ベッド・バス&ビヨンド の名を引き継いだオーバーストック、新たに手にする「ブランドイメージ」と「課題」

DIGIDAY

こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
※モダンリテール[日本版]は、DIGIDAY[日本版]内のバーティカルサイトです

私たちは、Overstock.comに別れを告げ、Bed Bath & Beyond.comに再会することになる。

家具・インテリアの余剰在庫をオンライン販売するオーバーストック(Overstock)はベッド・バス&ビヨンド(Bed Bath & Beyond)のデジタル資産および知的所有権を2150万ドル(約31億円)で落札した。オーバーストックは6月13日に入札書を提出し、6月27日火曜日に審査で承認された。同社のCEOを務めるジョナサン・ジョンソン氏は、同社が家庭用品のアイコン的な小売業者であるベッド・バス&ビヨンドのデジタル資産をどのように使用する計画なのか、6月29日木曜日のアナリストとの対談で説明した。具体的には、最終的にオーバーストックの名前を廃止し、ベッド・バス&ビヨンドの名前だけでオンラインの事業を運営していく計画だ。これは、ベッド・バス&ビヨンドの名前がオーバーストックよりも広く知られており、価値があるため、同社が家庭用品の権威ある存在になるために役立つと、ジョンソン氏が考えているためだ。

2019年にオーバーストックのCEOに就任したジョンソン氏は次のように述べている。「オーバーストックの名前については、数えきれないほどの質問を受けた。ほとんどの場合、その次には『会社名を変えてはどうか』という言葉が続いた」。

「オーバーストック」というネーミング

同氏が言及したように、人々は「オーバーストック」の名前から、同社が清算業者であると連想していた。この20年間、清算業者の役割を果たしたことはないにもかかわらずだ。そしてその事実は、いくつかの問題を引き起こした。一部の人々は、オーバーストックが高品質で新しい、トレンドの商品を販売していないと考えていたということだ。また、オーバーストックが清算業者だと勘違いした人のなかには、同社で買い物をしようとした際に、大幅割引がないことに失望した人もいた。また、清算業者を連想させるような企業に自分たちの商品を売ることに懸念を抱いていたサプライヤーもいた。

「つまり、多くの顧客やサプライヤーは、当社のオーバーストックという名前から高品質の家庭用品を連想できなかった。それが当社にとって逆風となっていた」と、ジョンソン氏は語る。

ジョンソン氏はCEOに就任したときから、オーバーストックのブランドイメージを刷新する任務に取り組んでいた。たとえば、同氏は自社が家庭用品以外のすべてのカテゴリーから撤退することを宣言した。「100%家庭用品に移行することで、家庭用品であるというブランドイメージを高められると期待していた」。しかし同氏は、「それは想像していたより困難だということがわかった」と付け加えている。

そこで、ベッド・バス&ビヨンドの出番だ。オーバーストックはベッド・バス&ビヨンドの知的所有権を獲得した。この知的所有権は基本的に、顧客とロイヤルティのデータ、米国とカナダのウェブサイトとモバイルアプリ、ベンダーとSKU(在庫管理単位)のデータ、そして商標とプライベートブランドのデータという4つのカテゴリーに分けられる。しかし、オーバーストックは、ベッド・バス&ビヨンドの店舗や物理資産は獲得しなかった。

6月29日木曜日朝の時点で、同社はカナダでベッド・バス&ビヨンドのウェブサイトをリニューアルオープンした。また、自社のロイヤルティプログラム「クラブオー(Club O)」を、より一般的な名称「ウエルカムリワーズ(Welcome Rewards)」という名前に変更する予定だ。また、8月から9月のあいだには、米国でもベッド・バス&ビヨンドのウェブサイトをリニューアルオープンする計画だ。また、今年の第4四半期には自社のウェブサイトとモバイルアプリで「オーバーストック」の名称を廃止し、ベッド・バス&ビヨンドのブランド名だけで運用していくことを検討している。

「当社は、レジストリ事業、トレード、B2B販売などにおける将来の成長の可能性を評価するとともに、ベッド・バス&ビヨンドのさまざまプライベートブランドで代替商品の可能性を模索していく」と、ジョンソン氏は述べている。

両ブランドを引きつける価値提案

ジョンソン氏はすでに、オーバーストックがベッド・バス&ビヨンドの名前を獲得したことで利益を得ていると主張する。「当社は、破産手続きでストーキングホース(当て馬)入札者として選ばれたニュースが流れたとき、1週間で10万SKUを追加した」。これは、サプライヤーがすでに新しい企業の方を好ましく思っていることを示していると、同氏は述べている。

グローバルデータリテール(Global Data Retail)のマネージングディレクターを務めるニール・サンダース氏は、オーバーストックがベッド・バス&ビヨンドを買い取ったことを「買収として妥当だ。良い価格で買い取れたと思うし、今でもけん引力がある良いブランド名を獲得したと思う」と評価している。しかし同氏は、「既存のオーバーストックの顧客と、ベッド・バス&ビヨンドの顧客の両方を満足させる、合理化されたブランドと価値提案を作り上げることが難しい点だろう」とも述べている。すなわち、両方の顧客を引き付けるウェブサイトのデザイン、マーチャンダイズの選択、価格の設定をすることだ。

29日の発表において、アナリストのひとりは、ベッド・バス&ビヨンドが破綻する直前に顧客が経験した在庫切れや注文のキャンセルなどのネガティブな体験のいくつかが、ブランド名を大きく毀損したのではないかと問いかけた。ジョナサン氏は、「ベッド・バス&ビヨンドのブランドはいまだに強力だ」とし、オーバーストックが委託したサードパーティーの調査でもそのような結果が示されていると述べた。

ジョンソン氏は次のように述べている。「私の経験では、運営の失敗で企業が消滅することはあっても、ブランドが消滅することはない。破産を経ても強さを維持し、今でもアイコンとなっているブランドは数多く存在する」。

[原文:Overstock CEO says people didn’t associate its brand with ‘quality’ as it takes over Bed Bath & Beyond name]

Anna Hensel(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Overstock

Source

タイトルとURLをコピーしました