アメリカのスタートアップであるSimulaVRが、世界初のLinux搭載スタンドアローン型VRヘッドセット「Simula One」を2021年12月11日に発表しました。Simula Oneは2022年1月にKickstarterで発売予定ですが、これまで詳細なスペックは明らかにされていませんでした。しかし、ついにSimula Oneのスペックの一部が、競合他機種と比較する形で公開されました。
VR Comparison: Simula One vs. Valve Index vs. Quest 2 – SimulaVR
https://simulavr.com/blog/vr-comparison/
Technical overview of Simula’s VR Computer – SimulaVR
https://simulavr.com/blog/technical-overview/
Simula Oneの見た目はこんな感じ。
Simula Oneに搭載されているOS「Simula」はVRデバイス向けに開発されたLinuxデストリビューションで、LinuxアプリをそのままVR上で実行できるのが特徴。SimulaがどういうOSなのかは以下の記事を読むとよくわかります。
VR空間にLinuxのデスクトップを表示して作業可能なオープンソースソフトウェア「Simula」 – GIGAZINE
Simula Oneは、このSimulaを搭載したVRデバイスで、記事作成時点ではプロトタイプ段階ですが、以下の表のようにValve IndexやOculus Quest 2と比較する形でスペックの一部が公開されています。
Valve Index | Oculus Quest 2 | Simula One | |
メーカー | Valve | Meta | SimulaVR |
端末 | PC接続型VR | スタンドアローンVR | スタンドアローンVR |
プラットフォーム | SteamVR | Oculus Home Steam VR |
Linux |
重さ | 809g (ヘッドストラップ込み) |
503g (ヘッドストラップ込み) |
未定 |
レンズ | デュアルエレメントフレネルレンズ | フレネルレンズ | トリプルエレメント非フレネルレンズ |
画面 | 液晶 | 液晶 | 液晶 |
サブピクセルレイアウト | ストライプRGB | ストライプRGB | ストライプRGB |
解像度 | 片目1440×1660ピクセル | 片目1832×1920ピクセル | 片目2448×2448ピクセル |
視野角1度当たりの解像度 | 11.07 | 20.58 | 35.5 |
リフレッシュレート | 144Hz | 120Hz | 90Hz |
瞳孔間距離の調整範囲 | 58~70mmのハードウェア調整 | 58~68mmのハードウェア調整 | 55~77mmのハードウェア調整 |
パススルー | 960×960ピクセルのパススルー | トラッキングカメラによるグレースケールパススルー | 高解像度広角カメラによるフルカラーパススルー |
色 | 黒 | 白&黒&オレンジ | 白 |
自由度 | 6DoF | 6DoF | 6DoF |
アイトラッキング | なし | なし | 未定 |
フェイストラッキング | なし | なし | なし |
ハンドトラッキング | なし | あり | 未定 |
ボディトラッキング | なし | なし | なし |
内蔵スピーカー | あり | あり | なし |
内蔵マイク | あり | あり | なし |
3.5mmオーディオ端子 | あり | あり | あり |
ポート | USB(3.0) Type-A ×1 | USB Type-C×1 | USB4/Thunderbolt4×1、 USB Type-C(USB3.2Gen 2)×3~4 |
映像接続 | DisplayPort 1.2 | Oculus Link(USB Type-C経由) | DisplayPort 1.4a |
無線対応 | なし | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6 |
チップセット | Qualcomm Snapdragon XR2 | - | |
CPU | なし |
Octa-core Kryo 585 |
Intel Core i7-1165G7 |
GPU | なし | Adreno 650 | Iris Xeグラフィック |
メモリ | なし | 6GB | 16GB |
ストレージ | なし | 128GB/256GB | 1TB NVMe M.2 SSD |
SDカードスロット | なし | なし | 未定 |
バッテリー容量 | なし | 3640mAh | 未定 |
連続使用時間 | なし | 約3時間 | 未定 |
充電時間 | なし | 約2時間30分 | 未定 |
発表日 | 2019年4月29日 | 2020年9月15日 | 2021年12月14日 |
発売日 | 2019年4月30日 | 2020年10月12日 | 2022年1月を予定 |
価格 | VRキット:13万8380円 ヘッドセット+コントローラー:10万4280円 |
128GBモデル:3万7180円 256GBモデル:4万9280円 |
未定 |
Simula OneのプロトタイプはIntelの第11世代NUCをベースにしており、CPUは4コア・8スレッドのIntel Core i7-1165G7を搭載。さらに外部モニターに接続するためのDisplayPortスロットも用意されています。加えてSimulaVRは、バッテリー寿命などの課題を踏まえた上で第12世代NUCに切り替える可能性も十分あるとしています。
レンズは3枚重ねで視野角は単眼で100度。SimulaVRによれば、Simula Oneは装着したままで周囲の風景を見ることができるパススルーにも対応しており、前面に付けられた2台の高解像度広角カメラを使って、高画質でフルカラーのパススルーによるARモードが実現可能になる予定だとのこと。また、Leap Motionのメーカーが開発したハンドトラッキング入力デバイス「ultralaep」を内蔵しているので、手の動きをそのまま入力に応用することが可能。さらに外部センサーを使うことでモーショントラッキングも理論的には可能になっています。ただし、電力やコストの問題があるため、記事作成時点では実装されるかどうかは不明です。
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