こんな餃子、食べたことない!! 先日、当編集部は久しぶりにテンションの上がる餃子に出会った。その衝撃はまるで歴史が変わった瞬間のよう。常識が覆されたというか、まさに青天の霹靂であった。
お店は東京・葛西の「二代目TATSU〜龍〜」というところなのだが、混沌としていた我々の餃子ランキングでいきなりトップに躍り出た。TATSUの何がどうスゴかったのか、詳細は以下の通りだ!
・正直ナメてた
正直に告白すると、当初はそれほど期待していなかった。それもそうだ、我々は全国でも有名どころを数多くお取り寄せして食べてきたのだ。餃子の聖地である宇都宮や浜松、そして宮崎……蓄積された経験があるため “餃子スカウター” は普通より上だという自負もある。
そこにきて、まさかの東京餃子である。HPで注文するときに「日本餃子大賞」や「1ヶ月待ち」といった文字が視界に入るも「そうはいってもねぇ〜、クロワッサン餃子で1年待ったこともあるしなぁ〜」というナメた気持ちを抱いていた。
しかし、今なら大きな間違いだったと言うしかない。もはやTATSUの餃子は餃子というくくりの中で考えちゃいけないものであった。我々は井の中の蛙……!
・珍しい小松菜餃子を実食
まず真っ先に他と異なったのが作り方である。HPでイチ推しされていた「江戸川小松菜餃子」を注文して作ってみたのだが、熱湯を注いでフタをして蒸すところまでは普通だが……
TATSUは水気を一度切って、なんとそこからゴマ油をまわしかけフタをして中火で焼くのだ。ゴマ油を注入する焼き方もあるにはあるけど、少数派のこれを持ってきたかと思った。ただ、ゴマ油を使うとそのぶん油が多くなるので……
皿をひっくり返すときは……
十分すぎるほど気をつけていただきたい。
・食べ方も面白い
さて、ここからは気を取り直して食べていくが、TATSUはまた変わったところがあって……
タレでなく、ヒマラヤ産のレッド岩塩をつけて食べる。はたしてこれがどう味に影響するのか。言われた通りにつけた餃子好きの編集長・GO羽鳥は、食べた途端うつむいて黙りこくってしまった。
羽鳥「うううぅ……」
羽鳥「おおぉぉぉう……」
羽鳥「めちゃんこウマいなコレ……!!」
喉に詰まらせたと思って心配したが、どうやら味を噛みしめたら衝撃の連続で言葉が出なかったらしい。詳しく! 詳しく感想をプリーズ!
羽鳥「皮がモチみたいだね。とにかく皮がめちゃんこウマい。お取り寄せ餃子の段階を1つ超えてしまっちゃってる。小松菜の味もするし、めちゃんこウマい。なんて言ったらいいのかな……めちゃんこウマい。もう1個……もう1個食べていいかな?
もうね、唯一無二だね。イタリア料理じゃないけど、そんな存在で興奮を隠せない。緑色も生半可な緑じゃないんだよ。考えられて作られているのがよく分かるし、手が止まらないわ。ヤバいヤバい、これはなんて言ったらいいのかな……めちゃめちゃウマいよ」
どんだけ「めちゃんこウマい」って言うんだよと内心思ったことはおいといて、ここまで興奮を隠せない羽鳥は珍しいだけに期待したい。続いて私も食べてみる。ズシリと重さを感じる餃子だな……と思った次の瞬間!
うぉ……! 皮もヤバいけど……
肉汁もヤバいやんけ……!!
何かが突出した餃子は数あれど、これはこれまでに食べたことないタイプだ。特徴はとにかく皮であるが、皮は皮でもモッチモチのプリンプリン。今、私たちが食べているのはモチじゃないのか?
そう思ってしまうくらい皮が圧倒的な存在を放っている。しかも、はちきれんばかりに入っている餡から肉汁が飛び出してくるのだから攻撃力もイケイケドンドン。私たちの脳は自分の舌と胃で何が起きているのか分析が追いつかず、情報処理ができない状態になってしまった。
それでいて、餡はニンニク不使用で優しい味。つまりはキツさを感じないのだから、綿密に計算されている上で作られているのがよく分かる。ここまでされたら、もはや のけぞる ことしかできなかったのも必然である。
これを例えるならば小籠包。これまでいろんな餃子を食べてきたが、初めてこんな感情を抱いたかもしれない。また、スゴくよいのが何もつけなくて食べても美味しいところ。強引に味を加えるのでなく、餃子の原点に戻ってもめちゃんこウマいのだから非の打ちどころがない。
あまりに皮が気になったので調べてみたら、どうやら特別な豚の部位を使用して練り上げているらしい。そして店名にもある “二代目” 店主がオリジナルの皮を研究開発して進化させたのだとか。うむむむむ、初代を超える情熱と革命……しかと見届けた!
・値段をどう捉えるか
唯一、気になったのは2880円(送料別)と値段がちとお高いところ。20個入りなので1個あたり144円。市販の餃子に比べたら、高く感じてしまう人は多いに違いない。
とはいえ、この値段は逆にいうと自信の表れ。過去イチの味を知ってしまった今、妥当な価格設定と思えてしまうし、1ヶ月待ちでもリピートしている人はまぁそういうことだろう。参った、参った、とにかく参った。
なお、他にも餃子の種類があって、自家製の皮で包んだ肉汁たっぷりの「肉汁アンビリーバボー餃子」というものも売られていた。おそらくこちらも小松菜同様にパンチ力がスゴいはず。常識では考えられない出来事、アンビリバボー。あなたの身に起こるのは明日かもしれない。