なんかある謎のアイス「ディッピンドッツ」とは結局なんなのか

デイリーポータルZ

何年も前からずっと、存在は知りながら食べたことがない。

「ディッピンドッツ」のことだ。

名前で言ってもなかなかピンとこないかもしれない。細かいカラフルなつぶつぶがカップに入っている、アイスの一種らしいあれだ。

あるなあるな……と思いながら気づけばもうずいぶん謎のまま。

結局、あれはなんなんだ。
 

楽しい場所にある謎のアイス

ディッピンドッツはどこでも買える食べ物ではない。

エンカウントするのは主に行楽地や娯楽施設、ショッピングモールだろうか。新宿駅南口の高島屋のビルに映画館のテアトルタイムズスクエアがあった頃、小さなブースが出ていた記憶がある。

ジョイポリスとか、東京レジャーランドみたいなでかいゲームセンターみたいな施設にも屋台があった。

その手の施設でも目撃頻度はそれほど高いわけでもないから、出会いがしら系飲食物とでもいおうか。 

いっぺん食べてみようと思い立つも名前がわからなかったから「つぶつぶ アイス」で検索した。ディッピンドッツは「つぶつぶ アイス」の検索順位1位であった。

公式サイトによると、直営店は大阪の2店舗しかないようだ。しかし取扱店となると各地にある。へえ、と思ったのが、大きな公園の売店でもぼちぼち扱いがあること。

編集部から近い、代々木公園の売店のうちの1店でで売られていることが分かった。

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思いもよらず近くにあったものだ
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ケヤキ並木の脇のNHK放送センターは大工事中

ディッピンドッツは総じて楽しい場所で売られる。学校の文化祭向けに卸してもいるらしい。

公式サイトの一覧を見ると鈴鹿サーキットや佐賀県の忍者村の売店でも扱っているそうで、F1と忍者がまさかつぶつぶのアイスでつながった。

1988年からいままでずっと「未来っぽい食べ物」

公式サイトを読み進めると、1988年アメリカでうまれた食べ物だとある。形状の未知っぽさから未来をつい感じるが、ばりばりの昭和生まれじゃないか。

1988年といえば昭和63年。年間のシングル売上ベスト1は光GENJIの「パラダイス銀河」だから、その時代から未来風を魅力に今も現役で売られていると思うと感じ入る。

ちなみに日本には1995年に上陸したそうだ。私は30年ちかく「あるな」とだけ思っていたのだ。

デイリーポータルZでは2003年の林さんの記事内で食べたことが伝えられており、まさに「未来のアイス」として売っていると書いてある。

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人気ナンバー1のレインボーを買ってみました

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代々木1号売店(またの名をパークス代々木野外ステージ前店)、いよいよディッピンドッツを食べるんだぞ

平日の昼、代々木公園、野外ステージ前の売店は空いていた。

ディッピンドッツはたしかにメニューにある。ふつうのカップに盛ったのと、飲み物の上にトッピングしたものがあるようだ。

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看板の左下、飲み物のほうは「ドッツンクラッシュ」というらしい
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ソフトクリーム、かき氷、それにサーティーワンのカップアイスも売られ、冷たいデザートがしのぎをけずっている

ディッピンドッツにはフレーバーがいろいろとあるが、ここで扱っているのは人気ナンバー1でラムネ味のレインボーのみだそうだ。

ポスターを見ると「つぶつぶさらさら」と書いてあり、つぶつぶのアイスというイメージはあったが、さらさらした食べ物なのか。

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横から撮ったので見えづらいんですが、ポスターに「つぶつぶ♪ さらさら♪」とある

「さらさらなアイスが食べてみたいな」と思ったことはこれまでの人生でおそらく1秒もない。

ただ、「さらさらなアイスがありますよ」と言われると「それは何かね、興味があるな」と思わざるを得ず、絶妙な魅力だと思う。

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どうぞ~!

カウンターから出してもらったカップを受け取った。

持ち上げると、カップの中でつぶが動いて「さらっ」と音をさせた。わ、本当にさらっさらだ、砂みたいじゃん!

一粒一粒が個別に凍っているからさらっさら

カップをのぞくと、それなりに大小はあるが、小粒のアイスの玉がひとつひとつ個別に凍っているのがわかる。

表面がしっかり凍っているから、くっつきあわずにさらさらしている。

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これはかわってるな~~~~っ

食べると、うっすら甘かった。クリームみはない、シャーベットだ。ラムネ味なんだからラムネの味がするのは当然として、普通のアイス系デザートにはない、でもどこかで食べたことがある独特の味がする。

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丁寧なことにスプーンがちゃんと専用であった

外のベンチで食べていたら、昼をすぎて急に暑くなってきた。

超低温で製造することでつぶつぶでさらさらな状態に仕上がるというから、当然溶けてくると様子は変わってくる。

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おなかがすいてしまいまして、売店といえば焼きそばだろうがよ! と、食べながらアイスも撮影したから、そりゃ溶ける
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外国のグミみたいになってきた

表面の凍結が溶け、色が鮮やかになってつぶとつぶがくっつきあう。

この状態で食べて見ると、冷たさがやや抜けて味がくっきり分かりやすくなって、そして、あ、これちょっとあれだ、ええと、あれの味に似てるんだ。

あの、あれ、ええと、ええと。

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えーっと~~、ここまで出てる、ここまで出てる、なんだなんだ?

あっ!そうだ。

スイカバーだ。

ディッピンドッツにはたくさんのフレーバーがある。だから、ラムネ味である「レインボー」の限定の感想となりますが、ロッテのスイカバーのような、ざらざらしないタイプの氷菓に近い味だと思った。

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うちでは夏になると冷凍庫に登場します
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ディッピンドッツとスイカバー、「形がおもしろい」という共通点の他に、まさか味が似ているとは

子どもの私が絶対に食べたがる

謎のアイスだと取り上げたが、あちこちで売っているのだから、よく買う、おなじみの品だという人だって当然いる。

当サイト編集部の橋田さんは小学生のお子さんにねだられて買ったことがあるという。それも1度や2度ではないらしい。

「売ってるのを見つけるとどうしても食べたがるんだよね。味の種類もたくさんあるし、何度も買わされてるよ」とのことだ。

子どもが見たら珍しいしカラフルだし絶対欲しくてたまらないだろう。

ごらんの方の中には子ども時代に親にねだって買ってもらった人も多いかもしれない。

私も子どもなら絶対食べたい。

日本上陸の1995年から今年で28年、あちこちで見かけて、見かけ続けて、ついに、あのつぶつぶのアイスを食べたお話でした。

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売店周辺はすずめがよく鳴いて元気でした

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