静岡で自民候補敗れた原因を考察 – 早川忠孝

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中間層、無党派層の動向が結局は選挙の行方を左右したということだろう。

岩盤支持層だけを固めただけではこの種の選挙で勝利を収めるのは難しいということを実証したような参議院静岡選挙区の補欠選挙であった。

当初は優勢だと報じられていた自民党の候補者が、結局は敗れてしまった。

野党共闘の成果だ、などと勢いづかれる方もおられるだろうが、当選した候補者は基本的に国民民主党に足を置いているようで、共産党は共産党で別に候補者を立てていたので、少なくとも現在言われているような立憲民主党と共産党を中心とする野党共闘とはおよそ性格を異にしている。

まあ、それでも甘利幹事長を中心とする自民党の選対にとっては失態とも言うべき実に痛い敗北であり、いずれ明らかになる今回の衆議院選挙の結果を含めて、何らかの意味で自民党執行部の責任問題に発展するのは必至だろうと思っているが、しかし選挙戦全体を子細に見てみると、今回の選挙結果は止むを得ないところもある。

静岡の場合は、県民党代表を自称する川勝平太知事の影響力が特に大きかったようである。
川勝知事がここまで本気になって特定候補者の選挙応援のため県内各地を走り回る、などという事態は想定されていなかったのだろう。

先の県知事選挙で圧勝した川勝知事があちらこちらで特定の候補者のために精力的に選挙の応援演説をやれば、中間層、無党派層の方々の支持は自然と川勝知事が応援する候補者の方に集まっていくものだ。

やはり、県民党代表を名乗る県知事の影響力は大きい。

出口調査で自民党の候補者は、無党派層、中間層の2割程度の支持しか獲得できなかったのに、当選した候補者には無党派層、中間層の7割近くが流れたそうだ。

今回は候補者本人の資質や政策に問題があったというよりも、無党派層、中間層の支持を獲得する方策にやはり抜かりがあった、ということになるだろう。

衆議院選挙の投開票日の31日まで残り僅かだが、さて、自民党の選対はどのような対策を講じられるだろうか。

共産党批判は、生粋の保守層にはそれなりに響くだろうが、無党派層、中間層と目される方々にどこまで刺さるか分からない。

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