スマホケースの ケースティファイ 、10億ドル企業目指しグローバル事業強化:大阪に新コンセプト店舗オープン

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ケースティファイ(Casetify)は、10億ドル企業を目指して大規模な小売拡大に乗り出している。

スマートフォンやノートパソコンのケースなどのカスタマイズ可能なテック系アクセサリーで知られるケースティファイは、2025年までに100店舗をオープンする予定だ。これは既存の28店舗から大きく前進するもので、そのすべてがアジア太平洋地域に位置している。20店舗は米国に、残りの80店舗はそのほかの市場に出店する予定だ。

同時に、ケースティファイは23日金曜日、新しいコンセプトの店舗を日本の大阪にオープンした。ケースティファイのほかの店舗(ステュディオス(Studios)と呼ばれ、カスタマイズステーションとして運営)とは異なり、大阪の店舗は新しい旗艦店として位置づける。フラッグシップストアは、その国や都市の関心やデザインに焦点を当て、地元アーティストとのコラボレーションや対面イベントの実施が増えている。たとえば、大阪の旗艦店では、建築家のアンドレ・フー氏の指揮のもと、床から天井にかけて、和提灯と円筒形の障子を設置した。

2025年までに売上高10億ドルへ

こうした動きは、ケースティファイが著しく成長している時期と重なっている。同社は当初、人々のインスタグラムの写真をスマホケースにデザインする手段として2011年に設立された。それ以来、同社の事業はラップトップや、AirPods、Appleウォッチなどほかのカテゴリーにも拡大。NBAやハリー・ポッター、スター・ウォーズなどの主要なプロパティとのコラボレーションを締結し、カイリー・ジェンナーやジジ・ハディッドなどのセレブリティに人気を博している。ケースティファイはこれまでに1500万個以上のスマホケースを販売し、2020年から2022年にかけて売上を140%伸ばした。昨年の売上高は3億ドル(約430億円)だったが、2025年までに10億ドル(約1430億円)企業になることを目指している。

その一環として、オムニチャネルへの移行を進めている。ケースティファイはeコマースの大手企業だが、昨年12月以来10店舗を新規オープンした。直近では、ニューヨーク市ソーホー地区とカリフォルニア州サンタクララ郡でポップアップを開いた。

ケースティファイの共同創業者兼CEOのウェスリー・ン氏は、米モダンリテールに次のように語った。「我々の実店舗プログラムは、消費者との関係において非常に重要な要素であり、消費者が我々を発見する方法だけでなく、ブランドとしてのケースティファイをどう感じるかも重要な要素だ」。

実店舗のケースティファイ ステュディオス(Casetify Studios)では、さまざまなデザインや色見本を選び、その場で商品をカスタムメイドすることができる。買い物客は、ソーシャルメディア上でしか知らないような商品に触れたり触ったりすることができ、また、リケースティファイ(Re/Casetify)というプログラムを利用し、古いケースティファイ商品を持ち込んでリサイクルすることもできる。

実店舗への注力

ケースティファイは旗艦店を増やすことを検討しているが、ン氏によると、年内には実現しない可能性が高いという。しかし、米国と欧州でステュディオスの販売網を広げることを計画しており、2023年末までにさらに多くの店舗を構える予定だ。2025年までに100店舗を建設することに関しては、「順調に進んでいるが、数字に執着しているわけではない」とン氏は話した。

「常に歩いている地平線のようなものだ」とン氏説明した。「もう少し時間がかかっても大丈夫だ。我々は、民間の企業として強く健全であり続けるために、1店舗あたりの収益性を重視している。そのため、それを達成し、着実に成長している限り、我々は満足している」。

コンサルティング会社カーニーのアソシエイト・パートナーであるマイケル・フェリーチェ氏は、世界中に店舗を増やそうとしている企業は、異なる市場で実店舗がどのように見られているかを意識する必要があると、米モダンリテールに語った。「既存のものをただ持ち込むだけではだめだということだ」。

各市場に合わせた店舗設計

フェリーチェ氏は、ケースティファイが初の旗艦店を立ち上げる日本の市場は、消費者がデジタルに精通している点でユニークであるが、日本のビジネスは消費者へのダイレクト販売よりも実店舗に依存していると述べた。そのため、「実店舗では、これまでとは異なるレベルのサービスや品質、イノベーションを提供する必要がある」と同氏は述べた。フェリーチェ氏は、日本の消費者は品質とつながりを重視する傾向があり、小売業者はそうした嗜好に応える必要があると付け加えた。

全体として、小売業者は「市場で勝つために期待されるサービスやイノベーションのレベルに、確実に合わせていく必要がある」と同氏は付け加えた。「各市場への参入をカスタマイズするのがいいと思っている。そして、それは地元のクリエーターとキュレーションすることを意味するかもしれないし、サービスレベルを変えることを意味するかもしれない。また、パッケージを変えることを意味するかもしれない」。

出店場所よって異なるケースティファイの旗艦店は、これらの目標を達成するのを後押ししている。調査会社カンターのシニア・グローバル・ソート・リーダーであるバリー・トーマス氏は、ビジネスをパーソナライズすることには「ボーナス」もあると米モダンリテールに語った。「店舗のローカライズは、消費者、特にZ世代やミレニアル世代の消費者にとって非常に重要だ。カンターは、2027年までに売上の75%がオフラインまたは実店舗での販売が占めるようになると予想しており、これらの店舗の成功は極めて重要だ。

Z世代とミレニアル世代に関しては、「彼らの嗜好、交流、体験はすべてカスタマイズされている。現地のクリエイティブでそれを商品に表現するというアイデアは、これまであまり見たことがなく、実店舗と密接に結びついた体験的な側面を持っていると思う」とフェリーチェ氏は付け加えた。

[原文:Casetify ramps up global expansion, launches new retail concept in Osaka]

Julia Waldow(翻訳・編集:戸田美子)
Image via Casetify

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