コンテクスチュアル は優れたCookie代替ソリューションか?:「どのソリューションも十分に機能していない」

DIGIDAY

マーケターは、迫るサードパーティCookieの終焉を意識しているかもしれないが、代わりの新たなソリューション探しには、まだ本腰を入れていないようだ。

マーケティング業界団体のMMAグローバル(MMA Global:以下、MMA)とボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group:以下、BCG)が最近発表したレポートによると、マーケターたちは最新のコンテクスチュアル広告ソリューションが、それ以外のサードパーティCookie代替ソリューションを押し退けてでも利用すべき必要性があるのかを検討中だと結論づけている。

業界からの反応は

「ソリューションが成熟していないことと、マーケターによる影響の評価方法についての理解不足と相まって、業界は真の窮地に立たされている」とMMAのCEO、グレッグ・スチュアート氏はいう。「ソリューションがまだ十分に確立されていないか、完全に理解されていないかのいずれかだ」。

MMAは昨年、各Cookieソリューションプロバイダーに自社サービスを説明する機会を提供する一連のウェビナーを主催した。だが、業界の反応としては、どれも十分に機能しているとは感じられないというものだった、とスチュアート氏は認めた。そうした現実が妨げとなり、ライブランプ(LiveRamp)であれ、ID5であれ、GoogleのTopicsであれ、マーケターがそれらのソリューションを支持できずにいる、とスチュアート氏は言い添えた。

「主要な広告主とパブリッシャーが、より良いインターネットを構築中だ。こうしたリーディングカンパニーは、インターネットをオプトアウトからオプトインに移行し、ユーザーのためにインターネットの価値交換を何とか維持しようとしている。対照的に、多くのマーケターやコンテンツオーナーには、IDと同意について、積極的かつユーザーフレンドリーなアプローチを採る企業にシェアを奪われないように、やるべきことがある」とザ・トレードデスク(The Trade Desk)のCEO、ジェフ・グリーン氏は語る。なお、同社は、独自のUID2.0ソリューションをIAB(インタラクティブ広告協議会)と共にテストしている。

今のところは「間に合わせ解決策」頼み

上級および中間レベルのマーケターとデジタル担当幹部150人を対象にしたMMA/BCGレポートの調査結果には、適切なソリューションを見極めるのに必要な取り組みがまだ数多くあるという不安をマーケターに抱かせると同時に、自分だけではないと安心させると思われるデータもある。以下は、そうしたデータの例だ。

  • レポートの調査に参加したマーケター10人中9人が、Cookie代替ソリューションを試しているところだと回答したが、Cookie終焉後の未来に十分に備えていると感じているのは12%にとどまった。
  • 回答者の半数は、Cookieベースのソリューションを利用し続け、2年以内に新しい識別子に移行する計画だと述べた。
  • 調査に参加した中間レベルのマーケターのうち50%は、自社のCMOが問題やコンプライアンスに及ぼす影響、市場に現在存在するターゲティングおよび測定用ソリューションを十分に把握しているとは考えていないと回答した。
  • また、40%は、検索およびソーシャルメディアへの支出を増やし、プログラマティックへの支出を増やさない意向だと述べた。

今のところ、ファーストパーティデータの強化が間に合わせの解決策のようだ、と語るのはBCGのパートナー、デレク・ローデンハウゼン氏だ。「マーケターは、ファーストパーティデータが鍵になり、IDについては新たなソリューションが必要になるとわかっている。問題は、Cookie終焉の時期や代替ソリューション、Cookie終焉後の世界でのIDに対する最善の取り組み方が、正確には不明な点だ」。

IABは動きの遅いマーケターを厳しく批判

恐らくそれが理由で、MMAは確率論的または決定論的Cookie代替ツールとはまったく異なるソリューションを探している、とスチュアート氏が述べたのだろう。MMAは現在、最新のコンテクスチュアルマーケティングの価値の評価について、ブランドと協議中だ。

「マーケターにとってのこうした課題への答えは、ほかのどこかにあるのかもしれないと思っている」とスチュアート氏は語り、「業界向けコンソーシアム構想」の策定に参加するために、10人のマーケターを確保しつつあると付け加えた。

データの状況に関する2月のIABのレポートでは、マーケターはCookie終焉への備えができていないことも明らかになっており、業界の意識が今のままであれば、年間売上高の面で100億ドル(約1兆2750億円)の打撃を受ける可能性があると言及している。このレポートは、ソリューション探しが遅々として進まない会員に対し、いつも以上に厳しい批判的内容になっているという。

「記憶にある限りでは、IABが会員をそんなふうに直接批判したことはない」と、IABの調査結果を分析したレポートで、インサイダー・インテリジェンス(Insider Intelligence)の上級アナリスト、ポール・ヴェルナ氏は述べている。「このレポートが具体的な行動につながるか否かは疑問だが、広告のターゲティングおよび測定の混沌とした状態が、2022年にバイヤーとセラーにとって優先課題になるのは間違いない」。

[原文:Can contextual provide a better solution than cookie-replacement options, asks the MMA

Michael Bürgi(翻訳:矢倉美登里/ガリレオ、編集:分島翔平)

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