクト管理アプリだと考えてほしい」とオーガー=ドミンゲス氏は、米DIGIDAYのポッドキャストの最新エピソードで語った。
VMGのDE&Iダッシュボードには、アクティブなDE&Iプロジェクトごとにエントリがあり、対応する書類へのリンク、パフォーマンス指標に関する更新情報、これらの目標に対する進捗状況、およびそのプロジェクトを監督する担当者の名前が含まれる。
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「誰に遂行責任・説明責任があるかに関する透明性を高めるだけでなく、特定のプロジェクトに関心を持つほかの従業員が見て、『この人に私は話せばいいのか』と理解できる繋がりも生み出し、活性化を起こす」とオーガ=ドミンゲス氏。
ダッシュボードの目的は、VMGのDE&Iへの取り組みを従業員に対して常に最新の状態に保つことであり、同社は全体的な取り組みの進展に合わせて、完了したプロジェクトを削除し、新しいプロジェクトを追加している。2022年に向けて、これらの新しいプロジェクトのいくつかは、VMGのオフィスへの復帰と、DE&Iが(リモートではなく)職場で果たす役割に関わる可能性が高い。しかしオーガー=ドミンゲズ氏は、すべての取り組みがDE&Iとして分類されているわけではないことを認識している。そのことで、別枠のものとして認識されてしまう可能性もある。
「DE&Iにすべてを加えて、人々が『これが、DE&Iの取り組み?』と反応するようなことはしたくない。実際は逆だ。あらゆることにDE&Iの側面がある一方で、すべてがDE&I(に分類される)取り組みとは限らない」とオーガー=ドミンゲス氏は述べた。
以下、簡潔で読みやすいように編集した会話のハイライトをいくつか紹介する。
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――ハイブリッドな職場におけるインクルーシビティの役割について
常にすべての人に会うわけではないという事実を包括的に考える必要がある。今では何人かに会うことができるようになったが、全員がいるわけではない。それはどのような形をとるのか。インクルーシブな管理についてのヒントとなるアイデアはたくさん存在している。そのひとつ、尊敬と共感を持つことはとても重要だ。人々がオフィスに戻ってくるなかで、同僚とのやり取りの仕方、繋がりの持ち方に関して、悪い習慣に陥っているかもしれないことを我々は理解しつつある。私にとって非常に重要なことは、従業員の帰属意識の中核要素である尊敬と共感がなぜ必要なのかを、個人個人に思い出させ続けることだ。
――オフィス出勤形態にどのように戻るか
究極的には、私たちはマネージャーたちに何が自分にとって最適な形かを決めるよう、ガイダンスを出した。私たちが発見したことは、そしてこれが私がチームで実践していることだが、チームが全員で出勤する日をチームで決めておくと上手くいく、ということだ。なぜなら今日、『未来の仕事』と呼ばれるものの目的はオフィスが創造性、革新そして繋がりのハブになることだ。であれば、そうなるようにスペースを使用しよう、というわけだ。
――リモートワークする従業員の採用について
企業としては、米国のその他の州で個人を雇用することもできるが、それはすでに法人(オフィス)を持っている州に限られる、と決定している。理想としては、たとえ彼らが自宅で(仕事を)するとしても、ロサンゼルス、マイアミ、ワシントンD.C.など、少なくとも個人個人がある程度つながりを持てる州が理想だ。しかし、私にはシアトルとフロリダにチームメンバーがおり、彼らは生活環境のためにこれらの州にチームメンバーを雇ったり、引っ越しを許可したりした例になる。
――ハイブリッド従業員の給与の公平性を管理することについて
(従業員が)転居するときには、現地市場での給与に基づいて給与の見直しを行っている。まだこの状況は起きてないが、誰かの給与を削減する必要がある場合、それはちゃんと議論される。これは誰もが、別の市場で同じ仕事をしている仲間と比べて公平な価格設定を受けられるためだ。(地域ごとの給与調整は)これは難しい分析だ。しかし、チームが常に公平な立場で見てくれているので、私はチームに最大の敬意と感謝を持っている。
[原文:How Vice Media Group’s Daisy Auger-Dominguez has put DE&I plans into practice]
TIM PETERSON(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)