「いまをポジティブに捉え、仲間を鼓舞し、結果を出す」:フジテレビジョン 清水俊宏 氏

DIGIDAY

日本の業界関係者たちは、2022年にどんな課題を感じ、2023年にどんな可能性を見出しているのか? この年末年始企画「IN/OUT 2023」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブ、次世代リーダーたちに伺った。

明るい未来、という表現はやや陳腐だが、2022年はコロナ禍を踏まえて次のフェーズに進む「新たな1年」になると、誰もが考えていたのではないだろうか。

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、世界的な景気低迷とそれに伴う広告・メディア支出の混乱など、波乱に満ちた1年となった。DIGIDAY[日本版]恒例の年末年始企画「IN/OUT 2023」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに、2022年をどのように受け止め、2023年にどのような可能性を見出し、新たな一年を切り開いていこうとしているのか伺った。

株式会社フジテレビジョンにて、ビジネスセンター事業部・部長職を務める清水俊宏氏の回答は以下のとおりだ。

――2022年を象徴するトピック、キーワードを教えてください。

キーワードは「ブラボー!」。予選リーグでドイツ、スペインを破って決勝トーナメント進出を果たしたサッカーW杯男子・長友佑都選手から発せられた名言です。コロナ禍に入ってからは「アフターコロナ」「レジリエンス」「パラダイムシフト」など、「現在の苦境をいかに乗り越えるか」に意識が集中しがちでしたが、今回の“ブラボー”は「いまの状況や戦力をポジティブに捉え、仲間を鼓舞し、結果を出すことの大切さ」を思い出させてくれました。

私がコロナ禍で始めたYouTube番組『#シゴトズキ』は出演ゲストやチャンネル登録者が着実に増えているのですが、もっとも再生されている動画が書道家・武田双雲さんの回。「人生を豊かに生きる思考法がユニークすぎた」というタイトルで、公開2カ月で28万回再生を超え、いまも伸び続けています。その中で語っている大事なことのひとつが、「私たちがむなしくなったり疲れたりするのは、未来のことばかりを考えているから」というものです。

いまの状態を楽しんで、現状の“つまらない時間”を撲滅すれば、すべての悩みがなくなります。この動画が注目されているというのが、まさに2022年を象徴しているのかなと感じます。

私自身、未来でどうなるか分からないビジネスの種をいくつか仕込んでいますが、いまの状態でもかなり楽しんで取り組めています。これを読んでくださっている方とも何かご一緒して、さらにブラボーと叫びたいなと思っています!

――2022年にもっとも大きなハードルとなった事象は何でしたか?

「もっとも大きな」ということであれば、ハードルはやはり新型コロナウイルスの影響と答えざるを得ません。私自身は感染していませんが濃厚接触者となった期間は身動きが取りにくくなってしまいましたし、相手先の感染で予定がキャンセルになることも多発しました。

また、オンラインでの対応が可能になった反面、リアルの良さがないがしろにされたり、対面アポイントを入れる際にコロナへの温度感を探ることが必要だったりと、まだまだ過渡期にあると感じています。

――2023年に必ず取り組むべきだと考えていることは何ですか?

AIの活用は、デジタルが苦手な人こそ使う段階に入りました。キーワードを数個入力するだけで、記事タイトルや文章を自動生成してくれる文章執筆AIの「ELYZA Pencil」や、日本語の文章で質問を入力すると、それに対してAIが自然な文章で回答を出してくれるOpenAIの「ChatGPT」など、無料ツールとは思えないサービスが受けられます。

それらを駆使することで、メディア関係者はもちろん様々な分野で業務の効率化やチームのレベルアップにつながると考えています。


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