能ある蕎麦は凄味を隠す【家そば放浪記】第160束:日本橋三越本店「全国名産品・味匠庵」で買った児玉製麺『白梅とろろ入り出雲そば』税込340円(1人前113円)

ロケットニュース24

今回もまた、高級デパート「日本橋三越本店(三越伊勢丹)」の地下にある『全国名産品・味匠庵(みしょうあん)』で買った干し蕎麦をお届けしたい。

前回の記事をご覧いただければ分かる通り、味匠庵のセレクトは間違いない……という期待がある。

しかし今回の蕎麦、失礼ながらパッケージからは “凄味(スゴみ)” を一切感じない。いわゆるよくあるパッケージ。

え〜っと、「とろろ入り」で、小麦粉先行の原材料で……と。いわゆる普通の干し蕎麦なのかな……なんて思っていた。


だがしかし──!!!!!!!!!!!


デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……


約4分ゆでて……


完成。



して、そのお味は──


ちょっと油断していたところはある。普通なんじゃないかって。茹で上がりの時の判断も正直「こりゃ普通だろ」であった。


ところが!


いざ食べたら全然違った……。



腰がスゴイ。弾力というか。もう “極限まで足腰が鍛えられまくった力士” みたいな。「こんなに力強い四股踏みますか!」ってくらいの体幹を感じる。


しかも困ったことに、味も良い。小麦粉多めの蕎麦だけど、しっかりと “蕎麦み” が感じられる良い商品。こんなに力強い蕎麦なら、「冷」でも「温」でも負けないだろうなぁ。


逆に、もしも仮に、これでトロミのついた「あんかけ系」の蕎麦とかにしちゃったら、もう食べるのがシンドくなることだろう。あまりにも腰や弾力が強いから。そこにあんかけの “引っ張り” もあったら……正直無理。


なので、正直これは、シンプルに海苔をかけて「ざる」で食べたいっすね。そんな蕎麦です。蕎麦単体で勝負できる、たった1人で勝負できる、まるでゴルゴ13みたいな蕎麦っすコレ……とか考えながら食べていたら、


あっという間にペロリです。



「家そば」か「外そば」かなら完全に「外」。アスリートに例えるなら、とにかくフィジカルが強い印象。底力というか。テクニックなどの小手先だけでなく “本当の強さ” みたいなものが感じられた。

相当にうまいですこれ。ランキング入りも辞さない構えです。さすがは日本橋三越本店の地下。「全国名産品」と謳(うた)う「味匠庵」のセレクトに間違いはないです。まいった!


執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24

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