最下位に低迷する楽天。苦しい戦いが続いている。2023年5月26日現在5連敗中で借金は今季ワーストの10に。石井一久監督が21年に監督に就任して以来最多の借金となった。
「若手が伸び悩んでいる」
敗戦の内容もダメージが残る試合が続いている。
23日のオリックス戦(ほっともっと神戸)では先発の田中将大が4回10安打6失点KO。翌24日の同戦は先発の早川隆久が7回6安打2失点と踏ん張ったが、3点のリードを守れない。8回に救援した鈴木翔天が中川圭太に2ランを浴びると、9回に守護神・松井裕樹が紅林弘太郎に逆転サヨナラ2ランを被弾して肩を落とした。
「ベテランに依存したチーム作りで、若手が伸び悩んでいる。名前だけを見れば実績のある選手がそろっているが30代中盤の峠を越えた選手ばかり。攻守でミスが多く、ベンチの采配も疑問を感じる継投策が目立つ。石井監督のチーム作りの限界を感じます」(スポーツ紙記者)
石井監督が18年9月に楽天のGMに就任以降、浅村栄斗、鈴木大地、牧田和久、涌井秀章(現中日)、炭谷銀仁朗、西川遥輝と他球団のスター選手たちを次々に獲得。田中将も21年にメジャーから復帰した。
昨オフは右打者強化の観点から涌井と交換トレードで阿部寿樹を補強。だが、選手のネームバリューと対照的に、チームは弱体化しているように感じる。石井監督就任1年目の21年は3位。昨年は5月に貯金18と首位を独走していたが、その後に大失速。借金2でシーズンを終え、優勝どころかCS進出さえ逃した。今季は春先から勢いがなく、借金がふくらんでいる。
打線強化へ、今江敏晃2軍打撃コーチと雄平1軍打撃コーチの配置転換が複数のスポーツ紙で報じられた。まだシーズンは100試合以上残っている。意地を見せられるか。(中町顕吾)