LVMH はリシュモン買収、それが不可能ならカルティエを狙っている

DIGIDAY

2月後半に発表された各社の業績では中国でのショッピングが近いうちに復活する可能性は低いことが示された。また、サックス・オフ・フィフス(SaksOff5th)はeコマースへの注力を強化しており、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)はカルティエ(Cartier)の買収を目指している。

カルティエに照準を合わせるLVMH

スイスの「Finanz und Wirtschaft(金融と経済)」紙の報道によると、LVMHは競合相手のリシュモン(Richemont)の買収を狙っているという。それが無理なら、LVMHは2021年に買収したティファニー(Tiffany & Co.)を補完するために、リシュモンからカルティエの買収を狙っていると報道されている。

高級ジュエリーとタンクウォッチで有名なカルティエの所有権を持つことにより、LVMH はジュエリー部門を成長させることができる。ジュエリーでの優位な立場は、皮革製品・バッグにおける同社のそれと匹敵するだろう。記事によると、カルティエの支配権を持つルパート家の家長であるヨハン・ルパート氏はこの売却を嫌っており、抵抗を試みるだろうといわれている。

リシュモンはケリング(Kering)と並んでLVMHの主要な競合他社の1社かもしれないが、LVMHとリシュモンの規模には大きな差がある。LVMHの2022年の年間収益は830億ドル(約11.3兆円)を超えているが、リシュモンは220億ドル(約3兆円)である。

ラグジュアリーブランドの収益報告が示す中国への不安

最近の決算報告によると、中国は依然ラグジュアリーブランドにとって疑問の対象であるようだ。中国が12月にコロナゼロ政策を解除した後感染が増加し、多くのブランドの計画が混乱した。2月23日のマイテレサ(MyTheresa)の収益報告では中国での売上が前四半期に大幅に縮小したことが示されており、全体的な売上は鈍化し、全体的な収益は増加したもののわずか1%だった。また、同日、ファーフェッチ(Farfetch)はロシアでのビジネスの損失と中国での低需要が四半期売上高の減少の原因であると述べた。ファーフェッチのブランド全体の中国での総売上高は12月以来約2%減少している。

しかし、中国で事業展開しているすべてのブランドが同じ問題を抱えているわけではない。アリババは、中国での需要の増加が同社のビジネスを後押しし、収益が2%増加したと述べている。

ファーフェッチは近いうちに中国での業績が好転することを望んでいる。また、同社は今年初めに決定した人員削減とオフィスの閉鎖により8500万ドル(116億円)の経費削減を予想している。今年は利益を10%増やし、2025年までに100億ドル(約1.4兆円)の収益を達成することを目指している。

サックス・オフ・フィフィス、eコマースとロイヤルティプログラムに注力

サックス・オフ・フィフスは、アンタックイット(UnTuckit)とグッチ(Gucci)での経歴を持つeコマースのベテラン、ジュリー・マレス氏をeコマースのシニアバイスプレジデントというデジタル関連の重要な新しいポジションに採用した。同社CEOのペイジ・トーマス氏は2月末にこの起用は優先順位の再シフトの一環であると語った(トーマス氏は2/28にCEOを辞任している)。

トーマス氏によると、サックス・オフ・フィフスのeコマースエクスペリエンスを担当する人や部門はなかったという。マレス氏の目標は、オンラインストアからアプリ、デジタルロイヤルティプログラムに至るまであらゆる要素を統括することである。

サックス・オフ・フィフスのeコマースへの投資は、多くのブランドや小売業者が実店舗にフォーカスし直しているのと時を同じくして行われている。ブランド全体のオンライン販売は2021年に大ブームとなったが、2023年の初めには減速している。しかし、トーマス氏は、ローンチからまだ1年も経っていない同社のデジタルロイヤルティプログラムがローンチ以来160万人のメンバーを集めており、このプログラムはさらなる成長の鍵であると考えている。また、そのプログラムを成長させるためにはeコマースが必要だったとトーマス氏は述べている。

[原文:Weekend Briefing: LVMH sets eyes on Cartier

DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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