マリア・シャラポワ氏の 投資ポートフォリオ とファッションへの抱負

マリア・シャラポワ氏は輝かしい成績を残したプロテニス選手として知られているかもしれないが、彼女の業績はそれをはるかに超えている。テニスを引退した2020年以来、シャラポワ氏は投資と事業ポートフォリオの構築に忙しく携わっている。

現在、シャラポワ氏はモンクレール（Moncler）をはじめ複数のブランドの役員を務めている。2012年にはプレミアムスイーツブランドのシュガポワ（Sugarpova）を設立した。事業運営以外にも、バラバングル（Bala Bangles）、セラボディ（Therabody）、スーパーグープ！（Supergoop!）といったウェルネスやビューティブランドへの投資も行っている。また、2022年7月には第1子を出産。シャラポワ氏は多くの役割を担っているが、主なフォーカスは母親業であり、また、投資家分野で自分の信頼性を築き続けることだと述べている。

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「強力な基盤を持つ優れたブランドと連携し続けるのが楽しみだ。起業家にとっては厳しい時期だが」と、シャラポワ氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語っている。「企業が誰からも投資されていないときに（投資が必要な）段階に時間と資金を投資するのは、私が関与して機会を見出したいと思っていることだ」。

以下に、読みやすさのために若干編集してポッドキャストから追加のハイライトを紹介する。

新しく創業する人へのアドバイス

「初期の頃を忘れてはだめだ。自分の役割に関係ないけれどやらなければならなかったタスクをどれも覚えておくべきだ。これは非常に重要だ。創業者として多くの役割があるが、（会社が成長し）自分の地位が上がるにつれてあらゆることを100％こなすことはできない。（私）生活であろうと仕事であろうと、健全なバランスというのは存在しない。自分に合ったものを見つけなければいけない。でも、小さなタスクを決して忘れるべきではない。成功を目指して進んでいるときにハングリー精神を失ってしまうのは簡単だ。あらゆることに手が届くように感じるが、創業者が気づいていないのは状況はすぐに変わる可能性があるということ。今年成功したとか、素晴らしいコラボレーションを行って数分で完売したからといって、その次のコラボレーションが同じようになるとは限らない。それを頭の片隅に覚えておくべきだ。500万ドル（約6.8億円）、1億ドル（約136億円）を調達したからといって成功したとは限らない。それは、創業者には行動を起こして投資家に向けて自分を証明するという大きな責任があることを意味する。これは大きなプレッシャーだ。重圧が伴う。多くの起業家が資金調達に興奮するのを目にしているが、それは勝ったような気分になるから。だが、そのあとには資金を使って何かをしなければならず、それこそがもっとも難しい部分だ」。

スポーツ選手として自分のパーソナルブランドを構築する鍵

「スポーツにはお金がかかる。どのスポーツでも、自分や家族、または代理人が投資の見返りを得る前に投資しなければならない金額は莫大だ。なので、ブランドから多額の報酬が提示されるレベルに達すると、それを断るのは難しい。特によく知らない若いときには、強靭な意志と、自分を導いてくれ（どの取引を行うべきかを）理解するために助けてくれるとても賢い知識豊富な人々が必要になる。（ブランド取引の）ビジネスをしっかり把握して、人々から自分に求められているのは何か、そしてそれがどれほど本物であるかを理解するのは難しい。特に若いときには、親しい人の声に耳を傾けるべきだ。自分を見守ってくれ、自分を金稼ぎに利用しない強い人々をまわりに置かなければならない。こう言うのは簡単だが、とても重要なことだ。私がお金を節約して、将来に賢明な投資ができると感じた理由のひとつは、守ってくれる人がいたから。

また、それは自分の興味と一致させることでもある。興味の対象がファッションやテクノロジーだろうと、一定の価値観や興味深いと思う人々だろうと、それを目指すべきだ。いろいろ考慮しなければならないことはある。まずは小規模な取引から始めてもいいが、（相手との）関係に非常に強固な基盤があり、自分の向上のためにマーケティング費用を投じられるなら、マーケティング支出があまりない会社から多額の給料を受け取るよりも価値があるかもしれない。自分と一致する人々を賢明に選んで、自分をさらに高めてくれるパートナーを選択するべきだ」。

［原文：Maria Sharapova on her investment portfolio and fashion aspirations］

TATIANA PILE（翻訳：ぬえよしこ、編集：山岸祐加子）