美容ブランドが仕掛ける、プライド月間の Roblox 戦略:チャリティ団体への寄付やいじめ対処ゲーム

DIGIDAY

プライド月間に向けて美容ブランドがRoblox(ロブロックス)に集まっている。

6月1日にプライド月間が始まったが、エッセンスコスメティクス(Essence Cosmetics)はRobloxでプライドをテーマにしたゲームをローンチした最新の美容ブランドとなった。これは、それぞれのキャンペーンをすでに発表しているニックスプロフェッショナルメイクアップ(NYX Professional Makeup)とアーバンディケイ(Urban Decay)に続くものだ。

ゲームをプレイしてLGBTQIA+慈善団体に寄付

エッセンスの「カラーデア(Color Dare)」ゲームはアイデンティティと個性をテーマにしている。ユーザーはゲームをプレイして、「ラッシュプリンセス」というキャラクターがゲーム内のノンプレイヤーキャラクターに親切な行為をして灰色の世界をカラフルにするための手助けをする。今月中に4回ある「コミュニティデー」に決められた制限時間内にゲームをクリアしたプレイヤーは、LGBTQIA+チャリティー2団体への寄付を獲得することができる。

エッセンスの親会社、コスノバ(Cosnova)のデジタルマーケティング・エクスペリエンス責任者であるソーステン・ミュール氏は、このキャンペーンは「Z世代とアルファ世代と同じ場所にいる」ことを狙ったものだと述べている。「彼らは我々が思っている以上に仮想ルームや仮想ゲームに多くの時間を費やしている」。

LGBTQIA+のゲーマーに対するいじめを取り上げたニックス

一方、ニックスプロフェッショナルメイクアップは、LGBTQIA+のゲーマーがいじめに対処する目的の「ゲームアウトラウド(Game Out Loud)」プライドキャンペーンをRobloxに組み込んでいる。同社は、RobloxのiHeartlandに「ハウス・オブ・ニックスプロフェッショナルメイクアップ」を作成した。これによって、ユーザーはアライシップの誓約を立てて、仮想アバターのためのアライシップバッジを受け取ることができる。また、このキャンペーンはTwitchストリーマーらによって宣伝される。

メイクアップルックをローンチしたアーバンディケイ

アーバンディケイはプライドのためにアルタビューティ(Ulta Beauty)と提携して、Robloxで18のメイクアップルックをローンチした。ローンチを記念して5月13日にRoblox内でランウェイショーを伴う仮想「アイコン(Eye-Con)」パーティを開催。インフルエンサーのマニー・グティエレス氏、レイラニ・グリーン氏、エミー・コムズ氏らが出席した。

アーバンディケイ・グローバルのプレジデント、エヴァ・アードマン氏は次のように述べている。「美容クリエーターとファンの新しいコミュニティを構築しているが、我々の目標はシンプルだ。堂々と自分自身を表現し、考えを同じくするメイクアップ愛好家とつながることのできるプラットフォームを提供するということ。アイコン(パーティ)はまさにそれを実践している。2004年以来当社の小売パートナーのNo.1であるアルタビューティとの長年にわたる関係をメタバースで次のレベルに推進できるのはエキサイティングだ」。

若いオーディエンスへのリーチのためのRoblox戦略

ブランドは自社キャンペーンを宣伝するためにゲームインフルエンサーを起用している。エッセンスはTwitchストリーマーのエミルー氏を通して同社ゲームについての情報を発信する予定だ。エミルー氏は自分のチャネルでそのゲームをプレイすることになっている。

コスノバの北米CMO、ジル・クラコウスキー氏は「ゲーム界の非常に熱心なこのコミュニティ内で(コミュニティ)構築を引き続き行っていく」と語っている。

近年、美容ブランドやファッションブランドが若いオーディエンスにリーチするためにRobloxでキャンペーンを行うことが増えている。

クラコウスキー氏は次のように述べている。「若くて熱心なコミュニティにまずエッセンスについて学び、製品を知ってもらって、当社の世界に深く関与し始めてもらうことが我々にとっては非常に重要だ。製品レベルではなくファネルの最上部に彼らを据えている。そして、これは当ブランドについてさらに学び始めてもらうための実に優れた方法だ」。

約6000万人のデイリーアクティブユーザーを抱えるRobloxは、すでに大規模なファンベースを持っているプラットフォーム上でメタバースに進出したいと考えているブランドからも注目されている。一方、ディセントラランド(Decentraland)やサンドボックス(Sandbox)などのメタバースプラットフォームはブランドにとって依然実験的なままである。

ミュール氏は、Robloxが選ばれたのは「巨大なユーザーベース」を持つ「確立された」プラットフォームだからだと語っている。「Robloxは基本的に当社がメタバースへ進出する手段であり、巨大なプラットフォームだ。そこにいるのが自社だけかもしれないディセントラランドやサンドボックスとは違う」。

また、同氏によると、Robloxは長期的なマーケティングの機会であり、単なる1回限りのキャンペーンのプラットフォームではないという。

「基本的にはこれは戦略的な目標だ。Robloxを当社のエッセンスブランドの長期的なタッチポイントとして確立したいと考えている」とミュール氏。「我々にはコミュニティ全体を活性化するための大規模な計画がある」。

[原文:Beauty brands tap into Roblox for Pride campaigns

LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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