ヘルスケアブランド 、ウェリーがボディケアブームに参入:ヘルス企業が美容製品に進出する理由

DIGIDAY

カラフルな絆創膏やほかの応急手当用品で知られるウェリー(Welly)がボディケア分野に進出している。

創業4年のウェリーは8月に拡大し、市販薬とサプリメントを加えた。同社製品は、ターゲット(Target)、CVS、ウォルマート(Walmart)、ウェグマンズ(Wegman’s)、Amazonなどで取り扱いがある。

ボディケア製品をターゲットでローンチ

ウェリーは、2月5日、ターゲットで最初の局所製品を販売する。まずローンチしたのは、デイリーハイドレーションボディローション(Daily Hydration Body Lotion)、湿疹ボディクリーム(Eczema Body Cream)、ラフ&バンピーボディローション(Rough & Bumpy Body Lotion)、ドライ&イッチーボディローション(Dry & Itchy Body Lotion)、ボディアクネスプレー(Body Acne Spray)、ファーミングボディローション(Firming Body Lotion)の6点で、価格は16〜17ドル(約2100〜2200円)。ウェリーは、消費者データ会社のヌメレーター(Numerator)のデータに基づいて、Z世代とミレニアル世代のあいだでもっとも一般的なボディケアの6つの悩みを選んでそれらに注力している。

応急手当用品は美容製品だという創業者の考え

ウェリーは、洗剤とパーソナルケアの会社であるメソッド(Method)とサプリメントのブランド、オリー(Olly)の創業で知られる連続起業家、エリック・ライアン氏が立ち上げた。メソッドは2017年にSCジョンソン(SC Johnson)に買収された。ユニリーバ(Unilever)が2019年にオリーを、2021年にウェリーを買収。ライアン氏はこれら3ブランドすべてに引き続き関与している。

ライアン氏は、自分が立ち上げたブランドをそれぞれのカテゴリーの観点から常に広く捉えていると述べている。「応急手当というのは本質的には美容製品だ。肌に貼るわけで、着用する唯一のヘルスケア製品といえる。その点でデザインとアパレルの性質を持っている。また、肌を修復することでもあるので、美容の一形態ともいえる」。

ヘルス企業が美容製品に進出する例

ライアン氏は美容と健康の融合は長続きするトレンドだと語っている。自分のキャリアを通じて同氏は美容業界から「ヒント」を得てきたという。そのおかげで、洗剤やビタミンなどの日常的なカテゴリーの体験を高めることができた。しかし、ボディケアのローンチはこれまでの筋書きを変えるものだと述べている。

「今回私は初めてヘルスを美容に取り入れた」とライアン氏。

ライアン氏によると、治療関連製品の売り場は停滞しているという。ユーセリン(Eucerin)やワセリン(Vaseline)といったブランドは皆に必要とされる製品を提供しているが、長年変わっていない。一方、美容業界のほかのセグメントは最新の感性に合わせて進化を遂げている。

「(カテゴリーとしての)治療は大いに盛り上がっており、その分野のブランドはすさまじい成長を見せている。だが、美容ブランドがどのように自社ブランドを表現して、(消費者と)感情的につながることができるかということと、臨床的で退屈な治療分野の(感性の)間にはギャップが存在する」とライアン氏。そして、言うまでもなく従来の治療ブランドは「クリーン」ではない、と付け加える。

ライアン氏は、自分のブランドすべてにおいて、効能と「消費者にとってより良い、地球にとってより良い」製品を組み合わせることを目指してきたと述べている。

Z世代とミレニアル世代に向けたTikTokでのプロモ

ウェリーは、TikTokで58.6万人のフォロワーを抱えるジオン・コー医師を起用して新コレクションのプロモーション活動を主導した。

ウェリーのコミュニケーションマネージャーであるマリ・マズッコ・コーダール氏は次のように述べている。「肌の健康に関する会話は(TikTokで)関連性が高いことを理解している。コー医師は、オーディエンスやほかの消費者が製品の効果や、製品が対応しているニーズについて確実に理解できるように教育的なコンテンツにするという。我々はまた、ミッドティア、マイクロ、ナノスケールでTikTokインフルエンサーを起用している。Z世代の消費者とミレニアル世代が(積極的に活動しているのが)わかっているTikTokを優先している」。

ライアン氏は次のように述べている。「ミレニアル世代は健康とウェルネスをライフスタイルの追求と見なした最初の世代であり、ソウルサイクル(SoulCycle)とバリーズ(Barry’s)の台頭により、それはまずフィットネスに見られ、そしてアスレジャーに移行した。それは、オリーのブランド構築についての我々の考え方に影響を及ぼした。X世代などの以前の世代の健康へのアプローチはもっと緊急的なものだった。問題があれば治療するといったものだ。ベビーブーム世代は自分の健康を顧みなかった。Z世代は健康問題について非常にオープンで、正直で、透明であり、直接的だ」。

悩みや問題を受け入れるZ世代へのメッセージ

身体を持つ人間として避けられないスキンケアの問題を受け入れることは新しいフロンティアだ。これは、Z世代が知られるようになった過激な受容のメッセージの一部である。そして、これは、スターフェイス(Starface)の目立つニキビパッチであろうが、以前は不名誉とされた「チャブラブ(太っていることで太ももがこすれて肌が痛むこと)」などのボディケアの悩みに対するメガベイブ(Megababe)の大胆なアプローチによるものであろうが、現在の美容業界全体に響き渡るメッセージなのである。

ライアン氏は次のように述べている。「このような製品のメッセージは『体のニキビや肌のほかの悩みから逃避してはだめだ。前の世代は隠して話題にもしなかった』ということだ。だからこそ、我々は製品(のパッケージ)を明るい色にして、讃えるようにしている」。

[原文:Health-care brand Welly joins the body-care boom

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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