ラゲージブランドの アウェイ 、2021年以来初の実店舗をオープン:再び人々を引き寄せるには?

DIGIDAY

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旅行用ラゲージブランドのアウェイ(Away)は、パンデミックの最中に実店舗小売の拡大を一時中断していたが、カリフォルニア州サンノゼに新店舗を4月28日にオープンした。

同社は2023年に実店舗の拡大をより優先していくと語っており、今回の新店舗は、今年予定しているいくつかの新店舗オープンのひとつだ。この最新の発表の前に、同社が最後に店舗を開設したのは、2021年シアトルでのことだ。

同社は、サンノゼの店舗に加えて、ワシントンD.C.に近いジョージタウンにも今夏以降に店舗を開設する。それ以外にも、まだ発表されていない店舗の開設を計画している。直営の実店舗は、同社の今年の収益の20%近くを占め、そのうち少なくとも300万ドル(約4億800万円)は新しい店舗が生み出すと予測されている。同社はこのように実店舗小売の拡大に重点を置き、オールバーズ(Allbirds)や、パラシュート(Parachute)、ワービーパーカー(Warby Parker)などほかのD2C企業と同様に、店舗が成長のより大きな割合を占めることに期待している。

実店舗の出店効果

サンノゼの店舗は4月28日に開設され、5月6日にはグランドオープンのイベントが予定されている。その日の店舗の売上はすべて、さまざまな背景の高校生に海外旅行の機会を提供する非営利団体グローバルグリンプス(Global Glimpse)に寄付される。

「当社の事業全体にとって、実店舗小売は非常に重要な部分だ。店舗での収益だけではなく、それによって事業全体が大幅に引き上げられる」と、アウェイのプレジデントを務めるキャサリン・ダンリービー氏は、米モダンリテールに語った。同氏は、アウェイが実店舗を開設するたびに、その市場での同社のeコマースビジネスは、150%上昇すると付け加えている。

同社は現在、実店舗が13店舗あり、そのほとんどはニューヨーク、ロサンゼルス、ヒューストンのような米国の最大の都市と、ロンドンやトロントのような世界的な商業地区に集中している。どこに新店舗を開設すべきかを検討するとき、同社は人々が旅行のための費用をどこで使うか、それぞれの都市のどこに、「スタイルの中心地」があるか、それぞれの通りの人通りはどの程度かなどの要因を調べると、ダンリービー氏は述べる。

「当社は、適切なブランド体験をしっかりと提供できるようにし、適切な市場の適切な通りに店舗を出店する必要がある。資金的にも魅力的な必要がある。これらの条件すべてが揃ったとき、当社は店舗を開設する」と、同氏は付け加えている。

同氏は、パンデミックから脱却するにあたり、アウェイの思考プロセスは「実店舗の拡大を保留しようとまでは考えていなかったが、拡大が遅かった」ことを認めている。

大打撃を受けた旅行業界

コンドラットリテール(Kondrat Retail)の創業者であるレベッカ・コンドラット氏は、D2Cブランドの新規出店への意欲は、この数年、どのカテゴリーで事業を行うかによって、大きく異なるようになったと語る。

たとえば、家庭用品ブランドの多くは、カテゴリーが2年間にわたって爆発的に成長したのを受けて、2022年に新店舗の展開を大幅に重視するようになった。パラシュートは昨年、店舗数を2倍にし、ブルックリネン(Brooklinen)は実店舗の店舗面積を3倍に増やした

しかし、旅行分野はパンデミックのあいだにもっとも深刻な影響を受けた業界のひとつだ。アウェイは2020年4月、コロナウイルスによる規制の最初の数週間で、売上が90%以上も減少したと語っている。

アウェイの実店舗小売の拡大は、経営陣の一部の入れ替えに続くものでもある。前のCEOだったスチュアート・ハセルデン氏が同社を去った後、2021年5月に共同創業者のジェン・ルビオ氏がCEOに任命された。以前、同社の最高財務責任者を務めていたダンリービー氏は、昨年後半にプレジデントに昇格した。また、以前にフォックストロット(Foxtrot)で最高マーケティング責任者(CMO)を務めていたカーラ・ダナム氏は、1月にアウェイのCMOに任命された。

実店舗小売の拡大に加えて、今年のもっとも大きな優先事項のひとつは、同社の品揃えを拡大し「人々が旅行用の装備をより幅広く選べるようにする」ことだと、ダンリービー氏は語る。同社は昨年、エフエーアール(F.A.R.)という名前のアウトドア用品の新商品ラインをリリースした。オンラインで注文して店舗内で引き取れるようなオムニチャネルのサービスの改善も、重点分野のひとつだ。

再び実店舗に引き寄せるには?

アウェイのような企業が直面する最大の課題のひとつは、同社が販売する商品である旅行用バッグは、しょっちゅう買い替えるものではないという事実だと、コンドラット氏は語る。「たとえばスーツケースを10年買い換えないとしたら、消費者が店舗に戻ってくるようにするにはどうすればよいだろうか?」と同氏は述べる。

インフレの影響で、今でも一部の買い物客は出費を絞っていることから、この課題はさらに切迫したものとなる。コンドラット氏は、同氏が話した多くの新興企業は、「当社の第4四半期の決算が思わしくなかったために怖気づき」、新規出店計画の減速や撤回を決定したと付け加えている。

一方でダンリービー氏は、この数年間で旅行が「非常に恒久性のあるビジネス」だと証明されたと感じていると強調している。

「旅行がセルフケアの重要な部分となったため、人々は旅行の優先度を上げ、さらに支出を増やしている」と、同氏は述べている。

[原文:Away to open its first new retail store since 2021]

Anna Hensel(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Away

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