月面でも使えるタフなカメラを日本のニコンが作ります!

青い地球をふだんのカメラで撮ってきて!

現在NASAでは、宇宙飛行士が月面で使用するハンドヘルドカメラを開発しています。そのパートナーとなっているのが、日本のカメラメーカーであるニコンです。

2026年に向け宇宙用カメラを開発

NASAとニコンが契約を結び、月面の過酷な環境温度に耐えるカメラを共同制作することになりました。契約には、宇宙飛行士が月面で過ごす様子を撮影(研究目的で)することも盛り込まれているんだそう。もしかしたらクールなセルフィーなんかも撮影してくれるかもしれません。こちらのカメラは、2026年9月に出発予定のアルテミス3計画で使用される予定です。

アポロ時代に宇宙飛行士が使用していたのは、70mmフィルムマガジンのカメラでした。これを胸に取り付けて、ミッションの様子を撮影していたのです。あれから50年以上が過ぎ、NASAでは「宇宙飛行士が月面でもっと自由に動き、簡単に操作できるカメラが欲しい」と考えているんだそう。

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月面で撮影された月着陸船パイロット(LMP)アラン・L・ビーン氏
Photo: NASA via Gizmodo US

ニコンのカメラに「宇宙装備」を搭載

NASAによると、アラバマ州ハンツビルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センターのチームは、HULC(ハンドヘルド・ユニバーサル・ルナー・カメラ)を開発するため、標準的なニコンZ9カメラを月面仕様に調整していく作業を開始しました。

そしてニコンZ9カメラに、光学性能の高いニコンのニッコールレンズを搭載。さらにホコリや極端な温度からカメラを保護するNASAのサーマルブランケット、宇宙飛行士が厚手の手袋をしたままボタンを操作できるカスタムグリップが装備されることに。

他にもこのカメラは最新の画像技術を備え、放射線による損傷を避けるために電気部品も改良されます。ファインダーや、静止画と動画の両方を1台のデバイスで撮影できる動画機能も搭載されるなど、アポロ計画で1万8000枚の写真を撮影したカメラより、ずいぶん実用性が高くなっていますね。

NASAは次のように述べています。

「このカメラは、月面で使用される初のミラーレスハンドヘルドカメラとなり、低照度環境での画像撮影用に設計されます」

月に行く前に、カメラは国際宇宙ステーションでテストされることになります。

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NASAジョンソン宇宙センターでテストに使用された実物大のドッキングシステム
Photo: SpaceX via Gizmodo US

他にも、月面着陸ミッションへの準備は着々と…

NASAはアルテミスの準備の一環として、月面探索ミッションのクルーが宇宙船オリオンとSpaceX社の月着陸船スターシップHuman Landing System(有人着陸システム)との間を移動するためのドッキングシステムの開発も進めています。クルーはまずオリオンで地球から月軌道へと向かい、その後スターシップで宇宙船から月面に着陸します。

最近NASAは、SpaceXと共にジョンソン宇宙センターでドッキングシステムのテストを実施。軌道上にある2つの宇宙船間の接触力学をシミュレートしたと発表しました。

「テストでは200を超えるパターンでドッキングを再現し、さまざまなアプローチ角度と速度を試しました。実物大のハードウェアを使ったリアルな実験で、月着陸船のドッキングシステムのコンピュータモデルを実証しました」

人々がアポロ以来の有人月面着陸を待ち望む中、ニコンとカメラを共同開発する一方でこうしたドッキングテストを実施し、アルテミス計画は着々と前進しているわけです。

せっかく月に行くんだから、あれもこれもいっぱい機能を盛りだくさんに積んでいきたいよね! って感じもしなくはないですが…。なにはともあれ、21世紀バージョンの月面着陸が楽しみですね!

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