Amazon 初の第2プライムデー、パブリッシャーの成果はまちまち:「同じ結果は期待していなかった」

DIGIDAY

多くのパブリッシャーは7月、Amazonのプライムデー(Prime Day)で過去数年と比べて記録的な売上高を上げたが、10月中旬に開催されたAmazonの第2のプライムデーでは、それほど成功しなかった。

初開催の第2プライムデー

第2のプライムデーは、大きな課題に直面した。eコマース大手のAmazonが、年に2回のプライムデーイベントを開催するのは今回が初めてなうえに、小売大手の同社が年末商戦の早期スタートを目指そうとしたことで、特に経済状況が不透明な時期に開催されることになったからだ。

Amazonによると、48時間の「プライムアーリーアクセスセール(Prime Early Access Sale)」期間中に、1億を超える商品が販売されたという。イベントに参加するメディアパートナーを何社確保したかについてAmazonにコメントを求めたが、今のところ回答はない。だが、Amazonが夏に開催したプライムデーでは、7月12~13日の期間中、その3倍の商品が売れた。アナリストの中には、このイベントを快く思わなかった者もいる

各社それぞれの結果に

パブリッシャーは、アフィリエイトプログラムを通じてAmazonで収益を上げられる。このプログラムは、サイト上のリンクや広告を経由した売上から手数料を得る方式であり、手数料率は商品カテゴリーによって異なる。

リーフ・グループ(Leaf Group)やUSAトゥデイ・ネットワーク(USA Today Network)が運営するレビュード(Reviewed)など、両方のプライムデーセールイベントに参加したパブリッシャーが語ったところでは、それまでのプライムデーより売上高が少なかったという。だが、自社のコマース用ウェブサイトでのセールにとっては、極めて重要な日になり得る。

プライムデーでは通常、売上高がAmazonでの1日の販売額平均の5倍を超える、とリーフ・グループのホームブランドであるハンカー(Hunker)のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、イブ・エプスタイン氏は言う。今回のアーリーアクセスセールは「2~3倍以上だったが、これは最終的なデータではない」と、売上高に関する生データやトラフィックに関するデータを示さずに、同氏は語った。

「当社の場合、それほど大きなものではなかったが、そうなると考える理由はなかった」とエプスタイン氏は言い、Amazonがこうした第2のプライムデーイベントを開催したのは今回が初めてである事実に言及した。「人々の頭に定着してビッグイベントになるには、複数回の開催が必要になる」。

レピュードのゼネラルマネージャー、クリス・ロイド氏によれば、USAトゥデイ・ネットワークの「レビュード」サイトの場合は、Amazonのセールで「予想よりも良い成果を上げた」という。トラフィックと販売高に関する数字を共有するのは避けたが、ロイド氏は、オーディエンス数、販売高および商品の注文は「当社の予想を上回った」と述べた。

「おかげで、第4四半期に非常に好調なスタートを切れた」とロイド氏は話す。ただし、総販売高は、7月のイベントと比べて「少なく」、特定商品の取引も少なかったという。

「開催1年目なので、従来のプライムデーと同じ水準になるとは必ずしも思っておらず、同じ結果は期待していなかった」とロイド氏は話す。

Amazonのアフィリエイトプログラムに参加している大手デジタルパブリッシング企業2社の従業員は、Amazonとの関係を守るために匿名を条件に、今回のセールイベントは、7月のプライムデーと比べていささかがっかりするものだったと語った。

提供された商品が一因か?

この背景には、今回のプライムデーイベントで提供された商品が、7月のイベントほど魅力的ではなかったことが一因かもしれない。ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)の商品レコメンデーションサイト「ワイヤーカッター(The Wirecutter)」のチームが、プライムデーの商品約2万件を調べたところ、サイトで呼び物にする価値があったのは300件だけで、7月の時より50~60%少ないとわかった、とワイヤーカッターの「ディール(Deals)」担当編集者ネイサン・バロー氏は述べた。

スティック掃除機や卓上型ミキサー、キッチン用小型電化製品、ボードゲームなど、いくつかのカテゴリーでワイヤーカッターが推奨した商品の売れ行きは、期待はずれだった、とバロー氏は話した。だが、バロー氏によると、Apple、Google、ペロトン (Peloton)のテック製品の取引は、注目に値したという。

バロー氏は、7月のプライムデーと比べてトラフィックや販売高がどうだったかについては情報共有を避けた。「当社のデータ担当者によると、読者の関心をかなり引きつけ、トラフィックを多いに獲得したようだ」とバロー氏は語った。

[原文:Amazon’s second Prime Day sale brings mixed results for publishers

Sara Guaglione(翻訳:矢倉美登里/ガリレオ、編集:黒田千聖)
Illustrated by Ivy Liu

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