「タブーをなくし、当たり前のことに」: セクシャルウェルネス の謎を解き明かすハニー・ポットCEOベアトリス・ディクソン氏

DIGIDAY

ハニー・ポット(The Honey Pot)は、創業からまだ8年のインディーズ・ブランドだ。しかしこの8年間は、セクシャル・ウェルネスと女性の健康に携わる同ブランドにとって波乱に満ちた期間だったと、共同創業者兼CEOで最高イノベーション責任者も務めるベアトリス・ディクソン氏はポッドキャストで振り返った。

ハニー・ポット(The Honey Pot)は、創業からまだ8年のインディーズ・ブランドだ。しかし、この8年間はセクシャル・ウェルネスと女性の健康に携わる同ブランドにとって波乱に満ちた期間だったと、共同創業者兼CEOで最高イノベーション責任者も務めるベアトリス・ディクソン氏は振り返る。

同ブランドは今年5月、成分の配合を変えたことが物議を醸した。フェノキシエタノール(防腐剤)と新しい乳化剤が配合されたことに、消費者がソーシャルメディアで疑問を投げかけたのだ。さらには、会社はもう売却されて黒人が経営する企業ではなくなったという噂も広まった。同氏は米Glossyビューティ・ポッドキャストで、「バイラル」になることの危険性について語った。

「もっと良いコミュニケーションができたのではないかと考えている」とディクソン氏。「何かを一生懸命にやろうとしているときに、それとは正反対の議論が巻き起こっていると感じると、それが事実ではないということを必死に証明しようとしてしまう。それが後手後手の対応や保身のように見えてしまい、状況を悪化させてしまうこともある。守りに入ってしまわないこと、誤りを認めること、弱さを見せること、信頼されることの紙一重を見極めようとしている」。

しかしながら、同社の投資家や小売パートナーは支え続けてくれた。「彼らは優れた防腐剤の仕組みや、物事は変化するということ、そしてソーシャルメディアの複雑さを理解してくれた」。それでも同氏は、顧客が購入に至るまでのジャーニーをとても大切にしている。もともとこのブランドの製品が、非常に個人的な体験から生まれたものだからだ。2014年に細菌性膣炎を8カ月間も患った同氏はある日、症状を和らげるための成分を祖母が教えてくれる夢を見た。これをきっかけに、当時ホールフーズ(Whole Foods)のバイヤーとして働いていた同氏は、植物由来の膣ケアブランドを立ち上げたのだ。

ハニー・ポット創業までのストーリーや、増え続ける小売パートナー、そして配合を変えた試みがソーシャルメディアでの炎上につながったことについて、米Glossyのプリヤ・ラオが聞いた。
以下はポッドキャストで語られた内容を読みやすさのために要約し、編集を加えたものである。

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タブーに挑む

「投資家に売り込む際に、私は『膣』という言葉を何百万回も言う。場を和ませるために、よく言うのは『私たちは皆、膣から生まれてきた。何もおかしいことなんて無い。地球の人口の半分は女性なのだから』と。この言葉の神秘性を除きたい、イメージを和らげたいと常に考えてきた。タブーをなくし、においや痒み、STD(性感染症)などがあったとしても恥ずかしいと感じないようにしたかった。月経周期によって変化するものであり、人類にとって当たり前のこと。『膣』という言葉がトラウマに満ちたものになっても、何も改善しない。これは私たちの取り組みの基盤となっている考え方なので、常に意識している」。

本格的なライフスタイル・ブランドへと成長

「私たちのチームは2015年ごろ、ウォッシュを販売するだけではだめだということに気付いた。消費財ビジネスに携わっているのに、ウォッシュのボトル1本を消費するには6~8週間もかかるからだ。世の中を見渡していて気づいたのは、人々はどのようなものを私たちから買うのかを理解する必要があるということだ。まだ店舗で生理用品を購入することに気まずさを感じる女性が多い中で、ピリオド・ストア(The Period Store)の事業モデルは買いやすくて好きだった。これは私が取り組みたかったことのひとつで、『なぜ気まずさを感じるのか? 当たり前のことなのに。出血しないよう、体に命じることはできないのに』と考えていた。そこで他社製品の卸売りをし、ナプキンやウェットシート、サプリメント、マタニティ関連まで幅広い製品を扱った。当時は事業規模が1年で3万ドル(約400万円)から25万ドル(約3,360万円)へと凄い勢いで拡大し、これは何かがあると示唆するものだった」。

誤りを潔く認める

「なぜ(炎上騒動が)発生したのかを理解し、この事態を招いた一連の出来事をしっかりと見つめることが重要だ。そして、もし何か誤りがあるならばそれを認め、嘘偽りなくあるべきだ。ただし人間的な側面も大切で、弱さや情緒、傷つきやすさは抑え込まずに解放することにした。むずかしい対応をしているのだから、私たちがどのように感じているのか話した方がいい。創業者は必ずしも、以前のように業務に忙殺されているわけではないだろうが、(現場で対応する)従業員の調子がもし悪くなれば、彼らは仕事をすることができなくなるので、(特に困難な時期に)自分のチームをケアするのは、とても重要なこと。いずれにせよ、防御の姿勢で臨んでは何も解決しない」。

[原文:`There’s nothing weird about this shit’: The Honey Pot’s Beatrice Dixon on demystifying feminine health and wellness

REBECCA RUSSO(翻訳:田崎亮子、編集:黒田千聖)


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