「多様性という意味で、年齢や地域にも着目している」:日経BP 羽生祥子 氏

DIGIDAY

ニューノーマルはすでにノーマルとなり、街の鼓動は再び力強く脈打ちはじめている――。

そんななか日本の業界関係者たちは、2022年にどんな課題を感じ、どんな可能性を見出しているのか? この年末年始企画「IN/OUT 2022」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブに伺った。

株式会社日経BPにて、日経xwoman編集委員を務める羽生祥子氏の回答は以下のとおりだ。

――2021年に得たもっとも大きな「成果」はなんですか?

「ジェンダー平等、多様性」が経営者の言葉になったこと。ダイバーシティは女性のために善い行いだからやるんじゃなくて、組織の成長のために必要な戦略なんだ、というモードに急速に変化したと思う。特に2021年6月に金融庁と東証が発表した「コーポレートガバナンス・コード改訂」で「取締役会、中核人材における多様性確保」が打ち出されたことが、経営者にとって大きなインパクトになった。多様性が確保されている企業かどうかを、投資家たちはチェックして投資対象に入れるか外すかを見極めるということだから。

――2021年に見えてきたもっとも大きな「課題」はなんですか?

ダイバーシティ(多様性)とセットで組織に求められることはインクルージョン(包含)。でも、インクルージョンって、「仲良しこよし」では達成できない。単に多様な人をチームに入れただけじゃ、単なる混沌。ときには穏やかじゃない議論や衝突を経て、ようやくインクルージョンにつながるから。「和をもって尊しとなす」は素晴らしい日本の魂だけど、気をつけないと「単一的な忖度集団」になっちゃう。これが組織の不祥事として浮かび上がった1年でもあった。本当の多様性を手に入れるにはハードな訓練が必要だし、それが今後の課題だと思う。

――2022年にもっとも注力したい「取り組み」はなんですか?

多様性という意味では、性別だけじゃなくて「年齢、地域」にも着目している。とくに世界的に(絶対数として)マイノリティな存在である若者世代の声を、どう社会構築のために発信するか。日本という地域の個性を、どうグローバルで発信していくか。どこに強みがあるのか。メディアでできる表現はあるか。こんなテーマで取り組んでいきたい。

Edited by DIGIDAY[日本版]編集部

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