東京・新宿駅南口の交通ターミナル「バスタ新宿」の女子トイレに多数のネジやネジ穴があり、黒いガムテープで塞がれている――。そんな投稿がツイッター上で波紋を呼んでいる。
盗撮目的で仕込まれたとの見方も広がっているが、施設を管理する国土交通省東京国道事務所は「トイレの設備を押さえるためのネジです」とJ-CASTニュースの取材に答えた。SNSで声明も出し、点検結果を公表している。
「懸念されているような『盗撮カメラ』ではありません」
話題となったのは、2023年6月中旬の投稿。バスタ新宿の出発階・4階女子トイレの壁に多数のネジやネジ穴が設置されている写真が掲載された。
トイレの不審なネジを巡っては、別の施設での目撃談が過去にたびたびツイートされていた。ネジ型の「盗撮カメラ」が流通している背景もあり、バスタ新宿のネジやネジ穴もそれに該当するのではとの懸念が広がっている。
一体、不審物の正体は何なのか。6月21日、取材に応じた東京国道事務所は状況を把握しているとしたうえで、次のように説明する。
「ネジやネジ穴は、トイレットペーパーホルダーやウォシュレットのボタンなどを途中で増設したりする関係で隣のトイレについているものがはみ出て見えています」
バスタ新宿4階には女子トイレが合計21室、男子トイレが16つ、多機能トイレが2室設置されている。
話題となっているのは女子トイレだが、男子トイレなどにも同じようにネジやネジ穴が設置されているとする。
黒いテープが貼られていたのは、女子トイレ21室中の1室だという。
担当者は
「ツイッターで懸念されているような盗撮カメラや誰かが新たに設置したネジではなく、トイレの設備を押さえるためのネジです」
と説明した。
20日に記者からの問い合わせを受けて確認したところ、カメラは見つらなかった。過去にネジ型の盗撮カメラが見つかった事例もないという。
担当者は「黒いテープは管理者側が貼ったものではなく、不安に思われた利用者の方が貼ったのではないでしょうか」と推察する。
ネジやネジ穴に利用者がテープを貼る行為に関しては「他の利用者の方のことを考えると好ましくはない」とする一方「不安に思われる利用者がいると思うので、管理者として緊急的にネジが見えないような形で、不安に思われないように対応したいです」とした。東京国道事務所は21日にツイッターでも、同様の内容を公表している。
21日午後に記者が確認したところ、 黒いテープは撤去されていたが、絆創膏やテープやガムテープのようなものが貼ってある個室もあった。